女性同士の友情が描かれてるオススメ小説11選

2022年5月5日

女性の友情 オススメ小説

女性同士の友情がテーマとなっている小説をご紹介します。
時に美しく時に残酷な、いろいろな視点から描かれた女性の友情が描かれたオススメ小説11作品

武士道シックスティーン

作者:誉田哲也

<あらすじ>
武蔵を心の師とする剣道エリートの香織は、中学最後の大会で、無名選手の早苗に負けてしまう。敗北の悔しさを片時も忘れられない香織と、勝利にこだわらず「お気楽不動心」の早苗。相反する二人が、同じ高校に進学し、剣道部で再会を果たすが…。青春を剣道にかける女子二人の傑作エンターテインメント。

ぶつかり合いながらも、認め合い、成長していく剣道女子のお話

剣道を通じて通う女子高生同士の友情と成長を描いた物語で、剣道全国区の女子高生と剣道未経験の女子高校生2人が運命的な出会いを通して同じ剣道という道を目指しながら切磋琢磨し合い成長していく。
かたや勝ことだけを目的とした香織と、楽しむことを目的とした早苗が、お互いに時間をかけてなくてはならない友情を超えた関係を育んでいく物語です(20代女性)

剣道と女子高生の友情

剣道に青春をかける対照的な2人の女子高生を描いた作品です。剣道などの勝負事に対する考え方、思いが正反対な2人は最初は喧嘩ばかりです。悩み、ぶつかり合いながらも、最後は認め合い、お互い良い刺激を受けて成長していきます。2人の周りの人に「貴方達、足して2で割れたらいいのにね」と言われるくらい真反対の2人でしたが、それを言われた彼女の返答にぐっと感動させられました。
剣道だけじゃなく、思春期らしい様々な要因で振り回される2人ですので、剣道を深く知らない方にもオススメできる作品です。(20代女性)

「武士道シックスティーン」の関連テーマ

オリガ・モリソヴナの反語法

作者:米原万里

オリガ・モリソヴナの反語法

<あらすじ>
1960年、チェコのプラハ・ソビエト学校に入った志摩は、舞踊教師オリガ・モリソヴナに魅了された。老女だが踊りは天才的。彼女が濁声で「美の極致!」と叫んだら、それは強烈な罵倒。だが、その行動には謎も多かった。あれから30数年、翻訳者となった志摩はモスクワに赴きオリガの半生を辿る。苛酷なスターリン時代を、伝説の踊子はどう生き抜いたのか。感動の長編小説。第13回Bunkamuraドゥマゴ文学賞受賞作。

少女から女性に、時代をこえた様々な女たちの友情!

ヒロインは父の仕事の都合で現在のチェコ(物語スタート時点での国名はチェコではなくチェコスロバキア)で暮らすことになる日本の少女・志摩。
志摩はチェコのプラハにある外国人学校に通うことになり、そこで様々な出会いと別れを経験します。時代は激動の20世紀の東欧州。志摩は親友の少女とも別れることになりますが、ソビエト崩壊後、大人になった二人は再会し、ともに学んだ学生時代の女性教師オリガを探すことになります。
成人しても疎遠になることなく熱い友情で結ばれているかつての少女たち…という展開に胸が熱くなりました。
オリガとオリガの親友である女性教師の友情も硬い絆で結ばれており、様々な女性たちの友情を読むことができます。(40代女性)

ナオミとカナコ

作者:奥田英朗

ナオミとカナコ

<あらすじ>
望まない職場で憂鬱な日々を送るOLの直美は、あるとき、親友の加奈子が夫・達郎から酷い暴力を受けていることを知った。その顔にドス黒い痣を見た直美は義憤に駆られ、達郎を排除する完全犯罪を夢想し始める。「いっそ、二人で殺そうか。あんたの旦那」。やがて計画は現実味を帯び、入念な準備とリハーサルの後、ついに決行の夜を迎えるが……。

スリル満点!女どうしの友情の物語

ドラマ化された作品ですが、小説はドラマよりナオミとカナコの間になぜそこまでの友情が生まれたのかという背景がわかるので、一層のリアリティーがあります。そして二人が相互に相手にはないものを持っており、魅力的な人物像。ですがそうであるからにして、ただ単に守る守られるの友情だけではないことに作品の面白さが増している思います。
二人が問題を解決していく様はスリル満点で最終的には命がけの友情物語となっていきますが、その展開の速さも良いと思いました。(40代女性)

