創作の現場を描いたアニメおすすめ11選|アニメ制作・声優・漫画家の裏側

創作の現場を描いたアニメおすすめ
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わたしたちが夢中になるアニメも、マンガも、ゲームも、映画も、誰かが机にかじりつき、締め切りに追われ、それでも面白いものを世に出したいと願ったからこそ存在している。完成した作品の向こう側には、いつもそれをつくった人たちの汗と興奮があるのだ。

今回紹介するのは、そんな「物語をつくる人たち」自身を主役に据えたアニメである。アニメ制作の現場、声優というお仕事、ゲーム会社の日常、漫画家の机の上。普段は表に出てこない裏側を覗かせてくれる作品たちは、ものづくりの苦しさと歓びを、これでもかと教えてくれる。何かをつくったことがある人にも、つくる人に憧れる人にも、そして単純に良い物語に出会いたい人にも届けたい11本を集めてみました。

目次

SHIROBAKO

オリジナルアニメ/監督:水島努/制作:P.A.WORKS/2014年〜2015年放送(劇場版は2020年公開)

SHIROBAKO

アニメ制作の現場には、毎日小さな奇跡が起きている

高校のアニメ同好会で「いつか一緒に作品をつくろう」と誓い合った5人の女の子。卒業後、それぞれ制作進行、アニメーター、声優、3DCGクリエイター、脚本家志望としてアニメ業界に飛び込んでいく。主人公の宮森あおいは新人制作進行として、トラブルだらけの現場を奔走する。

この作品の凄みは、アニメがどうやって生まれるのかを、専門用語も泥臭い人間関係もごまかさずに描ききっていることだ。締め切り、リテイク、突然消える原画マン。胃が痛くなるような現場の連続なのに、観終わったあとには「ものをつくるって、やっぱりいいものだ」という温かい気持ちが残る。アニメ好きなら一度は通っておきたい、お仕事ものの金字塔である。

関連テーマ

映像研には手を出すな!

原作:大童澄瞳(小学館「月刊!スピリッツ」)/監督:湯浅政明/制作:サイエンスSARU/2020年放送

映像研には手を出すな!

頭の中の「最強の世界」を、自分の手で動かしたい

設定を考えるのが大好きな浅草みどり、お金の計算に長けた金森さやか、カリスマ読者モデルでありながらアニメーターを志す水崎ツバメ。3人の女子高生が「映像研究同好会」を立ち上げ、自分たちの思い描く世界をアニメーションにしようと奮闘する。

SHIROBAKOがプロの現場を描いたのに対し、こちらが捉えるのはもっと原初的な衝動だ。絵が動く、世界が立ち上がる、その純粋な楽しさが画面いっぱいに爆発する。湯浅政明監督とサイエンスSARUの手によって、浅草たちの空想がそのままアニメになって動き出す瞬間は鳥肌ものだ。何かをつくりたくてたまらない気持ちを、これほど鮮やかに映像化した作品はそうない。

映画大好きポンポさん

原作:杉谷庄吾【人間プラモ】(KADOKAWA)/監督:平尾隆之/制作:CLAP/2021年公開

映画大好きポンポさん

名作は、夢と狂気のあいだから生まれてくる

映画の街ニャリウッドで、敏腕プロデューサーのポンポさんのもとアシスタントを務める青年ジーン。映画通だが「自分には監督なんて無理だ」と卑屈になっていた彼が、ある日ポンポさんから新作映画の監督に大抜擢される。

作中で語られる「90分」へのこだわりそのものがひとつの主張になっている、密度のかたまりのような劇場アニメだ。とりわけ「編集」という地味な工程に光を当て、何を残し何を切り捨てるかにクリエイターの魂が宿るのだと熱く語る。つくることに人生を懸ける人間の高揚と孤独が、テンポよく胸に迫ってくる。映画づくりの物語でありながら、あらゆる「ものづくり」への賛歌になっている。

関連テーマ

それが声優!

原作:あさのますみ(浅野真澄)、作画:畑健二郎/監督:博史池畠/制作:GONZO/2015年放送

それが声優!

憧れの声優という仕事は、こんなにも地味で、こんなにも愛おしい

デビューしたての新人声優・一ノ瀬双葉。際立った個性もなく、仕事もほとんどない。アルバイトで食いつなぎながら、アフレコ現場で出会った同期の2人とユニットを組み、声優として少しずつ前に進んでいく。

原作者は現役声優の浅野真澄。自身の経験と膨大な取材に基づいているだけあって、描かれる声優業界は誇張も美化もなくリアルだ。査定、ガヤ、ナレーション、イベント、歌にダンス。華やかなイメージの裏にある地道な現実を、コミカルに、けれど誠実にすくい上げている。声優という仕事への解像度がぐっと上がる一本だ。

ガーリッシュ ナンバー

原作:渡航/キャラクター原案:QP:flapper/監督:井畑翔太/制作:ディオメディア/2016年放送

ガーリッシュ ナンバー

夢と野心を抱いて飛び込んだ業界は、想像よりずっとシビアだった

かわいい外見と世を舐めきったメンタルを持つ女子大生・烏丸千歳。声優としてあっさり売れるつもりが、現実はそう甘くない。やる気のない新人と、いい加減なプロデューサー、回ってこない仕事。おかしくも世知辛い業界の内側が、辛口のユーモアとともに描かれる。

原作・シリーズ構成は「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」の渡航。理想に燃える物語ではなく、むしろ夢が現実にすり減らされていく感覚を、皮肉とほろ苦さで包んで見せる。それが声優!の温かさとはまた違う角度から、エンタメ業界の手触りを伝えてくれる。光だけでなく影も知りたい人に向く作品だ。

