読む手が止まらない!サスペンス小説の驚愕のストーリーと緊迫感19選

2023年12月20日

おすすめのサスペンス小説

緊張感と興奮が交錯する、おすすめのサスペンス小説を集めてみました。
ハラハラドキドキのスリリングな展開が面白いサスペンス小説は、ミステリー小説やホラー小説とジャンルが被ってしまうところもあるのですが、犯罪、謎解き、陰謀など、さまざまなサスペンスの要素が詰まった小説を19作品ご紹介します。

十二人の死にたい子どもたち

作者:冲方丁

十二人の死にたい子どもたち

<あらすじ>
廃病院に集まった十二人の少年少女。彼らの目的は「集団安楽死」をすること。
決を取り、全員一致でそれは実行されるはずだった。だが、病院のベッドには“十三人目”の少年の死体が。彼は何者で、なぜここにいるのか? 「実行」を阻む問題に、十二人は議論を重ねていく。互いの思いの交錯する中で出された結論とは……?

子どもたちは死にたがりか生きたがりか、希望と絶望のストーリー。

サスペンスやミステリーが大好きな私ですが、これは本当にアタリだったと思います。
12人の子どもが考えていることの心理描写がしっかり描かれていて、肯定も否定もするところがたくさんあり面白いです。子どもと言えど考えているいきもの、というのがわかりやすいストーリーです。
ダラダラ読まず一気読みになってしまうくらいにはとても面白い!ひとりひとり掘り下げてくれるので、ラストの展開は読み手によりバッドエンドかハッピーエンドか別れると思います。(20代女性)

黒祠の島

作者:小野不由美

黒祠の島

<あらすじ>
「そう――ここは黒祠なのですよ」近代国家が存在を許さなかった“邪教"が伝わる、夜叉島。式部剛は失踪した作家・葛木志保の姿を追い求め、その地に足を踏み入れた。だが余所者を忌み嫌う住民は口を閉ざし、調査を妨害するのだった。惨事の名残を留める廃屋。神域で磔にされていた女。島は、死の匂いに満ちていた。闇を統べるのは何者なのか? 式部が最後に辿り着いた真実とは。

隔絶された島で起こる罪と罰

夜叉島という切り離された島を舞台にして起こる、死と、それを紐解こうとした調査への妨害。
独自の宗教的価値観が色濃く根付いているこの夜叉島で起こる様々な出来事に、読み手はどんどん引き込まれていきます。
風鈴と風車がいたるところに飾られた島。それだけでも異様なのですが起こる事件や出来事が、それらの風景とともに真に迫ってかきこまれていて、読みながらぞくぞくしてしまいました。(40代女性)

ハサミ男

作者:殊能将之

ハサミ男

<あらすじ>
美少女を殺害し、研ぎあげたハサミを首に突き立てる猟奇殺人犯「ハサミ男」。3番目の犠牲者を決め、綿密に調べ上げるが、自分の手口を真似て殺された彼女の死体を発見する羽目に陥る。自分以外の人間に、何故彼女を殺す必要があるのか。「ハサミ男」は調査をはじめる。精緻にして大胆な長編ミステリの傑作!

驚きと納得のサスペンス

殺人事件の捜査側と犯人側からの物語になっています。少し描写が強い所もありますが、その分事件が生々しく描かれており、次の展開がどうなるのか読み進めてしまう一冊です。
犯人側の描写は思考や行動、セリフなので最後まで誰が犯人から分かりませんが犯人の動機などは分かるようになっています。最後に犯人が分かった時の驚きは今でも鮮明に蘇るので、ストーリーの進め方が秀逸な作品だと思います。(40代女性)

夏と花火と私の死体

作者:乙一

夏と花火と私の死体

<あらすじ>
九歳の夏休み、少女は殺された。あまりに無邪気な殺人者によって、あっけなく――。こうして、ひとつの死体をめぐる、幼い兄弟の悪夢のような四日間の冒険が始まった。次々に訪れる危機。彼らは大人たちの追及から逃れることができるのか? 死体をどこへ隠せばいいのか? 恐るべき子供たちを描き、斬新な語り口でホラー界を驚愕させた、早熟な才能・乙一のデビュー作品。

