忍者マンガおすすめ10選|王道バトルから現代・異色系まで

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忍者マンガと聞いて思い浮かべるものは、人によってずいぶん違うはずだ。額当てを巻いた少年が術を撃ち合う熱いバトルを思う人もいれば、現代の街に紛れて暗躍する者たちのハードな物語を思う人もいる。忍者という存在は不思議なもので、時代劇の枠に収まりきらず、少年漫画の王道にも、サイバーパンクにも、ギャグにも、いくらでも姿を変えて潜り込んでいく。

ここで紹介するのは、そんな忍者マンガの中でも、王道の少年バトルものと、現代を舞台にした異色作を織り交ぜた10作。誰もが知る大作から、近年話題になった新しい忍びまでご紹介。

目次

NARUTO -ナルト-

岸本斉史/集英社・週刊少年ジャンプ/全72巻+外伝1巻

NARUTO―ナルト―

落ちこぼれの忍者が、世界を変える言葉を見つけるまで

九尾の妖狐を体内に封じられ、里の人々から疎まれて育った少年・うずまきナルト。落ちこぼれと呼ばれた彼が、仲間や師との出会いを重ね、忍の頂点である火影を目指して成長していく。1999年から2014年まで週刊少年ジャンプで連載され、全700話を駆け抜けた長編だ。

NARUTOの核にあるのは、ただの強さ比べではない。裏切り、復讐、孤独といった重いテーマを真正面から扱いながら、物語は次第に「対話」と「許し」へと向かっていく。仲間を思う気持ちがそのまま力に変わる構造、忍術バトルの華やかさ、そして敵にもそれぞれの哀しい過去が用意される丁寧さ。世界中で読み継がれてきた理由が、巻を追うごとに腑に落ちる。忍者マンガを語るなら、まずここから始めたい一作だ。

なお、本編完結後には、ナルトの息子・うずまきボルトを主人公とする続編『BORUTO-ボルト-』も展開されている。親世代の物語を見届けたあと、次の世代の忍たちがどんな時代を生きるのか。本編を読み終えてさらに先を知りたくなったら、そちらへ進むのもいい。

NINKU -忍空-

桐山光侍/集英社・週刊少年ジャンプ/文庫版・電子版 全6巻

NINKU -忍空-

忍術と空手が出会った、90年代ジャンプの異彩

「忍空」とは、忍術と空手を組み合わせた架空の武術の名だ。戦乱の世が終わった時代を舞台に、忍空使いの風助が、かつての仲間でもある残党たちと対峙していく。1993年から週刊少年ジャンプで連載され、当時のジャンプの中でも独特の存在感を放った作品である。

風助の飄々としたキャラクター、丸みのある絵柄から繰り出される切れ味鋭いアクション、そして仲間との情に厚い関係性。シリアスとユーモアの配分が絶妙で、ページをめくる手が止まらない。連載は紆余曲折を経たが、週刊少年ジャンプ掲載分は現在文庫版・電子版で手に取りやすい形にまとまっている。90年代ジャンプの空気を吸いたい人にも、忍者バトルの変わり種を探している人にも勧めたい。

なお、本編の続きとして、後年ウルトラジャンプで連載された続編『忍空〜SECOND STAGE 干支忍編〜』(全12巻完結)がある。十二支になぞらえた干支忍たちと風助の戦いが描かれ、本編で風助に惹かれた人なら続けて追いかけたくなる物語だ。

風魔の小次郎

車田正美/集英社・週刊少年ジャンプ/ジャンプコミックス全10巻、文庫版全6巻

風魔の小次郎

現代に生き残った忍びたちが、聖剣を巡って激突する

『リングにかけろ』で知られる車田正美が、1982年から週刊少年ジャンプに連載した忍者バトル。現代に生き残っていた風魔一族の小次郎が、ライバル校に与する夜叉一族と激突し、やがて聖剣を巡る壮大な戦いへと巻き込まれていく。

車田作品らしい、登場と同時に必殺技が炸裂するスピード感、惜しげもなく散っていく戦士たち、そして魂を震わせる名ゼリフの数々。理屈よりも勢いと熱量で押し切る作風は、今読んでもまったく古びていない。風林火山をはじめとする聖剣の設定もロマンにあふれている。短くまとまった巻数で一気に駆け抜けられるのも嬉しい。熱い忍者バトルに飢えているなら、この熱量に身を任せてみてほしい。

