読むとほっこりと心温まる小説12選

ほっこり心温まる おすすめ小説

日常の喧騒から離れ、心の奥深くに温かな感情を呼び覚ますような小説を求めているあなたに、読むとほっこりと心が温まる、やさしさと優しさに満ちた小説をご紹介。これらの作品は、愛情深い人間関係、美しい風景描写、日常の小さな奇跡を通じて、読者に穏やかな幸せと心の安らぎを与えてくれます。
家族や友人、恋人たちの温かいエピソードや、ほのぼのとした村の物語、心温まる奇跡を描いた小説など、さまざまなテーマのおすすめ本たちです。

阪急電車

作者:有川浩

阪急電車

<あらすじ>
恋の始まり、別れの兆し、そして途中下車……関西のローカル線を舞台に繰り広げられる、片道わずか15分の胸キュン物語。大ベストセ ラー『図書館戦争』シリーズの著者による傑作の連作集。

人と人とを繋ぐ縁の妙

とある私鉄の、始発から終着駅までを1往復する物語です。
読者目線では1往復になりますが、乗客の1人1人にフォーカスを当ててその人生を垣間見ていくストーリで、その乗客同士のわずかな交流やふれあいが見どころです。

読み進むうちに時間軸はいつの間にか数ヶ月経っていて、登場人物たちはそれぞれ微かに影響を与え合いながら少しずつそれぞれに幸せの道を探っていこうとしていて、軽い読後感ながら最後には「ああ、よかった」と優しい気持ちになれる物語です。
読み終わった後にも登場人物たちのその後が少し気になるような、でもこれで物語としては一旦閉じてしまったから続きを求めてしまうのはちょっと野暮なような、複雑だけど温かい気持ちになります。本当にあっさりと読める物語なのに、さすが有川浩、乗客たちの心の動き、特に人生の転機に臨む彼らの心情と周りの景色を過不足なく描き切っていて、地に足がついた心地良い小説です。
ちなみに実在する私鉄なので、近くに住んでいたら行ってみたくなるというおまけ付き。遊び心の多い小説です。(30代女性)

「阪急電車」の関連テーマ

月曜日の抹茶カフェ

作者:青山美智子

月曜日の抹茶カフェ

<あらすじ>
3年連続「本屋大賞」にノミネートされた青山美智子さんの最新文庫本。川沿いの桜並木のそばに佇む喫茶店「マーブル・カフェ」。その「マーブル・カフェ」が定休日の月曜日にだけ「抹茶カフェ」を営むことに。ついていない携帯ショップの店員、妻を怒らせてしまった夫、恋人と別れたばかりのシンガー、時代に取り残されたと感じている京都老舗の元女将……。思い悩む人々が誰かの何気ない言葉で前向きな気持ちになっていく――。人は知らず知らずのうちに、誰かの背中を押している。――これは、一杯の抹茶から始まる、東京と京都をつなぐ12ヵ月の心温まるストーリー。『木曜日にはココアを』のおなじみのメンバーも登場する、シリーズ続編がついに文庫化です。

抹茶カフェで繰り広げられる絆の物語

たくさんの人達の絆の物語です。
抹茶カフェを舞台に、12ヶ月にわたる、短いですが心温まるお話を読めます。
抹茶カフェに来る人達はそれぞれに悩みや思いを抱えていて、人との繋がりによって、自分の答えを見つける。人と人の絆の大切さ、温かさを再認識させられ、ほっこりします。特に、本の紹介文にある、人は知らず知らずのうちに、誰かの背中を押していることに気づく。という言葉が、その通りだなと思いました。
誰かの言葉に背中を押され、自分も誰かの背中を押してあげる、そうやって人はなりたっているんだな、と再度ほっこりしました。(30代女性)

アルケミスト 夢を旅した少年

作者:パウロ・コエーリョ

アルケミスト 夢を旅した少年

<あらすじ>
羊使いのサンチャゴは、彼を待つ宝が隠されているという夢を信じ、アフリカの砂漠を越えピラミッドを目指す。様々な出会いと別れを経験し、少年は人生の知恵を学んでゆく――。

夢を追い続けることの大切さを教えてくれる物語

アルケミストは大好きな1冊です。羊飼いの少年サンチャゴが、夢のお告げに従って宝探しに出る物語なんですが、ただの冒険物語じゃないんです。旅の中で出会う人々や出来事を通して、サンチャゴは自分自身と向き合い、本当に大切なものに気づいていきます。
特に印象的だったのは、「前兆」に従うことの大切さ。ちょっとした偶然や出会いも、実は夢に近づくためのサインなのかもしれません。
夢を持っている人、自分の道を模索している人に、ぜひ読んで欲しい一冊です。(50代男性)

