思わず笑っちゃう、笑える小説12選

読んで思わず笑っちゃう作品、というテーマの小説を集めました。
爆笑しちゃうものからクスクス笑えるものまで、オススメの笑える小説集
「ためいき坂 くちぶえ坂―松鶴と弟子たちのドガチャ」笑福亭 松枝

六代目松鶴とその弟子たちのおかしくも哀しいお話をユーモアたっぷりに松枝タッチで描いた笑撃の青春記。七代目襲名騒動の裏話も…。
「BOOK」データベースより
7代目襲名騒動が描かれてていますが、内容のほとんどは6代目松鶴の駄目っぷりです。破天荒な人で知られていますが、ときどき弟子への心配りが行われおり、人情味を感じることができます。いろいろな弟子がいますが、それぞれが師匠から認められたいと頑張る姿には感動します。ずっと笑っていましたが、思わず涙してしまうシーンもある作品です。もっとに世間に広く認められる作品だと思います。
「歪笑小説」東野 圭吾

新人編集者が目の当たりにした、常識破りのあの手この手を連発する伝説の編集者。自作のドラマ化話に舞い上がり、美人担当者に恋心を抱く、全く売れない若手作家。出版社のゴルフコンペに初参加して大物作家に翻弄されるヒット作症候群の新鋭…俳優、読者、書店、家族を巻き込んで作家の身近は事件がいっぱい。ブラックな笑い満載!小説業界の内幕を描く連続ドラマ。
「BOOK」データベースより
小説業界の裏側を垣間見れるような作品です。短編集のような形ですが、ストーリー一つ一つに繋がりがあり、東野さんらしい巧妙な書き方だと思いました。編集者であったり、小説家であったり、普段知る由もない仕事の世界の中で繰り広げられるやり取り、駆け引きが新鮮であり、そしてその秀逸さに驚き、ついつい笑ってしまう場面がたくさんありました。
「ハードボイルド・エッグ」荻原浩

私の名は最上俊平。私立探偵だ。フィリップ・マーロウを敬愛する私は、ハードボイルドに生きると決めているが、持ちこまれるのはなぜかペットの捜索依頼ばかり。正直、役不足である。そろそろ私は変わろうと思う。しかるべき探偵、しかるべき男に―。手始めに、美人秘書を雇うことを決意したが、やってきたのはなんとも達者な女性で…。心優しき私立探偵とダイナマイト・ボディ(?)の秘書が巻きこまれた殺人事件。くすりと笑えてほろりと泣けるハードボイルドの傑作
「BOOK」データベースより
アメリカのハードボイルド探偵に憧れてる男の物語。本人は殺人などの大きな事件を解決する探偵のつもりですが実際はペットの捜索などがメインの仕事。
秘書募集の求人にきた女性とひょんな事から遂に巡ってきた難事件に向かっていきます。
カッコ悪いんだけどどこかカッコ良い主人公の探偵に笑いながらも感動出来る作品。
「老後の資金がありません」垣谷 美雨

「老後は安泰」のはずだったのに!後藤篤子は悩んでいた。娘の派手婚、舅の葬式、姑の生活費…しっかり蓄えた老後資金はみるみる激減し、夫婦そろって失職。家族の金難に振り回されつつ、やりくりする篤子の奮闘は報われるのか?ふりかかる金難もなんのその、生活の不安に勇気とヒントをあたえる家計応援小説。
「BOOK」データベースより
しっかり貯金をして老後の備えを万全にし、ゆっくり老後を楽しみたいと思っていた主人公に次々と災難が起こりますが、周りの人やいろいろな事情に振り回されながらも奮闘していく姿がとにかく痛快で笑えます。シリアスなテーマですが、コントやギャグを見ているような感覚で一気に読めます。キャラクターが生き生きしていて、面白いです。
2021年に天海祐希さん主演で映画化されました。
「笑う招き猫」山本 幸久