隠の王

鎌谷悠希/スクウェア・エニックス・月刊Gファンタジー/全14巻

隠の王

禁忌の術を宿した少年と、命を削る忍びの物語

その身に、忍の世界=「隠の世」が生んだ最大の秘術「森羅万象」を刻まれた中学生・六条壬晴。彼を巡って、伊賀や風魔といった現代に生きる忍たちの戦いが始まる。2004年から月刊Gファンタジーで連載された、現代忍者バトルの良作だ。

この作品の魅力は、派手なバトル以上に、登場人物たちの繊細な心理描写にある。とりわけ、己の命を削る禁術「気羅」を操り、死期を悟りながら戦う少年・宵風の存在が物語に深い陰影を与えている。誰かを守ろうとする優しさと、自分が傷つくことへの諦め。そうした感情の機微が丁寧に積み重ねられ、最終巻の着地は静かな余韻を残す。アクションと人間ドラマの両方を求める読者に届けたい一作である。

アンダーニンジャ

花沢健吾/講談社・週刊ヤングマガジン/既刊17巻(連載中)

アンダーニンジャ

日本に20万人。職にあぶれた忍者たちの現代奇譚

戦後、GHQによって解体されたはずの忍者組織。だが実際には、忍者は今も日本に約20万人が潜伏し、官民あらゆる組織で暗躍していた。その末端で、職にあぶれてニート同然の生活を送る雲隠九郎のもとに、ある日重大な任務が舞い込む。『アイアムアヒーロー』の花沢健吾が描く、現代忍者奇譚だ。

設定だけ聞くと荒唐無稽だが、花沢健吾特有の圧倒的な画力と、緊張と脱力を行き来する独特のテンポによって、奇妙なリアリティが立ち上がってくる。ぼんやりした主人公の日常と、突然訪れる剥き出しの暴力。そのギャップが癖になる。組織の階級や海外との繋がりなど、謎が少しずつ開かれていく構成も読み応えがある。一筋縄ではいかない忍者ものを味わいたい人に。

忍者と極道

近藤信輔/講談社・コミックDAYS/既刊17巻(連載中)

忍者と極道

300年の因縁。忍者と極道、どちらが生きるか

トラウマから笑えなくなった少年・忍者(しのは)と、表向きはエリート会社員ながら裏では組を牛耳る極道(きわみ)。悪を討つ忍者と、裏社会で悪事を重ねる極道。この2つの勢力が、300年にわたる血で血を洗う抗争の中で激突する。コミックDAYSで2020年から連載され、2025年にはTVアニメ化もされた話題作だ。

この作品は、とにかく熱量とケレン味が振り切れている。ルビを使った独特の言葉遊び、絵から噴き出すような迫力、そして全力でシリアスをやり切るがゆえに生まれる可笑しさ。理屈抜きで読者を巻き込む勢いがある。なお流血や残酷な描写はかなり激しめなので、その点は読む前に知っておくとよい。過剰さそのものを楽しめる人には、強く印象に残る一作になるはずだ。

ニンジャスレイヤー

原作:ブラッドレー・ボンド+フィリップ・N・モーゼズ/漫画:余湖裕輝/脚本:田畑由秋/KADOKAWA・角川コミックス・エース/第一部「ネオサイタマ炎上」全14巻

ニンジャスレイヤー

サイバーパンク日本で、ニンジャがニンジャを殺す

舞台は近未来の都市ネオサイタマ。平凡なサラリーマンだったフジキド・ケンジは、ニンジャ同士の抗争に巻き込まれて妻子を失い、自らも瀕死の重傷を負う。そんな彼にニンジャソウルが宿り、ニンジャを殺す者=ニンジャスレイヤーとして復讐の闇を走り出す。Twitter発で人気を博した小説を原作とする、漫画版である。

「アイサツに始まり爆発四散に終わる」と評される独特の世界観は、誇張されたサイバーパンク日本のイメージと、過剰なまでのニンジャ描写で唯一無二だ。漫画版「無印」は劇画調の迫力で、原作の殺伐としたアトモスフィアを骨太に再現している。第一部「ネオサイタマ炎上」は全14巻でひとまずの決着を迎える構成なので、まずはここから飛び込んでみるとよい。クセの強さを面白がれる人ほどハマる作品だ。

乱破 -ヤンキー忍風帖-

橋本エイジ/秋田書店・週刊少年チャンピオン/既刊8巻(連載中)