「ナオミとカナコ」の関連テーマ

ナイルパーチの女子会

作者:柚木麻子

ナイルパーチの女子会

<あらすじ>
「心がえぐられすぎてつらい」
第二十八回山本周五郎賞&第三回高校生直木賞を受賞!
友情とは何かを描いた問題作。

《あらすじ》を見る

等身大の現代の女子が友達を作るまで

女友達がいないことにコンプレックスを抱いている主人公が、徐々に女性との友達関係を構築していくというお話なのだが、現代でのお話なのでそれほど違和感がなく、リアルな話だと取ることができる。
また一昔前のSNSなかったりインターネットを使わないような頃の話ではないので、存分にそれらに対応している面白い内容となっていたという所も特にリアリティを感じられるので良かったと思う。(40代男性)

肩ごしの恋人

作者:唯川恵

肩ごしの恋人

<あらすじ>
自立した女は他人も自分も信じられない。女性を武器にする女は結婚、離婚を繰り返す。そんな27歳の二人の主人公と物語を紡ぐのは男子高校生、やさしい妻帯者、美しいゲイ…。等身大の女性を描く長編本格恋愛小説。第126回直木賞受賞。

見せかけだけではない女の友情

恋愛が大きなテーマと思いきや、個人的には女性同士の友情の物語だと思う。決して登場している女性同士が双方に抱く恋愛感情ではなくて、一人の少年を取り巻くときにたどり着いた彼女たちの結末である。一昔も二昔も前にドラマ化された作品ではあるが、ジェンダー論の盛んなこの時代だからこそ、この作品を読んだことのない方に一度は手にとって頂きたい一冊である。(30代女性)

戦友の恋

作者:大島真寿美

戦友の恋

<あらすじ>
漫画原作者の佐紀は、人生最悪のスランプに陥っていた。デビュー前から二人三脚、誰よりもなにもかもを分かちあってきた編集者の玖美子が急逝したのだ。二十歳のころから酒を飲んではクダをまいたり、互いの恋にダメ出ししたり。友達なんて言葉では表現できないほどかけがえのない相手をうしなってしまった佐紀の後悔は果てしなく…。

女の友情は、穏やかで優しい。

最初に読んだ時、ずっと馬鹿をやってきた女友だちと会えなくなったとしたら、自分は何を思うのか考え、切なくなるばかりでした。2回目に読んだ時は、詳細は違えど友だちとなかなか会えないという状況にいました。主人公の後悔や葛藤が心に響き、女の友情は儚くて脆いと言われるけれど、そんな中で残った友情の美しさは色褪せる事がないと気付かされました。(30代女性)

放課後レシピで謎解きを うつむきがちな探偵と駆け抜ける少女の秘密

作者:友井羊

放課後レシピで謎解きを うつむきがちな探偵と駆け抜ける少女の秘密

<あらすじ>
猪突猛進でトラブルを起こしがちな夏希は、高二になって調理部へ転部する。同じ時期に入部してきたのは、内気で人見知りなクラスメイトの結。正反対の凸凹コンビが部活で一緒にパンを焼くことに。でも、なぜか夏希たちの作ったパンだけが膨らまない! 原因を究明しようと奔走するうち、お互いのことを知っていく二人。やがて周囲との関係も変化して……。

謎を解決しながら深まる友情

内向的と直情型、一見すると相容れないタイプの2人の女の子が、料理だったり日常に紛れ込む謎を解決したりする中で育まれる友情に感涙必至です。また、本作ではセンシティブなマイノリティに関するところにも触れているため、マイノリティ故の生きづらさの理解も深まる点も印象に残りました。名が知れているもの、ほとんど認知されていないもの、いずれにしても日常生活に支障をきたすものが多く、学ぶことばかりでした。(20代女性)

fishy

作者:金原ひとみ

fishy

<あらすじ>
作家志望のライター美玖、共働きで女性誌の編集をつづける弓子、インテリアデザイナーのユリ。都内きってのナンパ街となった銀座のコリドーで、三人は互いのプライベートに踏み込まない距離感を保ちながら、この場かぎりの「ともだち」として付き合いつづけている。

《あらすじ》を見る

リアルな孤高な女性の物語

個性のある3人の女性がそれぞれ独立した考えを持っていて、リアルな日常が描かれている話。
その中できれいな友情というより、本当の事を言っているようで見せない。本心なのか、プライドを守るための発言なのか。
結局自分が大事なのが合間に見えるけど、寂しさを埋めるため、自尊心をキープするために仲良いふりをしている友情もあるんだと感じた。(30代女性)