男と並んで愛誓うより、女と並んで笑いを取る、それが二人のしあわせなのだ!駆け出しの漫才コンビ、『アカコとヒトミ』。超貧乏で彼氏なし、初ライブは全く受けずに大失敗。おまけにセクハラ野郎の先輩芸人を殴り倒して大目玉。今はぜんぜんさえないけれど、いつかはきっと大舞台。体に浴びます大爆笑―。夢と笑いとパワーあふれる傑作青春小説。
「BOOK」データベースより
この本は女お笑い芸人の2人が主人公です。なかなか芽が出ないお笑いコンビの2人の仕事、日常、人間関係などが描かれています。ちょっと悲しいことでも、お手前のツッコミと明るさで乗り越えていく2人に元気がもらえ、思わず笑ってしまうおもしろさがあります。全体的にさらっと読めてしまうぐらい、リズム感と勢いがある内容で読みやすくおすすめです。
「バイバイ、ブラックバード」伊坂幸太郎

星野一彦の最後の願いは何者かに“あのバス”で連れていかれる前に、五人の恋人たちに別れを告げること。そんな彼の見張り役は「常識」「愛想」「悩み」「色気」「上品」―これらの単語を黒く塗り潰したマイ辞書を持つ粗暴な大女、繭美。なんとも不思議な数週間を描く、おかしみに彩られた「グッド・バイ」ストーリー。
「BOOK」データベースより
主人公の星野は「あのバス」でどこかに連れて行かれる運命だった。しかし、どこかに連れて行かれる前に、星野は5股していた女たちのところをたずねることに。それも、何もかも規格外の繭美と共に。予想できないストーリー、面白すぎるシュールな表現とともに、くすりと笑える伊坂ワールドに、どうぞ足を踏み入れてください。
「イン・ザ・プール ドクター伊良部」奥田 英朗

「いらっしゃーい」。伊良部総合病院地下にある神経科を訪ねた患者たちは、甲高い声に迎えられる。色白で太ったその精神科医の名は伊良部一郎。そしてそこで待ち受ける前代未聞の体験。プール依存症、陰茎強直症、妄想癖…訪れる人々も変だが、治療する医者のほうがもっと変。こいつは利口か、馬鹿か?名医か、ヤブ医者か
「BOOK」データベースより
ミステリ好きにはおなじみの文学賞「このミステリーがすごい! 」で第2位となった短編集です。精神科医の伊良部一郎のもとを訪れる患者たちと彼のやりとり一つ一つが面白く、きっと読みながら吹き出してしまうので、読む場所にはご注意ください。伊良部の自由奔放な姿、患者のどんな悩みにもコメディで解決していく姿は、読んでいるこちらの気持ちを明るく楽しくしてくれます。
「恋文の技術」森見登美彦

京都の大学院から、遠く離れた実験所に飛ばされた男が一人。無聊を慰めるべく、文通修業と称して京都に住むかつての仲間たちに手紙を書きまくる。文中で友人の恋の相談に乗り、妹に説教を垂れるが、本当に想いを届けたい相手への手紙は、いつまでも書けずにいるのだった。
「BOOK」データベースより
主人公はちょっとおバカでユーモアたっぷりな男子学生。そんな彼が知人と手紙のやりとりを行う模様を描いたちょっと変わった見せ方の小説です。
同じ学校との女子との笑えるちょっとした揉め事や、年下男子に女子の魅力を説くなど、この年齢の男性ならではのユーモラスな展開にクスリと笑えるものがありました。手紙でのやりとりはポップな文体で綴られるので、小説のビギナーでも読みやすいと思います。
「ロマンス小説の七日間」三浦しをん

