獣医から飼育員まで!動物の仕事のリアルを描くおすすめ漫画【9選】

動物のお仕事関連のマンガ
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獣医師、動物園の飼育員、水族館のスタッフ、ドッグトレーナー、アニマルシェルターの所長。

動物に関わる仕事は、華やかに見えて過酷だ。言葉を話せない患者を相手にし、命の選択を迫られ、ときに飼い主の心まで治さなければならない。それでも彼らがその仕事を続けるのは、動物のそばにいることでしか得られないものがあるからだろう。

今回は、そんな「動物の仕事」を描いた漫画を9作品紹介する。獣医もの5作品に、動物園、水族館、ドッグトレーナー、動物保護と、動物に関わる仕事の幅広さが見えてくるラインナップだ。

目次

動物のお医者さん

著者: 佐々木倫子
出版社: 白泉社(花とゆめ)全12巻

動物のお医者さん

H大学獣医学部のゆかいな日常

札幌にあるH大学(モデルは北海道大学)獣医学部を舞台に、シベリアン・ハスキーの「チョビ」とその飼い主・西根公輝(ハムテル)の日常を描くコメディ。1987年から連載され、獣医学部を志望する受験生が急増する社会現象まで引き起こした伝説的作品。

獣医漫画でありながら、手術や治療のシリアスな場面よりも、大学生活のとぼけた日常が中心。でもだからこそ、「獣医ってこんな世界なんだ」という親しみやすさが抜群。漆原教授やチョビ、ミケの個性豊かなキャラクターたちは、連載終了から20年以上経った今も愛され続けている。

ワイルドライフ

著者: 藤崎聖人
出版社: 小学館(週刊少年サンデー)全27巻

ワイルドライフ

絶対音感を武器に、野生動物の命を救え

元ヤンキーの高校生・岩城鉄生が、偶然出会った子犬の心音の異変に気づいたことから獣医の道を志す。絶対音感という特殊な能力を武器に、世界的な動物病院「R.E.D.」の野生動物専門部署「WILD LIFE」で活躍する。第51回小学館漫画賞受賞。累計発行部数は500万部を突破。

サメ、コアラ、北極グマ、キリン、イルカ……ペットではなく野生動物や珍獣を中心に扱うのが本作のユニークな点。少年漫画らしい熱い展開と、動物医療のリアルな描写のバランスが良く、テンポよく読める。2008年にはNHKでドラマ化もされた。

獣医ドリトル

原作: 夏緑 作画: ちくやまきよし
出版社: 小学館(ビッグコミック)全20巻

獣医ドリトル

獣医はビジネスだ。ボランティアではない

口が悪く金にうるさい凄腕獣医・鳥取健一、通称ドリトル。「一番好きな動物は金持ちの人間」と嘯くが、その腕は確かで、動物だけでなく飼い主の心まで治してしまう。

一見すると嫌な奴に見えるドリトルだが、「獣医をビジネスとして成立させなければ、動物を救い続けることはできない」という信念には重みがある。ペットロス、安楽死、悪徳ブリーダー、動物保険など現実的なテーマにも真正面から切り込む。2010年にTBSでドラマ化。なお、原作・作画の夏緑+ちくやまきよしコンビは、本記事でも紹介している『しっぽの声』も手がけている。獣医ドリトルが「治す仕事」のプロフェッショナリズムを描くなら、しっぽの声は「救う仕事」の最前線を描いた作品だ。

MF動物病院日誌

著者: たらさわみち
出版社: 少年画報社 全26巻

MF動物病院日誌

ここにいるのは、動物と、動物を愛する人たち

熱血派の獣医師と、その妻である看護助手、彼らを慕う若手助手の3人が、動物と飼い主に寄り添い続ける人情味あふれる物語。全26巻の長期連載を通じて、動物病院という小さな現場から見える命と暮らしのドラマが丁寧に描かれている。

派手なバトルや天才的な能力といった要素はなく、目の前の動物と飼い主にひたむきに向き合う姿勢がこの作品の芯。たらさわみちの獣医漫画シリーズの原点であり、ここから『僕とシッポと神楽坂』へと続く世界が広がっていく。