新しい視点で描かれるサスペンス

この物語はある小学生たちの間で起きた事件について描かれたものです。
物語の序盤、小学生の一人が亡くなってしまい、その死体を隠そうと小学生の兄弟二人が頑張るのですが、途中大人にばれそうになるなりスリルが味わえます。そして、この物語は死体となってしまった小学生の目線で話が進むのでその点も面白いです。この事件と同時に連続誘拐事件も起きていて、その真相が明らかになった時の鳥肌がすごかったです。(20代男性)

闇祓

作者:辻村深月

闇祓

<あらすじ>
「うちのクラスの転校生は何かがおかしい――」
クラスになじめない転校生・要に、親切に接する委員長・澪。
しかし、そんな彼女に要は不審な態度で迫る。
唐突に「今日、家に行っていい?」と尋ねたり、家の周りに出没したり……。
ヤバい行動を繰り返す要に恐怖を覚えた澪は憧れの先輩・神原に助けを求めるが――。
身近にある名前を持たない悪意が増殖し、迫ってくる。一気読みエンタテインメント!

サスペンス? ホラー? 男の子が突然女の子になったりもする闇な話

言動も距離感もおかしい転校生やイケメン先輩、ふわふわ学園ラブストーリーかと思いきや話はどんどんホラーになる。誰が味方で誰が敵?
そして話は学校内ではおさまらない。読んでいて途中で人の名前をどうしてメモっておかなかったのかと思えるほど複雑な内容になってくる。まあ、そのまま軽くスルーして読み続けても臨場感は減らない。
子どもの話?と思って読んだら大やけどをする本格小説。このレベルアップぶり、ハリー・ポッターを読んで以来の話の成長感だった。(50代女性)

グロテスク

作者:桐野夏生

グロテスク

<あらすじ>
名門女子高に渦巻く女子高生たちの悪意と欺瞞。「ここは嫌らしいほどの階級社会なのよ」。
「わたし」とユリコは日本人の母とスイス人の父の間に生まれた。母に似た凡庸な容姿の「わたし」に比べ、完璧な美少女の妹のユリコ。家族を嫌う「わたし」は受験しQ女子高に入り、そこで佐藤和恵たち級友と、一見平穏な日々を送っていた。ところが両親と共にスイスに行ったユリコが、母の自殺により「帰国子女」として学園に転校してくる。悪魔的な美貌を持つニンフォマニアのユリコ、競争心をむき出しにし、孤立する途中入学組の和恵。「わたし」は二人を激しく憎み、陥れようとする。
圧倒的な筆致で現代女性の生を描ききった、桐野文学の金字塔。

醜を内包した美と、美を内包し損ねた醜……己の中で折り合いをつけることのできなかった女達の、地を這うような物語

実際の出来事を題材にした小説。対照的な二人の姉妹が抱える闇。内面の美醜と外面の美醜が表裏一体となって、輝かせもするし堕落もさせる。性差、価値観、階級、学歴、美醜……こんな筈ではなかったと、内包する欲望に蓋をしきれなくなった時、彼女たちは『グロテスク』な姿に変わる。

優秀な姉・和恵と、美しい妹・ユリコ。互いに羨望を抱きながら、大人になって再会した姿は余りにも『グロテスク』であった。
自分を抑え、優秀でありながら不遇な処遇の中でもがいていた姉が、自らを解放して商品化した時、目の前に現れたのは、輝く美貌を武器に自由気ままに生きながらも年と共にその武器を失い、場末の娼婦に身を落としていた妹。
幸せなのは、自らを貶めることで生まれて初めての開放感を味わう姉か、美貌を失っても誰に縛られることもない妹か。

常識だと囚われていて、己が蓋をして無かったことにしてしまっている真情があるのではと、つい自分の心の中を探りたくなるような作品である。(50代女性)

