世界の歴史マンガおすすめ比較|出版社ごとの監修・巻数・特徴まとめ

結局どれを選ぶ?世界の歴史まんが
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※小説やコミックの発売巻数や既刊などの情報は記事が書かれた当時のものとなります。

日本史でつまずいた記憶のある人でも、世界史の前ではさらに途方に暮れたのではないだろうか。舞台はいくつもの大陸にまたがり、登場するのは聞き慣れない王の名と都市の名ばかり。同じ時代に地球の反対側で何が起きていたのかを、文字だけで結びつけるのは大人でも難しい。

だからこそ、世界史こそマンガで読む価値がある。顔と背景と出来事が一枚の絵でつながると、バラバラだった点が一本の線になる。そして各社の「世界の歴史」シリーズは、この「広さ」という難物にどう立ち向かうかで、はっきり個性が分かれている。面白いことに、日本史では何社もがしのぎを削っているのに対し、世界史で本格的な通史セットを出している出版社はぐっと絞られる。数が少ないぶん、一冊ごとの思想がくっきり見えるのだ。

ここでは、いま手に入る主要な一式から、世界史まんがの原点、入門の一冊まで、通史を中心に横断して紹介する。子どものためというより、大人の学び直しの相棒を探すつもりで読んでもらえたらと思う。

目次

集英社版 学習まんが 世界の歴史

集英社/全18巻/2024年(22年ぶりの全面新版)/総合アドバイザー:山﨑圭一(ムンディ先生)+各時代の専門家/カバーイラスト:集英社各誌で活躍中のまんが家

集英社版 学習まんが 世界の歴史

物語として読める世界史を、最新の教科書で

2024年10月、集英社の世界史まんがが22年ぶりに全面リニューアルされた。日本史版と同じく、各巻のカバーを集英社各誌の人気まんが家が描き、ソフトカバー四六判の持ち運びやすいサイズになっている。本棚に並ぶ背表紙の華やかさは、手に取る前から読む気にさせてくれる。

中身を支えるのは、総合アドバイザーの山﨑圭一だ。YouTubeの世界史授業で絶大な支持を集め、著書『一度読んだら絶対に忘れない世界史の教科書』がシリーズ累計100万部を超えた、現役の高校教師である。流れを噛みくだいて伝える手つきが全巻に生きている。各時代はそれぞれの専門家が監修し、2023年に始まった新科目「世界史探究」の教科書もふまえている。全18巻のうち10巻を近現代にあてており、つまずきやすい19世紀以降が手厚いのも特徴だ。話の面白さと最新の正確さを両立させたい人に向いている。

角川まんが学習シリーズ 世界の歴史

KADOKAWA/全20巻+別巻2冊/2021年/監修:羽田正(東京大学)

角川まんが学習シリーズ 世界の歴史

縦の年表ではなく、横の地図で世界をつかむ

角川のシリーズが掲げるのは「グローバル・ヒストリー」という考え方だ。国ごとの歴史を縦に追うのではなく、同じ時代に世界各地で何が起きていたか、その「横のつながり」を重視して全20巻を年代で区切っている。監修は東京大学の羽田正。約4年半をかけて作られた、世界史教育の最先端を意識した構成である。

本編はまんがだけで4160ページという、各社の中でも最大級のボリュームを誇る。ヨーロッパや中国だけでなく、アジアやアフリカの歴史もていねいに描かれているので、現代の国際情勢がなぜこうなっているのか、その背景まで見通せる。近現代史に重きを置いており、2025年度から共通テストに加わった「歴史総合」の学習とも相性がいい。世界を一つのまとまりとして立体的につかみたい人、情報量で選びたい人には頼もしい一式だ。

小学館版 学習まんが 世界の歴史

小学館/新装版 全22巻(本編18巻+別巻イスラーム編4巻)/2025年12月発売/山川出版社が編集協力(各巻を山川の世界史教科書著作者が監修)/A5判ソフトカバー

小学館版 学習まんが 世界の歴史

山川の教科書と歩幅を合わせた、王道の一式

高校の世界史教科書といえば山川出版社、という人は多いだろう。小学館のこのシリーズは、その山川の編集協力を得て作られ、各巻を山川の世界史教科書の著作者が監修している。つまり、教科書の流れにそのまま地続きでつながるよう設計されているのだ。

