おすすめの児童向けファンタジー小説

2022年7月2日

児童向けファンタジー小説

小学生高学年くらいの子供でも楽しんで読める児童向けファンタジー小説を集めてみました。
児童向けといっても大人が読んでも楽しめますし、大人になってから改めて読むとまた違った見方や発見もあって、児童向けファンタジーならではの面白さもあります。

そんな、子供も大人も楽しめるファンタジー小説18作品をご紹介します。

ダレン・シャン

作者:ダレン・シャン

ダレン・シャン

《あらすじ》
ふとしたことから手に入れた『奇怪なサーカス』のチケット。主人公のダレン少年を待ち受ける不思議な運命とは……。親友の命を救うために半バンパイアになった少年の大長編物語です。

切なくも惹き込まれるダークファンタジー

この作品は私が小学生の頃に夢中になって読み漁った程、魅力的な物語です。友人の命を助けるために自らヴァンパイアとなり冒険する少年のストーリーです。小説自体は分厚く感じるのですが話がわかりやすいため、すぐに読み終わってしまいます。自分がその場にいて共に冒険しているかのような、創造力を高めることが出来る素晴らしい作品です。(20代女性)

少年の好奇心がすべてを変える

作品名と作者名が同じ作品は少ないが、そのなかでもこの作品はオススメに値するものであると思う。具体的になぜそうなるのかはネタバレになるので書けないが、児童文学のファンタジー小説として、とてもワクワクできる作品であるのは間違いないし、最後まで読めばなぜ作者の名前がそうなるのかも理解できて、子供ながらに感心したのを覚えている。(30代男性)

モモ

作者:ミヒャエル・エンデ

モモ

《あらすじ》
時間どろぼうと,ぬすまれた時間を人間にとりかえしてくれた女の子モモのふしぎな物語.人間本来の生き方を忘れてしまっている現代の人々に〈時間〉の真の意味を問う,エンデの名作.

心に響く哲学的なファンタジー

ファンタジックな物語展開ですが、時に社会派なメッセージ性がある点で大人が見てもはっと目が覚めるような内容になっています。個人の時間の概念を表す展開が印象に残ります。仕事や学校に行く集団の時間が多く、それも大事ですが、自分を見つめて磨く時間も大事であると言っている内容に深みがありました。大人になるほど考えさせられるものとなっています。(30代男性)

はてしない物語

作者:ミヒャエル・エンデ

はてしない物語

<あらすじ>
バスチアンはあかがね色の本を読んでいた――ファンタージエン国は正体不明の〈虚無〉におかされ滅亡寸前。その国を救うには、人間界から子どもを連れてくるほかない。その子はあかがね色の本を読んでいる10歳の少年――ぼくのことだ! 叫んだとたんバスチアンは本の中にすいこまれ、この国の滅亡と再生を体験する。

どこまでも続くはてしない物語

物語は前半と後半で大きく様相が異なっているのが面白い点です。
前半では本が大好きないじめられっ子バスチアンが「はてしない物語」という本と出会い、やがてその物語の世界とリンクしていく姿が描かれています。
後半からは本の世界に入り、やがて傲慢なふるまいを見せるようにすらみせるようになるところが非常に興味深い点。

映画にもなった作品ですが、映画は前半部分のみ。後半からの展開が非常にいいのでぜひ手にとってほしい作品です。
物語に登場するちいさな物語に「それはまた別の物語」と「はてしない物語」であることを示唆しているのがいいです。また、装丁が非常に美しいのでハードカバー版がおすすめです。(50代女性)

クレヨン王国の十二か月

作者:福永令三

クレヨン王国の十二か月

<あらすじ>
大みそかの夜、ユカが目をさますと、12本のクレヨンたちが会議をひらいていた。クレヨン王国の王さまが、王妃のわるいくせがなおらないうちはかえらない、といってゆくえをくらましたのだ。おどろいた王妃は、ユカといっしょに王さまをさがしもとめて、ふしぎな旅に出る。

彩りあるファンタジーライフ

彩り鮮やかなファンタジー世界を舞台に、王国のお姫様が冒険を行うものです。旅のお供に動物を従えるなど、可愛らしいファンタジー要素があって楽しめます。お姫様が決してお淑やかではなく、わがままでやんちゃな所もある点に共感を持つことが出来ます。たくさんある悪い癖を直して良い姫様になっていくサクセス性も作品の良さでした。(30代男性)

小さなスプーンおばさん

作者:アルフ・プリョイセン

小さなスプーンおばさん

《あらすじ》
小さな片いなかの平凡なおばさんが、とつぜん小さくなったり、またもとの大きさにもどったりするところからまきおこる、笑いと空想にみちた物語です。

ふつうのおばさんが小さくなって冒険するお話

突然、予測なくスプーンのサイズまで小さくなってしまうおばさんのお話です。アニメ化もされている作品ですが、原作の挿し絵はとても可愛くおしゃれです。北欧が舞台なので、その地方独特の美味しそうな食べ物の描写も楽しめます。いきなり小さくなってしまっても淡々と対処していくおばさんの様子がとてもおもしろく、読みやすい作品だと思います。(30代女性)

若おかみは小学生!

