メジャーリーグが舞台の野球漫画おすすめ|MLB・海外挑戦を描いた名作を厳選紹介

MLB・海外挑戦を描いた野球マンガ
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※小説やコミックの発売巻数や既刊などの情報は記事が書かれた当時のものとなります。

野球漫画といえば、甲子園を目指す高校球児たちの物語を思い浮かべる人が多いかもしれない。 けれど、野球の世界はもっと広い。海の向こうには、メジャーリーグという途方もなく大きな舞台が広がっている。

大谷翔平選手の活躍もあって、いまやMLBは日本の野球ファンにとっても身近な存在になった。だけど漫画の世界では、意外なほどメジャーリーグを正面から描いた作品は少ない。高校野球やプロ野球に比べると、その数は圧倒的にレアだ。

だからこそ、ここで紹介する5作品には特別な熱がある。日本からメジャーを目指す者、メジャーから日本にやってきた者、独立リーグの底辺から這い上がろうとする者。それぞれの「海を渡る理由」が、物語に唯一無二の重みを与えている。

今回は、メジャーリーグや海外挑戦にまつわる野球漫画だけを厳選して紹介する。

目次

MAJOR(メジャー)

著者: 満田拓也 出版社: 小学館(週刊少年サンデー) 巻数: 全78巻(1994年〜2010年連載) 累計発行部数: 5,500万部突破

MAJOR

5歳の少年が、メジャーリーグのマウンドに立つまでの壮大な旅路

プロ野球選手だった父を幼くして亡くした本田吾郎が、リトルリーグ、中学、高校、マイナーリーグ、そしてメジャーリーグへと歩んでいく、全78巻の大河野球ドラマ。

この作品のすごさは、ひとりの少年の人生をまるごと描き切ったことにある。幼稚園時代の吾郎は、ただ野球が好きな子どもだった。それが巻数を重ねるごとに、挫折と反骨を繰り返しながら、誰にも止められない野球バカへと成長していく。

メジャー編では、言葉の壁やMLB独特の実力主義、マイナーリーグの過酷な移動生活など、日本の野球漫画ではなかなか描かれないリアルな描写も多い。高校野球編までの蓄積があるからこそ、吾郎がメジャーのマウンドに立つ瞬間の感慨は格別だ。

タイトルに「MAJOR」を冠しながら、メジャーリーグに到達するまでに50巻以上を費やしたという事実が、この物語の本質を物語っている。夢の舞台は、近道では辿り着けない。

「MAJOR」の関連テーマ

フォーシーム/フォーシームNEXT

著者: さだやす圭 出版社: 小学館(ビッグコミック) 巻数: フォーシーム 全19巻(2013年〜2019年連載)/フォーシームNEXT 全9巻(2019年〜2022年連載)

フォーシーム

36歳、監督を殴ってクビ。行き先はメジャーリーグ

日本球界で「キング」と呼ばれた剛腕投手・逢坂猛史、36歳。クライマックスシリーズの大一番で、交代を告げた自軍の監督にネックハンギングをかましてしまい、日本球界から完全に追放される。そんな男が次の戦場に選んだのが、まさかのメジャーリーグだった。

この作品の魅力は、逢坂というキャラクターの規格外っぷりに尽きる。王様気質でバツイチ、飛行機が苦手で気絶するくせに、マウンドでは絶対に譲らない。90マイルのフォーシーム一本で、メジャーの強打者に真正面から挑んでいく。

特に面白いのが、メジャー契約を勝ち取るまでの過程だ。GMからは「紅白戦とオープン戦をすべて無失点で投げろ」という無茶な条件を出され、さらに逢坂自身が「セーブ成功ごとに報酬が倍々になる」という前代未聞のインセンティブ契約を提案する。この破天荒さが痛快で、ページをめくる手が止まらない。

続編の『フォーシームNEXT』では、ポストシーズンからワールドチャンピオンを目指す展開へ。日本球界を描いた前作『なんと孫六』の主人公との共演もあり、さだやす圭ファンにはたまらない仕掛けが用意されている。

グラゼニ

原作: 森高夕次 漫画: 足立金太郎 出版社: 講談社(モーニング) 巻数: 無印 全17巻/東京ドーム編 全15巻/パ・リーグ編 全13巻/大リーグ編 既刊8巻(連載中)

グラゼニ

年俸1800万円の中継ぎ左腕が、15年かけてメジャーに辿り着く

「グラウンドには銭が埋まっている」、略して「グラゼニ」。プロ8年目、年俸1800万円の中継ぎ投手・凡田夏之介が、相手バッターの年俸を気にしながらマウンドに上がるという、異色すぎる野球漫画だ。