ありがたいのは、内容は高校レベルを意識しながら、まんがとしては小学校高学年でも読めるよう噛みくだかれている点だ。歴史を喜怒哀楽の人間ドラマとしてシナリオ化しているので、ただ出来事を並べるのではなく、その時代を生きた人の感情ごと頭に入る。2025年末の新装版では第18巻が加わり、ロシアのウクライナ侵攻など令和の出来事まで収められた。さらに、教科書では手薄になりがちなイスラーム世界とオスマン帝国を扱う別巻4巻もそろう。教科書や参考書と並べて読めば、世界史の流れが自然と立ち上がってくる。学校の授業や受験の土台と、ずれのない一式がほしい人にとっては、これが王道の選択になる。

学研まんが NEW世界の歴史

Gakken/増補改訂版 本編全13巻(別巻2冊あり)/2023年/監修:近藤二郎(早稲田大学名誉教授)/全ページオールカラー

学研まんが NEW世界の歴史

全ページがカラーで動く、いちばん華やかな世界史

学研のシリーズの最大の個性は、まんが本編がすべてカラーで描かれていることだ。全篇オールカラーを看板に掲げており、紙面の美しさが際立つ。新進気鋭のまんが家・イラストレーターによるオール描き下ろしで、人物の服装や表情、街並みや建物の細部までが色付きで再現される。視覚から歴史の空気が流れ込んでくる感覚がある。

監修は、早稲田大学でエジプト学を専門とする近藤二郎。ストーリーの中心に各時代の人物を据え、その人生を軸に政治や経済、文化を通史として描く構成なので、流れを物語として追いやすい。増補改訂版では新たに21世紀の現代史を描く巻が加わって本編は全13巻となり、コロナウイルスやロシアのウクライナ侵攻まで収められている。別巻として『人物学習事典』『世界遺産学習事典』の2冊もある。巻数が手ごろで紙面が華やかなぶん、活字の詰まったセットに身構えてしまう子や、まず一通り世界史をきれいな絵で眺めたい人との相性がいい。

世界の歴史(中公コミックス)

中央公論社/全15巻/1983〜1985年/監修・編集・構成:手塚治虫/シナリオ:原麻紀夫/作画:堀内元 ほか(現在は絶版、中古で流通)

世界の歴史(中公コミックス)

宇宙人の兄妹と旅する、世界史まんがの原点

世界史の学習まんがという形を世に広めた草分けが、この一式である。監修・編集・構成を手塚治虫が自ら手がけ、シナリオを原麻紀夫が担当した。すでに絶版だが、古書店やフリマで全15巻セットがいまも手に入る。

物語の案内役は、地球と人類を観察しにやってきた宇宙人の兄妹ウィープとトリープだ。彼らが時代から時代へと飛びながら、古代エジプトからルネサンス、フランス革命、二つの大戦、そして宇宙時代までをたどっていく。この構成のおかげで、読者は歴史を一歩引いた視点で眺められる。手塚らしいのは、王や英雄だけでなく、その時代を生きた名もなき人々の視点をていねいに拾うところだ。歴史を「えらい人の年表」ではなく「人間の営みの積み重ね」として描こうとする姿勢が全編を貫いている。絵柄や情報には時代を感じるが、物語としての強度はいまの新作にも引けを取らない。世界史まんががどこから来たのかを知る一冊として、手に取る人がいてもいい。

世界史探偵コナン

小学館/全12巻/2020〜2021年/原作:青山剛昌/まんが:山岸栄一・斉藤むねお ほか/カラー版

世界史探偵コナン

謎を解いた先で、いつのまにか世界史に詳しくなる

ここまでが通史をひと通り追うセットだとすれば、こちらは少し毛色が違う。名探偵コナンがナビゲートする歴史まんがで、先行した『日本史探偵コナン』に続く世界史版である。原作は青山剛昌、各巻を複数のまんが家が手がけている。

コナンと少年探偵団が、過去に飛ばされた子どもたち「タイムドリフター」とともに、歴史の謎を追って世界をめぐる。第1巻の「大ピラミッドの真実」をはじめ、モナ・リザ、黒死病、クレオパトラ、マリー・アントワネット、月面着陸と、各巻が一つのテーマをミステリー仕立てで描く。通史をくまなく網羅するというより、世界史の名場面を入り口にして「もっと知りたい」を引き出すつくりだ。カラーのまんがで、ふりがなも付いているので低学年でも読みやすく、歴史という言葉に構えてしまう子でも、推理を楽しむうちにいつのまにか知識が増えている。本格的な通史セットに進む前の、最初の一歩としてちょうどいい。


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