僕とシッポと神楽坂

著者: たらさわみち
出版社: 集英社 全12巻

僕とシッポと神楽坂

下町の路地裏に、やさしい獣医がいる

MF動物病院で腕を磨いたコオ先生が、神楽坂で自分の動物病院を開業。下町の人情と、地域に根差した獣医の日常が温かく描かれる。2018年にはテレビ朝日系でドラマ化もされた。

MF動物病院日誌が「獣医という仕事の原風景」だとすれば、こちらは「独立した獣医が地域とどう関わるか」の物語。飼い主との距離感、地域コミュニティとの繋がり、そして動物の命と向き合う覚悟。静かだけれど芯の通った作品だ。

ZOOKEEPER

著者: 青木幸子
出版社: 講談社(イブニング)全8巻

ZOOKEEPER

動物園で「飼う」ということの意味を問い続ける

楠野香也は、動物園の新米飼育係。温度の変化が見えるという不思議な能力を持つ彼女が、動物たちの魅力を来園者に伝えたいという理想と、限られた予算やスペース、動物福祉の課題との間で葛藤する日々を送る。

動物園の飼育員がどんな仕事をしているのか、その裏側をリアルに描いた数少ない作品。動物を「展示する」ことと「守る」ことのジレンマ、種の保存プログラム、エンリッチメント(飼育環境の向上)といったテーマにも踏み込んでいる。動物園に行く前に読むと、見える景色が変わる一冊。

マグメル深海水族館

著者: 椙下聖海
出版社: 新潮社(くらげバンチ)既刊10巻・連載中

マグメル深海水族館

水深200メートルの世界へ、ようこそ

東京湾の水深200メートルに建つ、世界唯一の深海専門水族館「マグメル」。清掃員のアルバイトとして働き始めた天城航太郎が、館長の大瀬崎湊人と出会い、飼育員を目指して成長していく物語。

ダイオウイカ、オウムガイ、ハゴロモコンニャクウオ。普段はなかなか出会えない深海生物たちが美しい作画で描かれ、その生態の解説も丁寧。深海生物と人の心がリンクするエピソードの構成が巧みで、読むたびに海の底の世界に引き込まれる。水族館好きに全力でおすすめしたい。

DOG SIGNAL

著者: みやうち沙矢
出版社: KADOKAWA(BRIDGE COMICS)既刊15巻・連載中

DOG SIGNAL

犬の言葉を翻訳する、もうひとつの専門職

ドッグトレーナーという仕事を正面から描いた、ありそうでなかった漫画。主人公の佐村未祐は、愛犬との暮らしに悩んだことをきっかけにドッグトレーナーの丹羽眞一郎に弟子入りし、やがて自分もこの道を志していく。

本作の核にあるのは「問題のある犬はいない、伝え方を間違えている飼い主がいるだけ」という考え方。トレーニングの技術だけでなく、なぜその犬がその行動をとるのかという「動物の心理を読み解く仕事」としてのドッグトレーナーの姿が描かれる。2023年のTVアニメ化で知名度も急上昇中。獣医や飼育員とは異なる、犬と人の「関係を治す」専門家の物語だ。

しっぽの声

原作: 夏緑 作画: ちくやまきよし 協力: 杉本彩
出版社: 小学館(ビッグコミックオリジナル)全13巻

しっぽの声

保護の現場で、命の行き先を決める仕事

「動物を救う仕事」の裏側には、想像以上に過酷な現実がある。アニマルシェルターの所長・天原士狼と獣医師・獅子神太一が、行き場を失った動物たちのために奔走する。動物保護活動家としても知られる女優・杉本彩が取材協力を務め、ペット産業の構造的な問題にメスを入れた社会派漫画。

華やかなペットショップの裏で何が起きているのか。保護された動物に新しい家庭を見つけるまでに、どれだけの判断と労力が必要なのか。この作品が描くのは、善意だけでは回らない保護の現場と、それでも手を差し伸べ続ける人たちの仕事だ。

9作品を紹介してきたが、どの作品にも共通しているのは「動物の命を預かる覚悟」だ。

獣医として診察室で向き合う命。動物園の柵の向こうで守る命。水族館の水槽の中でつなぐ命。シェルターで拾い上げる命。どの現場にも喜びがあり、どの現場にも苦しみがある。

でも、だからこそそこに物語が生まれる。動物と仕事で向き合った人だけが知っている感情が、これらの漫画には詰まっている。

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