幕末が舞台のおすすめ歴史小説15選

2023年1月24日

幕末が舞台の小説

江戸時代の幕末が舞台となってる小説を集めてみました。
坂本龍馬や西郷隆盛、そして新撰組。歴史に詳しくない人でも名前を聞いたことはあるくらいの侍たちが活躍する幕末。
黒船の到来によって激変する時代に、彼らは何を選択しどのように生きていくのか。読み出したら止まらない幕末小説15作品ご紹介します。

小説が難しそうなら幕末が舞台のマンガもありますのでそちたもご参考ください。

壬生義士伝

作者:浅田次郎

壬生義士伝

<あらすじ>
小雪が舞う一月の夜更け、大坂・南部藩蔵屋敷に、傷だらけの侍がたどり着いた。貧しさゆえ南部藩を脱藩し、壬生浪(みぶろ)と蔑称された新選組の隊士になった、吉村貫一郎であった。その剣の冴えは“人斬り貫一”と京の都で恐れられ、一方、極度の倹約のため守銭奴と蔑まれた男には、まったく異なる貌もあった。元新選組隊士や教え子たちが語る非業の隊士の生涯から、血なまぐさい時代にひとすじに生きた「誠」の人生が浮びあがる。浅田次郎、渾身の名作!

時代に翻弄される武士の一生の物語

昔の武士らしく無口で無愛想で、でも家族に愛情深く義理堅いそんな男性の物語です。
周囲の一人に何を言われても自分の信念を貫き通す強さ、家族に対する深い愛情を持ち合わせる主人公が時代の波に翻弄される姿に涙すること間違いなしです。
わかりにくくても愛する人にその想いは伝わっています。時代が変わってもこういう人に愛される人生に憧れます。(40代女性)

燃えよ剣

作者:司馬遼太郎

燃えよ剣

<あらすじ>
幕末の動乱期を新選組副長として剣に生き剣に死んだ男、土方歳三の華麗なまでに頑な生涯を描く。武州石田村の百姓の子“バラガキのトシ”は、生来の喧嘩好きと組織作りの天性によって、浪人や百姓上りの寄せ集めにすぎなかった新選組を、当時最強の人間集団へと作りあげ、己れも思い及ばなかった波紋を日本の歴史に投じてゆく。
「竜馬がゆく」と並び、“幕末もの”の頂点をなす長編。

土方歳三の生き様に触れる物語

中学生の時、燃えよ剣を読みながら下校していました。土方歳三という人物に惹かれていた時期があったからです。
司馬遼太郎は史実をもとに人物像を描くことが巧みな作家です。教科書の中の土方歳三は数行でしか表記されていませんが、司馬遼太郎の描く土方歳三は、女性との色恋模様がリアルに描かれるなど、その人物の素の姿に着目した描写が多かったです。
フィクションの部分ももちろんあるとは思うのですが、セリフの一つひとつも重みがあり格好良く、『きっと土方歳三はこんな人生を歩んだのだろうな』と思いを馳せることが出来る小説です。土方歳三の生き様に触れる物語。(20代女性)

天璋院篤姫

作者:宮尾登美子

天璋院篤姫

<あらすじ>
激動の幕末維新、薩摩の島津家から徳川13代将軍家定に嫁いだ篤姫――しかしその結婚生活は、短く、そして常ならざるものであった……。2008年NHK大河ドラマ「篤姫」原作。

激動の時代を生き抜いた女性の物語

ドラマ「大奥」や大河ドラマ「篤姫」でよく知られている天璋院篤姫についてのお話です。
幕末は武士たちの目線のものが多いですが、江戸城の中の女性が主人公で視点を変えた歴史の物語を知ることができます。薩摩でのびのびと過ごしていた子が周りの思惑でどんどん時代の渦に巻き込まれて行く…そんな中でただ運命に翻弄されるのではなく、強く江戸城で生きて行く篤姫に胸が熱くなります。(50代女性)

新選組血風録

作者:司馬遼太郎

新選組血風録

<あらすじ>
勤王佐幕の血なまぐさい抗争に明け暮れる維新前夜の京洛に、その治安維持を任務として組織された新選組。騒乱の世を、それぞれの夢と野心を抱いて白刃とともに生きた男たちを鮮烈に描く。司馬文学の代表作。

幕末の志士の野望が見え隠れする作品

江戸末期の新選組の存亡を描いた作品です。
史実に忠実なところもありますが、作家により脚色されたところもありファンタジックな内容になっており読者を魅了する作品です。土方歳三と沖田総司が主人公の作品ですが、近藤勇も存在感を表しているので近藤勇フアンにとっても満足できる作品と言ってもいいでしょう。
燃えよ剣や竜馬が行くとは違った幕末の時代劇で、一度は手に取って読んでみる価値はあります。(60代男性)

人斬り半次郎

作者:池波正太郎

人斬り半次郎

<あらすじ>
「今に見ちょれ。俺はこの腕一本できっと……」。半次郎の口ぐせだった。姓は中村、鹿児島城下の藩士に〈唐芋〉とさげすまれる貧乏郷士の出ながら剣は示現流の名手、精気溢れる美丈夫で、性剛直である。時は幕末、ふとした機縁で西郷吉之助に見込まれ、国事に奔走するが、卓抜の剣技は血なまぐさい暗殺を重ね、〈人斬り〉の異名は、次第に高まってゆく。激動する時代の中に一快男児熱血の半生を描く、傑作小説の前編。