乱破 -ヤンキー忍風帖-

喧嘩無敗のヤンキーが、忍者の頂点を目指す

喧嘩で負けたことのない最強のヤンキー・風間煙人。自分の子分を倒したという男・蜂須賀一矢に会いに行った煙人は、彼が只者ではないことを知る。やがて煙人は一矢と意気投合し、忍者の総本山である刃心高校へと転校。伊賀・甲賀・無所属の忍者たちがしのぎを削る強者の巣窟で、忍者界の頂点を目指して戦っていく。『ちるらん 新撰組鎮魂歌』の橋本エイジが、2024年から週刊少年チャンピオンで連載中の忍者ヤンキーアクションだ。

この作品の魅力は、難しいことを抜きにした真っ直ぐなバトルの熱量にある。忍者でヤンキー、通称「忍鬼」たちがぶつかり合う構図は単純明快で、ページをめくるたびに勢いが加速していく。禁忌の一族・風魔の血を継ぐ煙人を巡って各派閥が動き出す群像劇としての面白さもある。理屈より先に拳が出るタイプの少年漫画が好きな人に向けたい、新鋭の一作である。

地獄楽

賀来ゆうじ/集英社・少年ジャンプ+/全13巻

地獄楽

抜け忍と死罪人が、不老不死の島で生死を懸ける

かつて最強の忍として畏れられ、今は抜け忍として囚われの身となった画眉丸。打ち首執行人から、極楽浄土と噂される島で「不老不死の仙薬」を持ち帰れば無罪放免にすると告げられる。愛する妻にもう一度会うため、画眉丸は他の死罪人たちと共に、化物の住む謎の島へと足を踏み入れる。少年ジャンプ+で連載され、アニメ化もされた忍法浪漫活劇だ。

美麗かつ悲壮感あふれる絵柄で、過酷な状況下の力強い人間ドラマを描き切った作品である。一見すると無機質な殺し合いの物語に見えて、その根底に流れているのは「愛」と「生きて帰る」という切実な願いだ。なお、人体の変容や戦闘の流血など過激な描写は少なくないので、その点は心づもりをしておきたい。全13巻と長すぎず、最後まで一気に読み通せる密度の高さも美点である。

しのびごと

原作:たけぐし一本/作画:みたらし三大/集英社・週刊少年ジャンプ/既刊8巻(連載中)

しのびごと

コミュ障最強忍者が、女子高生を秘密裏に護衛する

忍者は、今もこの日本で活動していた。世を忍び悪を討つ公安忍部隊に属する少年・ヨダカが命じられた次の任務は、女子高生・向日アオイの護衛。目立たず生徒として彼女を守るはずが、極端にコミュニケーションが苦手なヨダカは、なぜかアオイと友達になってしまう。2024年から週刊少年ジャンプで連載中の、現代を舞台にした学園忍者アクションである。

同世代最強と呼ばれる戦闘力を持ちながら、私生活ではコミュ障そのものというヨダカのギャップが、この作品の大きな魅力だ。スピーディーなバトルと軽快なコメディのバランスがよく、ポップでクールな現代忍者譚として仕上がっている。アオイとの距離が少しずつ縮まっていく青春の手触りも心地よい。「次にくるマンガ大賞2025」コミックス部門で第8位に選ばれた、今まさに伸びている注目作だ。新しい忍者マンガに出会いたい人に勧めたい。

忍者の騎士

朝日モコ/KADOKAWA・カドコミ/既刊5巻(連載中)

忍者の騎士

忍者の術と騎士の剣技、相容れぬ二つが一人に宿る

サン王国騎士団の新人・内藤は、ちょっとした変わり者。その正体は、騎士団長が危険なアイテムを手に入れる前にそれを奪う忍務のため、騎士団に潜入していた忍者だった。だがある日、新人教育係のセーラに正体を見破られてしまう。事情を知ったセーラは秘密を守りつつ協力を申し出て、二人は奥義書をめぐる旅へと踏み出していく。2024年から漫画アプリ・カドコミで連載されている異世界ファンタジーだ。

隠れることを主体とする忍者の術と、攻撃を主体とする騎士の剣技。本来は相容れないはずの二つを組み合わせた「忍者の騎士」という発想が、この作品の軸になっている。剣と魔法の異世界に忍術を持ち込むことで生まれる戦い方の意外性、そして内藤とセーラの軽妙な相棒関係。ダンジョン探索ファンタジーとしての楽しさに、忍者ものならではのひねりが効いている。王道のバトルとは一味違う、変わり種の忍者譚を探している人に勧めたい。


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