バトル・ロワイアル

作者:高見広春

バトル・ロワイアル

<あらすじ>
西暦一九九七年、東洋の全体主義国家、大東亜共和国。城岩中学三年B組の七原秋也ら四十二人は、修学旅行バスごと無人の島へと拉致され、政府主催の殺人実験を強制される。生還できるのはたった一人。そのためにはただクラスメイト全員を殺害するのみ――。現代日本を震撼させたジェットコースターデスゲーム・ノヴェル

若者たちの青春デスゲーム

読書がそこまで好きという訳ではなかった自分が「時間を忘れて読みふける」という体験をした、最初で最後の本。
「日本に似た架空国家で、選ばれた中学3年生がクラスで1人生き残るまで殺し合う」という衝撃的なデスゲームを描いた作品。
内容にはグロテスクな部分も多々ありますが、極限状態で生きる登場人物一人一人の言動を通じて、読者自身が「今、この世界に生きている」ことを強烈に体感できる作品です。(30代女性)

上と外

作者:恩田陸

上と外

<あらすじ>
両親の離婚で、別れて暮らす元家族が年一度、集う夏休み。中学生の練は妹・千華子、母とともに、考古学者の父がいる中米のG国までやってきた。密林と遺跡と軍事政権の国。すぐさま四人はクーデターに巻き込まれ、避難中のヘリから兄妹が落下、親子は離ればなれに!?疲労困憊でさまよう二人の身に、異変が…。息もつかせぬ面白さの新装版上巻。

見知らぬ土地での兄妹のサバイバル体験

主人公が家族と中央アフリカへ夏休みに訪れた際に、クーデターに巻き込まれ、主人公と妹の二人で様々な困難を切り抜けていくというお話で、息もつけずに最後まで一気読みしてしまうほどの見ごたえと世界観、ハラハラ感があり、非常に面白い作品でした。
サバイバル要素が強く、アフリカという大自然かつ、謎が多い地での、兄妹の子供でありながら知恵と勇気を振り絞り、乗り越えていくストーリーに胸が熱くなり、読み終わった時には、大作映画を見た後のような余韻に浸る事ができました。(30代男性)

そして誰もいなくなった

作者:アガサ・クリスティ

そして誰もいなくなった

<あらすじ>
その孤島に招き寄せられたのは、たがいに面識もない、職業や年齢もさまざまな十人の男女だった。だが、招待主の姿は島にはなく、やがて夕食の席上、彼らの過去の犯罪を暴き立てる謎の声が……そして無気味な童謡の歌詞通りに、彼らが一人ずつ殺されてゆく! 強烈なサスペンスに彩られた最高傑作!

孤島の中で起きるサスペンス

人里離れた孤島に人々が集められて、そこから次々に事件が起きていくストーリー展開が面白いです。特にこれと言った探偵らしい人物がいるわけではないので、登場人物の誰が犯人なのか不確かな状態であるのも良かったです。また、読み進めていくうちに、登場人物たちも疑心暗鬼誰に陥っていくので読んでいてとてもハラハラしました。(30代女性)

子どもたちは夜と遊ぶ

作者:辻村深月

子どもたちは夜と遊ぶ

<あらすじ>
始まりは、海外留学をかけた論文コンクール。幻の学生、『i』の登場だった。大学受験間近の高校3年生が行方不明になった。家出か事件か。世間が騒ぐ中、木村浅葱だけはその真相を知っていた。「『i』はとてもうまくやった。さあ、次は、俺の番――」。姿の見えない『i』に会うために、ゲームを始める浅葱。孤独の闇に支配された子どもたちが招く事件は、さらなる悲劇を呼んでいく。

殺人ゲームの先にある未来…

殺人の描写などが多いので読み進めるのに少し怖くなる時がありますが、次の展開が気になり、どんどん読み進めていくことが出来ます。
それぞれの登場人物が抱えている暗い部分に共感できる部分があったり、残虐な殺人を犯しながらも自分の願望を苦しみながら叶えたいと思ってしまうのがとても切ないです。
読んでいて、涙が止まらなくなります。(30代女性)