声優ラジオのウラオモテ

原作:二月公(電撃文庫/KADOKAWA)/監督:橘秀樹/制作:CONNECT/2024年放送

声優ラジオのウラオモテ

マイクの前の「わたし」と、素顔の「わたし」のあいだで

表の顔は清楚でかわいいアイドル声優、裏の顔は生粋のギャル。そんな二重生活を送る歌種やすみこと佐藤由美子は、同じく裏表のある同業者・夕暮夕陽とラジオ番組を担当することになる。ところが相手は、その日学校で口論したばかりの根暗なクラスメイトだった。

第26回電撃小説大賞の大賞受賞作が原作。声優が演じる「キャラクター」と、その人自身との距離をテーマに据えているのが面白い。ラジオブースの内と外、演技と素顔のあわいで揺れる少女たちの姿は、声で仕事をする人間ならではの葛藤に満ちている。近年の声優ものとして、業界描写のリアルさにも定評がある。

NEW GAME!

原作:得能正太郎(芳文社「まんがタイムきららキャラット」)/監督:藤原佳幸/制作:動画工房/2016年放送(第2期は2017年放送)

NEW GAME!

憧れた人の隣で働ける、その幸せから物語は始まる

高校卒業後、幼い頃に夢中で遊んだゲームをつくった会社「イーグルジャンプ」に入社した涼風青葉。配属されたのは、そのゲームのキャラクターデザインを手がけた憧れの先輩・八神コウのいるチームだった。戸惑いながらも、個性豊かな先輩たちに支えられ、青葉は社会人として一歩ずつ成長していく。

作者自身のゲーム会社勤務経験が下敷きになっており、モデリングやデバッグといった制作工程の描写に説得力がある。日常系の柔らかな空気をまといつつ、ものをつくって締め切りに間に合わせる現場の手応えもしっかり描く。働くことのほろ苦さと、好きを仕事にする高揚感が同居した、優しいお仕事アニメだ。

バクマン。

原作:大場つぐみ、作画:小畑健(集英社「週刊少年ジャンプ」)/監督:カサヰケンイチ、秋田谷典昭/制作:J.C.STAFF/2010年〜2013年放送(NHK Eテレ)

バクマン。

連載という戦場で、二人の少年は週刊誌の頂点を目指す

高い画力を持つ真城最高と、文才と発想に長けた高木秋人。中学の同級生だった二人がコンビを組み、作中の少年誌での連載と人気1位を目指して漫画家の道を駆け上がっていく。「DEATH NOTE」コンビが描く、漫画づくりそのものを題材にした青春熱血ストーリーである。

ネーム、持ち込み、連載会議、読者アンケート。少年漫画誌の舞台裏を、ライバルたちとの熱いぶつかり合いとともに描いていく。夢を追う二人の歩みは熱く、同時に商業漫画の厳しさもごまかさない。全75話というたっぷりの尺で、漫画家として大成していく過程をじっくり追体験できる。創作にかける情熱に当てられたい人に。

かくしごと

原作:久米田康治(講談社「月刊少年マガジン」)/監督:村野佑太/制作:亜細亜堂/2020年放送

かくしごと

漫画家であることを、愛する娘にだけは知られたくない

ちょっと下品な漫画を描いている漫画家の後藤可久士。何より大切なのは一人娘の姫で、彼が世界で一番恐れているのは「自分の仕事が娘にバレること」。アシスタントや編集者を巻き込みながら、心配性の父の毎日が今日も過ぎていく。

タイトルは「隠し事」と「描く仕事」のダブルミーニング。「さよなら絶望先生」の久米田康治らしい漫画業界あるあるネタが満載で笑わせてくれる一方、父と娘の関係には不思議な切なさが流れている。漫画家という職業のおかしみと哀しみを、愛情たっぷりに描いたハートフルコメディだ。笑って、最後にほろりとさせられる。

こみっくがーるず

原作:はんざわかおり(芳文社「まんがタイムきららMAX」)/監督:徳本善信/制作:Nexus/2018年放送

こみっくがーるず

売れない新人漫画家が、同業の仲間たちと暮らし始めた

読者アンケートで最下位をとってしまった、メンタルの弱い4コマ漫画家の女子高生・萌田薫子。編集者にすすめられ、女子漫画家専用の寮に引っ越してくる。そこには少女漫画、TL漫画、少年漫画と、それぞれ違うジャンルを描く同年代の仲間たちがいた。

漫画家という仕事の地味で泥臭い部分を、可愛らしい日常コメディとして包み込んだ作品だ。ネーム、ペン入れ、徹夜の仕上げ作業。同じ「描く」を志す者同士が支え合い、刺激し合いながら、少しずつ前に進んでいく。自虐的な主人公が仲間に背中を押されて成長していく姿に、創作の孤独と、それを分かち合える喜びがにじむ。

Re:CREATORS

原作・キャラクター原案:広江礼威/監督:あおきえい/制作:TROYCA/2017年放送

Re:CREATORS

もし、自分が生み出したキャラクターが目の前に現れたら

クリエイターを夢見る高校生・水篠颯太の前に、ある日アニメのヒロインが現実世界に姿を現す。フィクションのキャラクターたちが次々と現実へと飛び出し、自分を生み出した創造主=クリエイターたちを巻き込みながら、作品の垣根を超えた戦いへと突き進んでいく。

これまでの10作とは趣が異なり、創作そのものを正面から問うメタフィクションだ。キャラクターにとって作者は神なのか、物語に込められた「想い」とは何か。「BLACK LAGOON」の広江礼威が原作を手がけ、澤野弘之の音楽が壮大な世界観を支える。つくる側とつくられる側、その関係を見つめ直したくなる、刺激的な異色作である。

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