《あらすじ》
海外翻訳を生業とする20代のあかりは、現実にはさえない彼氏と同棲中。そんな中ヒストリカル・ロマンス小説の翻訳を引き受ける。最初は内容と現実とのギャップにめまいを感じていたが……。
海外翻訳家のあかりは、ヒストリカル・ロマンス小説の翻訳を引き受けます。同棲中の彼氏が突然仕事をやめて帰ってきたりと、小説の中で繰り広げられる姫のロマンスとはかけ離れた日常生活に翻弄されているうちに、あかりの翻訳は原文から逸れとんでもないことに…。というお話ですが、この逸れに逸れまくったあかりの翻訳文がまた面白いのです。
あかりの日常とリンクしながら暴走してゆく物語に目が離せません。仕事としてそんなことして大丈夫かと笑いながらも、でもこのまま駆け抜けた結末が見たい!と最後まで一緒に駆け抜けたくなる一冊です。(40代女性)
「ぼくたちと駐在さんの700日戦争」ママチャリ

時は1970年代。田舎町に住むヤンチャでムチャな男子高校生7人と、町の駐在さんが繰り広げるイタズラ合戦。 「レーダー測定(ねずみ捕り)で自転車は捕まるのか!?」に始まる、バラエティ豊かな“ぼくたち”の作戦と、法すれすれのリベンジを繰り返す“駐在さん”の大人げない(?)攻防戦。 おバカで笑えて、熱くて泣ける、(半分)実話の人気ブログ小説、待望の電子化!
とにかくおバカです(笑)
高校生たちが駐在さんにイタズラをしかけ、駐在さんも大人気なくやり返すのですが、そのイタズラがバカバカしくて笑っちゃいます。イタズラをするのに読んでいて不快な気持ちにならないのは、登場人物がおバカ故にピュアすぎるからでしょう。そのズレたやり取りもとても笑えます。
人前で読むとニヤニヤしちゃうので、一人の時に読むことをおすすめします。(20代女性)
「スメル男」原田 宗典

岡山から上京して東京の大学に通うぼく・武井武留は、母親を亡くした喪失感のためか、無嗅覚症になっていた。東大で作物の研究をしている親友・六川が、ぼくのために「臭い」の研究もしてくれるが研究所で事故死する。悲嘆にくれていると六川の恋人だったというマリノレイコが現れ、六川からぼく宛の荷物だと言ってシャーレを持ってきてくれる。マリノレイコによるとチーズの匂いがするというシャーベット状の中身に触ったときからぼくの身に異変が起こり始める。最初は犬が騒ぎ出し、次にはぼくの臭いを嗅いだ人がみんな嘔吐。住んでいるマンションに警察が調べに来たり、ついには東京都内を巻き込む異臭騒ぎにまでなってしまう。解決の糸口が見つからないまま、こんどは謎の組織に狙われることになり、なぜか味方になってくれた天才少年たちやマリノレイコといっしょの逃亡劇に!
この作品は主人公の体臭が臭すぎて、東京中に広がってみんなを苦しめているという馬鹿馬鹿しいけれどスケールの大きい設定が面白いです。
しかもただ馬鹿馬鹿しい物語で終わるのではなく、臭いについての謎が解明されたり、スリリングな展開になったりと、予想できない方向へと進んでいきます。物語が進むテンポもかなり良いので、あっという間に読みきれてしまいます。(20代男性)
「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」渡航

孤独に負けず。友達もなく、彼女もなく。青春を謳歌するクラスメイトを見れば「あいつらは嘘つきだ。欺瞞だ。爆発しろ」とつぶやき、将来の夢はと聞かれれば「働かないこと」とのたまう―そんなひねくれ高校生・八幡が生活指導の先生に連れてこられたのは、学校一の美少女・雪乃が所属する「奉仕部」。さえない俺がひょんなことから美少女と出会い…どう考えてもラブコメ展開!?と思いきや、雪乃と八幡の残念な性格がどうしてもそれを許さない!繰り広げられる間違いだらけの青春模様―俺の青春、どうしてこうなった。
本作は、何とも悲しいぼっち生活を歩まざるを得なかった比企谷八幡を主人公とした青春群像劇です。ヒッキーこと比企谷は、とんでもないひねくれた思考の持ち主であるため、あらゆる事象を彼ならではの視点で見極め、時としてそれが思わぬ展開を運んでくるのが、本作の面白いポイントになります。また、彼を取り巻く環境に変化が見えてくるところも見どころです。