このシリーズを「海外挑戦」のテーマで紹介するには、実はかなりの遠回りが必要になる。凡田はまずセ・リーグの神宮スパイダースで生き残りをかけ、FAで文京モップスへ移籍し、さらにパ・リーグの仙台ゴールデンカップスへ。トミー・ジョン手術を乗り越え、2軍でナックルボールという新たな武器を身につけた末に、ようやくメジャーリーグへの扉が開く。

最新の「大リーグ編」では、36歳となった凡田がボストン・ブルーソックスの招待選手としてアメリカに渡る。ナックルボールという特殊球を武器に、まさかのオールスター出場まで果たしてしまう展開は痛快そのものだ。

この作品が面白いのは、メジャーの年俸体系やマイナー降格のシビアさ、代理人交渉の駆け引きなど、野球ビジネスの裏側までしっかり描いているところ。華やかなメジャーの舞台裏にある「銭」のリアルを知りたい人には、これ以上の教科書はない。

「グラゼニ」の関連テーマ

雷神〜RISING〜

著者: 真船一雄 出版社: 講談社(週刊少年マガジン) 巻数: 全4巻(2000年〜2001年連載)

雷神〜RISING〜

ドラフトも高額契約もいらない。底辺から這い上がる男のベースボール

『スーパードクターK』で知られる真船一雄が描いた、アメリカを舞台にした野球漫画。主人公のシバタ・イナズマは、メジャーリーグの名門球団トロント・ブルーインパルスのトライアウトで、97マイル(約155キロ)の快速球を武器にメジャー屈指の強打者を打ち取る。しかし、自ら合格を辞退してしまう。

イナズマが向かった先は、年間100敗を記録するような独立リーグの最弱チーム、ウィンランド・ブラックス。そこはかつて、イナズマの祖父がプレーしていたチームの成れの果てだった。祖父の果たせなかったメジャーリーガーの夢を背負い、イナズマは野球の最底辺からトップを目指す。

全4巻と短いながら、アメリカの独立リーグという日本の漫画ではほとんど描かれない世界を舞台にしているのが新鮮だ。メジャーの華やかさとは対極にある、泥臭くも誇り高い野球がそこにはある。短期集中連載だったこともあり、物語が駆け足で終わってしまうのが惜しいが、その分テンポよく一気に読める。

REGGIE(レジー)

原作: GUY JEANS(ロバート・ホワイティング) 作画: ヒラマツ・ミノル 出版社: 講談社(モーニング) 巻数: 全12巻(1991年〜1994年連載)

REGGIE(レジー)

メジャーリーガーの目に映った、日本野球という異文化

ここまで紹介した作品は「日本からメジャーへ」という方向だったけれど、この作品は逆だ。MLBの名門球団で10年以上4番を打っていたレジー・フォスターが、不振による解雇を経て、日本のプロ野球チーム「東京ジェントルメン」にやってくる。

レジーは日本野球を甘く見ていた。しかし待っていたのは、送りバントに敬遠、管理野球にフロントの横やりと、アメリカの「ベースボール」とはまるで違う「ヤキュー」の洗礼だった。

原作者のGUY JEANSは、日本球界に精通したアメリカ人作家ロバート・ホワイティングの変名。実在のプロ野球関係者をモデルにしたキャラクターが多数登場し、当時の日本球界の体質を痛烈に風刺している。巨人をモデルにした「ジェントルメン」のオーナー夫人の球団経営への介入や、編成部と現場の対立など、野球ファンなら思わずニヤリとするエピソードが満載だ。

1990年代前半、野茂英雄がドジャーズに移籍する前の時代。日米の野球にはまだ大きな隔たりがあった。その時代の空気を体感できるという意味でも、貴重な一作だ。

海を渡った先に、まだ見ぬ物語がある

野球漫画の主戦場が甲子園や日本のプロ野球であることは、おそらくこの先も変わらない。だからこそ、メジャーリーグや海外挑戦を描いた作品には、独特の新鮮さと緊張感がある。

言葉が通じない環境、実力だけがものを言う世界、文化の違いに戸惑いながらも自分の野球を貫こうとする姿。それは甲子園を目指す物語とは別種の感動を読者に届けてくれる。

いま現実の野球界では、日本人選手のメジャー挑戦がかつてないほど活発になっている。そんな時代だからこそ、ここで紹介した5作品を手に取ってみてほしい。フィクションの中にも、海を渡る者たちのリアルな熱が、しっかりと刻まれている。

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