作者:令丈ヒロ子

若おかみは小学生!

《あらすじ》
おっこは小学6年生。両親を事故で亡くし、旅館を経営する祖母に引き取られる。ユーレイのウリ坊と知りあったおっこは、若おかみ修行をするハメに。

若おかみの成長と友情の物語

両親を事故で亡くし、落ち込んでいたおっこが周りに支えられながら、祖母の旅館の若女将として奮闘しているところが面白かったです。
おっこが、幽霊のウリ坊や美陽と魔物の鈴鬼くんに振り回されたり、振り回したりしながらワチャワチャしているのが可愛いかったです。また、おっこが花の湯温泉名物菓子コンテストで作った露天風呂プリンが美味しそうで、自分も其処に行って食べたいと思いながら読んでいました。(20代女性)

かるいお姫さま

作者:ジョージ・マクドナルド

かるいお姫さま

<あらすじ>
魔女にのろいをかけられて,ふわふわ浮いてしまうお姫さま.〈重さ〉をとりもどせるただひとつの場所,湖も,魔女のたくらみでしだいに干上がり,お姫さまは弱ってゆきます.お姫さまを救うためには,だれかの命を犠牲にしなければなりません──.表題作のほか,幻想的な「昼の少年と夜の少女」を収録しました.

プカプカ浮かぶお姫様の物語

タイトルどおり、ふんわりと浮かぶお姫様の物語です。
邦題は「ふんわり王女」だったり「かるいお姫さま」だったりしますが、どちらの訳もジョージ・マクドナルドのファンタジックな幻想世界にぴったりの美しい文章でおすすめです。

呪いのせいで体重を失ってしまったお姫様はいつもプカプカ浮かんでいます。
しかし泳いでいるときだけは体重を取り戻すという特徴があります。
お姫様に恋した青年が姫を助けるために、ある行動を起こすことになるという児童向けのファンタジー小説であり、愛の物語です。(40代女性)

ナルニア国ものがたり

作者:C.S.ルイス

ナルニア国物語

<あらすじ>
両親と離れ、田舎の風変わりな教授の家に預けられた4人の兄妹。ある日末っ子のルーシーが空き部屋で大きな洋服だんすをみつけるが、扉を開くとそこは残酷な魔女が支配する国ナルニアだった! 「4人の人間がナルニアを救う王になる」という予言のせいで、子どもたちは魔女に命を狙われることに。4人は聖なるライオン“アスラン”と共に魔女に戦いを挑むが…。カーネギー賞受賞シリーズ第1弾。不朽の名作が新訳でよみがえる!

冒険と兄妹の絆の物語

衣装ダンスから異世界に行くという展開が面白かったです。どこかへ行く=扉からという固定観念があったため、まさかタンスからとは驚きました。
また、戦争から逃れるために田舎へ逃げてきたのに、異世界で戦争をする展開にも驚きました。冒険といえば戦いは付き物だとは思うが、いきなり子どもたちに戦えというのは酷ではと心配になりハラハラと展開を追っていきました。
しかし、アスラン王の助けと兄妹4人の力を合わせて白い魔女を打ち倒すシーンはカッコよくドキドキしました。大人が読んでも楽しめる素敵な冒険物語だと思いました。(20代女性)

ブレイブ・ストーリー

作者:宮部みゆき

ブレイブ・ストーリー

《あらすじ》
ごく普通の小学5年生亘は、友人関係やお小遣いに悩みながらも、幸せな生活を送っていた。ある日、父から家を出て行くと告げられる。バラバラになった家族を取り戻すため、亘は異世界への旅立ちを決意した。

リアリティのあるファンタジー

ファンタジー小説でありながら日常的なストーリーから始まるので、非現実的ではないところがとても受け入れやすいですし、そんな日常的なストーリーからだんだんとファンタジーの世界に入っていく展開は非常に楽しめました。また、主人公が小学生なので児童にもおすすめだと思いますし、大人が読んでも引き込まれてしまう世界観があります。(30代男性)

NO.6

作者:あさのあつこ

NO.6

<あらすじ>
2013年の未来都市《NO.6》。人類の理想を実現した街で、2歳の時から最高ランクのエリートとして育てられた紫苑は、12歳の誕生日の夜、「ネズミ」と名乗る少年に出会ってから運命が急転回。どうしてあの夜、ぼくは窓を開けてしまったんだろう? 飢えることも、嘆くことも、戦いも知らずに済んだのに……。「わたしはNO.6という物語の中で、生きる希望とやらを掴んでいけるのだろうか」――あさのあつこ

世界の本質を知った2人の少年の物語

未来都市NO.6のエリートとして育ってきた少年・紫苑が、犯罪者として追われている少年・ネズミと出会うことで、その人生が大きく変わっていく物語です。
自分が今まで当然だと思っていた価値観が覆され、未来都市NO.6に隠された恐ろしい秘密が明かされていく展開は、読んでいてハラハラドキドキの連続です。
また紫苑とネズミの、敵でもあり味方でもある立場から互いに惹かれていく少年たちの繊細な感情にも注目です。(30代女性)