ツバキ文具店

作者:小川糸

ツバキ文具店

言いたかった ありがとう。言えなかった ごめんなさい。
伝えられなかった大切な人ヘの想い。あなたに代わって、お届けします。

《あらすじ》を見る

手紙ならではのあたたかみや、人と人との繋がりの大切さを実感できる物語

主人公は代書屋として、様々な人たちの思いを手紙に記していきます。その中で人の温かさに気がついたり、繋がりの大切さを実感していく主人公に同調し、こちらの心もあたたかくなっていきます。
手紙や切手、文房具に対する描写も細かくて、読んでいるだけでどんどんその情景が頭の中に浮かんできます。
手紙という文化が廃れてしまっている現代だからこそ、読んでいくといろんなことに気づかされます。(30代男性)

博士の愛した数式

作者:小川洋子

博士の愛した数式

<あらすじ>
[ぼくの記憶は80分しかもたない]博士の背広の袖には、そう書かれた古びたメモが留められていた──記憶力を失った博士にとって、私は常に“新しい”家政婦。博士は“初対面”の私に、靴のサイズや誕生日を尋ねた。数字が博士の言葉だった。やがて私の10歳の息子が加わり、ぎこちない日々は驚きと歓びに満ちたものに変わった。あまりに悲しく暖かい、奇跡の愛の物語。第1回本屋大賞受賞。

こどもを大切にする博士の姿勢に感動する愛情物語

記憶が80分しか続かないという異質なキャラクターの博士ですが、変わった人間ながらこどもを大切にする姿勢にほっこりさせられます。こういう「子煩悩」な男性がどこか独特な雰囲気に描かれていて、引き込まれるように読み進むことができます。
また、数学嫌いの私でもオイラーの公式や完全数など、数式が織りなす美しさを見いだせました。
恋愛ストーリーとは違う博士と家政婦、そして家政婦の息子との愛情物語として、温かい気持ちを与えてくれる作品です。(40代男性)

キネマの神様

作者:原田ハマ

キネマの神様

<あらすじ>
無職の娘とダメな父。ふたりに奇跡が舞い降りた! 39歳独身の歩(あゆみ)は突然会社を辞めるが、折しも趣味は映画とギャンブルという父が倒れ、多額の借金が発覚した。ある日、父が雑誌「映友」に歩の文章を投稿したのをきっかけに、歩は編集部に採用され、ひょんなことから父の映画ブログをスタートさせることに。“映画の神様”が壊れかけた家族を救う、切なくも心温まる奇跡の物語。第8回酒飲み書店員大賞受賞作!

映画を通した奇跡の物語

いい時もあれば悪いときもある。人生大なり小なり様々な出来事がありますが、今回の物語では小さなことから登場人物を巻き込み大きな奇跡が起きます。今回は映画を通して、登場人物や家族を中心に物語がすすんでいきますが、その際に出会う人々が基本的にいい人ばかりなので「人生ほんと捨てたものじゃないな。」と思えます。とりあえず迷ったら一度手に取ってみてください。おすすめですよ。(30代男性)

そしてバトンは渡された

作者:瀬尾まいこ

そしてバトンは渡された

<あらすじ>
幼い頃に母親を亡くし、父とも海外赴任を機に別れ、継母を選んだ優子。
その後も大人の都合に振り回され、高校生の今は二十歳しか離れていない“父”と暮らす。
血の繋がらない親の間をリレーされながらも、
出逢う家族皆に愛情をいっぱい注がれてきた彼女自身が伴侶を持つとき――。
大絶賛の2019年本屋大賞受賞作。

主人公と5人の父母の話

主人公と、その主人公を育てていく5人の父母の話です。何度も苗字がかわり、父や母が変わっていく境遇。今現在も、血のつながりない男性と二人暮らし。一般的には、大変な境遇に思える主人公ですが、そのような様子はあまりなく、関わっていく大人たちがみんな優しくて、それぞれの方法で主人公を大切に思う姿に胸を打たれました。(30代女性)

神楽坂スパイス・ボックス

作者:長月天音

神楽坂スパイス・ボックス

<あらすじ>
五年間つき合ってきた彼にふられた雑誌編集者のみのり。イタリアンレストランの若きオーナーシェフである元彼を見返すため、自らも飲食店を開店し人気店にしてみせると心に誓う。そのために彼女は、夫を亡くし実家に引きこもっている姉ゆたかに一緒に店をやろうと誘う。姉も亡くなった義兄もシェフだったからだ。そして姉妹は神楽坂の路地の奥の奥にあった木造家屋にスパイス料理専門店を開店させる。そしてその店では、料理を食べた人たちにある変化が……。心に栄養が染み渡る料理小説!