スキップ

作者:北村薫

スキップ

<あらすじ>
昭和40年代の初め。わたし一ノ瀬真理子は17歳、千葉の海近くの女子高二年。それは九月、大雨で運動会の後半が中止になった夕方、わたしは家の八畳間で一人、レコードをかけ目を閉じた……目覚めたのは桜木真理子42歳。夫と17歳の娘がいる高校の国語教師。わたしは一体どうなってしまったのか。独りぼっちだ――でも、わたしは進む。心が体を歩ませる。顔をあげ、《わたし》を生きていく。

誰が何を言おうと私はあなたの言うことを信じる

17歳だった主人公の一ノ瀬真理子がうたた寝をして目覚めると、25年後の世界にいた。42歳の体になって。結婚もして、子供もいる。高校の国語の教師の職まである。17歳の一ノ瀬真理子は42歳の桜木真理子として生きていく。というのが『スキップ』のあらすじです。

理不尽なタイムリープものですが、主人公の心根が凛として、気高いところが小気味よい作品です。女性同士の友情として出てくるシーンがあります。主人公の真理子が、幼馴染で親友の池ちゃんこと池内真由美に再会します。25年の時を超えている真理子にとって、それはとても勇気のいる再会でした。お互い42歳という年齢になっている。真理子の様子がおかしいことに気づく池ちゃん。真理子は思い切って自分のおかれた状況を話しますが、池ちゃんからは「疲れているんじゃない」と言われてしまいます。涙する真理子を見て、一瞬で池ちゃんは気づきます。そして「ごめん真理子。他の誰が信じなくても、私は信じるよ」と。これが、最大の友情なのだと思います。誰がなんと言おうと私は。それだけの小説ではないので、読んでもらいたいです。(40代男性)

親しき仲にも殺意あり

作者:赤川次郎

親しき仲にも殺意あり

<あらすじ>
平田結美と森口容子は幼稚園からずっと一緒の仲良しコンビだった。20年後、律儀でしっかり者の容子は刑事に、早くに両親を亡くした結美は明るくがんばりやのОL、実は腕利きの殺し屋になっていた。そして一人の男の命をめぐって、守る側とつけ狙う側とに分かれてしまった。皮肉な運命が、親友二人を対決に追い込む……。

変わらない思いを貫く生き方

小さい頃から仲の良かった2人が大人になり、その性格から真逆の職に就いて、それぞれの道を歩んでるようで、絡み合っていきます。1人は殺し屋として、1人は警察官として。2人の友情も素敵なのですが、姉妹関係も興味深いです。個人的には、殺し屋のお姉ちゃんが好きです。魅了されます。ミステリーなのですが、感動どころ満載です。(30代女性)

赤毛のアン

作者:モンゴメリ

赤毛のアン

<あらすじ>
ちょっとした手違いから、グリン・ゲイブルスの老兄妹に引き取られたやせっぽちの孤児アン。初めは戸惑っていた2人も、明るいアンを愛するようになり、夢のように美しいプリンス・エドワード島の自然の中で、アンは少女から乙女へと成長してゆく―。愛に飢えた、元気な人参あたまのアンが巻き起す愉快な事件の数々に、人生の厳しさと温かい人情が織りこまれた永遠の名作。

家族や友人から気付きを得て成長していく女の子の物語

アニメ化も、映画化もされた王道中の王道で申し訳ありません。ですが、アンとダイアナの友情には当時小学生ながらも憧れ、今でも忘れられない作品です。
おっとりとした性格が故、一見アンの明るく天真爛漫な性格に振り回されてしまってるようでも、大事な場面では物事をハッキリと言えるダイアナ。自分とは異なるため、お互いを尊重しなくては友人ではいられないと気づき、不器用ながらもダイアナを大切にできるアン。
お互いぶつかっても、正直に話し合い、理解しようとする姿勢には、簡単そうでも実際は違うことを日常生活を送りながら実感し、常に憧れています。
二人の真っ直ぐさは、王道なタイトルだからこそ心動くものがあるのではないでしょうか。
是非、また一度手に取ってみてはいかがでしょうか。(20代女性)

強気で、行動力のある女の子の青春

主人公のアンが、男の子の頭を、石板でぶん殴るところが有名な青春小説です。アンと親友のダイアナが一生の友情を誓うシーンがあったり、間違ってダイアナがお酒を飲んでしまったり、子供らしい友情の場面がいいです。主人公たちが、恋愛や、進学に悩むところも、青春っぽくていいですね。自分の学生時代を、懐かしく感じる読者もいるでしょう。ちなみに小説のシリーズは、主人公が70歳ごろになるまで続きます。シリーズを通して読むと驚くことも多く、おもしろいです。(20代男性)

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