人斬りの孤独さと孤独であるがゆえの魅力

幕末好き、特に新選組や尊皇攘夷志士などの分野が好きな人にはもってこいの作品です。
主人公である中村半次郎は、幕末の四大人斬りに名を連ねるほどの人斬りですが、彼が主人公になっている作品はこれ以外に読んだことがないほど知られていない人物でもあります。
中村半次郎の人間としての成長、開国・攘夷といった周りの環境の変化、恩師である西郷隆盛との関係など、読んでいて面白い作品です。(10代男性)

世に棲む日日

作者:司馬遼太郎

世に棲む日日

<あらすじ>
嘉永六(1853)年、ペリー率いる黒船が浦賀沖に姿を現して以来、攘夷か開国か、勤王か佐幕かをめぐり、国内には激しい政治闘争の嵐が吹き荒れていた。この時期、骨肉の抗争を経て倒幕への主動力となった長州藩には、その思想的原点に立つ松下村塾主宰・吉田松陰と、後継者たる高杉晋作がいた――。維新前夜の青春群像を活写した怒濤の歴史長編、ここに開幕。

片田舎から日本の歴史を動かしたラストサムライたちの物語

この作品を読んだ後、すぐに東京にある松陰神社に行ってきました。祀られているのは、この作品の主人公である吉田松陰です。
若干30歳と言う若さで死んだ彼ですが、松下村塾では身分の差なく門下生に平等に接し、魅力的な人物です。そして辞世の句「身はたとひ武蔵の野辺 朽ちぬとも 留め置かまし大和魂」には読者は涙するでしょう。
この作品の後半は高杉晋作ですが、吉田松陰先生の薫陶をうけ、思想をどのように実行したかが書かれていて、歴史は流れてつながっている、と感じさせる作品です。(50代女性)

一刀斎夢録

作者:浅田次郎

一刀斎夢録

<あらすじ>
近代国家日本の幕開けと壮絶な人間ドラマ。巨大な感動が襲う傑作時代長編 。「飲むほどに酔うほどに、かつて奪った命の記憶が甦る」―最強と謳われ怖れられた、新選組三番隊長・斎藤一。明治を隔て大正の世まで生き延びた“一刀斎"が、近衛師団の若き中尉に夜ごと語る、過ぎにし幕末の動乱、新選組の辿った運命、そして剣の奥義。

元三番隊組長・斎藤一が語る新撰組

歴史小説の巨匠・浅田次郎氏が描く、幕末に消えていった新撰組の栄光とその最後。
語り手となるのは元三番隊組長・斎藤一、彼が激動の時代をどう生き、明治の世に至っているのかを圧倒的な「浅田節」で描き切っています。

その面白さたるや圧巻、ボリュームでいうと文庫版上下巻に至るがあまりの面白さにページを捲る手が止まらないクオリティです。
あまりに苛烈で鮮烈な日々を淡々と語る様に読者は間違いなく引き込まれていくでしょう。
新撰組の中でも数奇な運命を辿った男が独特の語り口で動乱の時代とそこに消えていった男たちを語る、それがあの浅田次郎氏の手で描かれるのですからそもそも面白くないわけが無いのです。
とにかく面白い幕末ものならこの「一刀斎夢録」をオススメします。(40代男性)

作者:司馬遼太郎

峠

壮大な野心を藩の運命に賭して幕末の混乱期を生きた英傑の生涯!

幕末、雪深い越後長岡藩から一人の藩士が江戸に出府した。藩の持て余し者でもあったこの男、河井継之助は、いくつかの塾に学びながら、詩文、洋学など単なる知識を得るための勉学は一切せず、歴史や世界の動きなど、ものごとの原理を知ろうと努めるのであった。さらに、江戸の学問にあきたらなくなった河井は、備中松山の藩財政を立て直した山田方谷のもとへ留学するため旅に出る。

河井継之助という男の生き様

河井継之助は越後長岡藩の家老で歴史的知名度は低いので、名前を知らないという人も多いかと思います。
時は幕末、誰よりも先見の明があり、徳川幕府の終わりも早くから見通していたが、戊辰戦争では幕府側で戦った男。
結果として河井継之助の行動は北越戦争を引き起こし、故郷は焼かれた。
しかし、武士とは何か。この世に生まれ、どのように生きればいいかを徹底的に考え実践させたひとりの男の生き様が、熱く胸を打つ物語です。(40代男性)

その男

作者:池波正太郎

その男

<あらすじ>
杉虎之助は微禄ながら旗本の嫡男。生来の病弱に加えて義母にうとまれ、そんな我が身を儚んで十三歳のとき大川に身を投げるが、謎の剣士・池本茂兵衛に助けられた。この日が波瀾の人生の第一歩だった。
幕末から明治へ、数奇な運命を辿った直参の剣士の生涯を描きつつ維新史の断面を見事に剔る異色の長編小説。

幕末の騒乱を生きた一剣士の数奇な運命

幕末から明治への世の中で主人公の杉虎之助が数々の騒乱に巻き込まれていくストーリーが抜群に面白い作品です。
杉は幕府の隠密である池本を師匠として慕うようになったことから共に行動しながらも、やがて維新軍側の西郷隆盛、中村半次郎などの人間性にも惹かれ始め葛藤をしながらも懸命に生きていく姿は色々考えさせられます。(40代男性)

麒麟児

作者:冲方丁

麒麟児
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日本の歴史を変えた、二人の麒麟児の物語

江戸無血開城を巡る、勝海舟と西郷隆盛の攻防を描く歴史小説です。もともと私は歴史も歴史小説も好きなんですが、江戸時代や明治維新以降の時代が好きで、幕末や明治維新にはあまり興味はありませんでした。
ただこの「麒麟児」は大好きな「天地明察」を書いた冲方丁さんの作品ということで思わず手に取りました。読者を一気にその世界に引き込む作風は、この作品でも健在でした。(40代女性)