通勤カバンにそっと忍ばせたくなる癒やし小説

5年付き合った料理人に振られてしまった主人公とコックの姉が織りなす、心温まる料理小説です。
作中に出てくるメニューはどれもスパイスを使ったものばかり。辛い、風味が強いというイメージが強いスパイスですが、実はじんわりと身体と心を温める優しいスパイスも多く、スパイスを使った料理を通して人の心を動かします。
カレーが嫌いな蕎麦屋の頑固親父、仕事に疲れた有名女流作家。さらに主人公の元彼や中学校の先生。皆人知れず悩み、疲れを抱えた中でスパイス・ボックスに訪れてスパイスの力で癒やされます。
スパイスの新たな魅力に気付かされ、さらに小説を落としてほっこりと心が温まる感覚になります。(30代女性)

植物図鑑

作者:有川浩

植物図鑑

<あらすじ>
お嬢さん、よかったら俺を拾ってくれませんか。噛みません。躾のできた良い子です――。思わず拾ってしまったイケメンは、家事万能のスーパー家政夫のうえ、重度の植物オタクだった。樹という名前しか知らされぬまま、週末ごとにご近所を「狩り」する、風変わりな同棲生活が始まった。とびきり美味しい(ちょっぴりほろ苦)“道草"恋愛小説。レシピ付き。

突然始まっていくラブストーリー

突然男女二人で暮らす暮らしが始まって、でもそれは普通に付き合ってからではない恋人関係ではない二人。暮らしていくうちに恋が始まっていく。その中で二人は食べれる草を見つけに行き、採ってきたものを一緒に料理して、食べて、決して贅沢な暮らしではないのだけれど、そんな生活を読んでいると本当にほっこりしました。(30代女性)

ふなふな船橋

作者:吉本ばなな

ふなふな船橋

<あらすじ>
父親は借金を作って失踪し、母親は恋人と再婚することに。
15歳で独りぼっちになった立石花は、船橋で暮らす決断をする。
それから⒓年、書店の店長をやり、恋人との結婚を考えながら暮らす花に、
再び悲しい予感が……。
だが彼女は、暗闇の中にいても、光を見つけていくのだった。

ぬいぐるみの存在の重要さを感じられる少女の成長物語

主人公の花ちゃんは、ゆるキャラ・ふなっしーのぬいぐるみをずっと大切にしているのですが、同じように大好きなぬいぐるみを持っている自分としては、共感する思いでいっぱいでした。小説の序盤から終盤までずっと、ぬいぐるみの存在感の大きさが伝わるストーリーにつき、モフモフとしたそれをギュッと抱きしめたような温かな気持ちになります。
順風満帆な幼少期とは言えなかった花ちゃんが、逞しく成長していく姿にも感動と明るさをいただきました。それと同じくらい、涙も出ますけど。(40代女性」)

阿佐ヶ谷姉妹ののほほんふたり暮らし

作者:阿佐ヶ谷姉妹

阿佐ヶ谷姉妹ののほほんふたり暮らし

<あらすじ>
40代・独身・女芸人の同居生活はちょっとした小競合いと人情味溢れるご近所づきあいが満載。エアコンの設定温度や布団の陣地で揉める一方、ご近所からの手作り餃子おすそわけに舌鼓。白髪染めや運動不足等の加齢事情を抱えつつもマイペースな日々が続くと思いきや――。地味な暮らしと不思議な家族愛漂う往復エッセイ。「その後の姉妹」対談も収録。

阿佐ヶ谷姉妹のなんでもない日常

ロケとかドラマで、阿佐ヶ谷姉妹のお二人が住んでいたアパートの部屋を実際に見たことがあるけれど、本当にあの狭い空間に一緒に長年暮らしていたんだって思うと面白いし、お互いに不満こそあれど、結局は主にお姉さんが許してこれたから、今でもコンビでいられるんだろうなって思いました。
お互いがお互いから見たクセとか習慣を語っていたり、二人の質素ながらも幸せそうな趣味や暮らしぶりに、ほっこりさせられます。(30代女性)

どんべえ物語

作者:畑正憲

どんべえ物語 ヒグマと二人のイノシシ

どんべえと家族の心温まる交流。

野生のヒグマどんべえを周囲の反対を押し切って飼います。最初は暴れていたどんべえでしたが、、一家の献身的な世話によって丸1年間の飼育に成功します。ヒグマのような野生動物は生後4週間までしか人に慣れないと言われているにもかかわらずどんべえは成長するにつれ、ムツゴロウ一家の大切な一員となっていく心温まる物語です。(60代男性)