癒やしと感動。猫好きの人のためのオススメ小説

2022年5月15日

猫好きの人にオススメの小説

猫の小説というと夏目漱石の「吾輩は猫である」が有名ですよね。猫が日本の歴史の文献に登場するのは奈良時代からで、平安時代には貴族にペットとして飼われていたそうです。
可愛い猫に癒やされたり、感動の物語も。猫好きの人にオススメできる小説10作品。

旅猫リポート

作者:有川浩

旅猫リポート

<あらすじ>
野良猫のナナは、瀕死の自分を助けてくれたサトルと暮らし始めた。それから五年が経ち、ある事情からサトルはナナを手離すことに。『僕の猫をもらってくれませんか?』一人と一匹は銀色のワゴンで“最後の旅”に出る。懐かしい人々や美しい風景に出会ううちに明かされる、サトルの秘密とは。永遠の絆を描くロードノベル。

飼い主と猫、その友人達のあたたかな絆の物語

事情があり、飼い猫であるナナを手放さなければならなくなった男性が、ナナとともに引き取り手を探すために知り合いの元を訪ねる旅に出るというお話です。飼い猫のナナ視点というのが面白くて、猫の目線だとこんなことを思ってるんだとか、猫目線での飼い主とのコミュニケーションが愛しくて、読む度に愛しさが増す作品となっています。人と人との絆、人と猫の絆、どちらもあたたかくて、読んだ後によかったなと改めて思う、猫好きの方におすすめできる素敵な作品です。(20代女性)

魂で結ばれた“ふたり”の旅物語

主人公の猫ナナと青年が、ナナの新たな飼い主を探して車で日本中を旅する物語です。なぜふたりで旅をしているのか、ラストにどうなるのか、猫好きの方はもちろん、それ以外の方でも涙なしには読めないと思います。
特に余韻を引くラストの数ページは、何度読み返しても胸が詰まります。切ないばかりではなく、全体を通してナナ目線で描かれる心象風景や猫ならではの視点が楽しく、新鮮です。素晴らしい作品だと思います。(50代男性)

「旅猫リポート」の関連テーマ

猫の神様

作者:東良美季

猫の神様

<あらすじ>
彼が死んだのは、暖かい春の陽射しが射し込む、穏やかな朝だった。十年と八ヶ月一緒に暮らしたというのに、それはとてもあっけないお別れだった…ぎじゅ太が死んでからというもの、僕は毎日を呆然と過ごした。僕の薄い膜の中に入って来れるのはみャ太だけだった…こいつは長生きするだろう。これから先、ずっと長い間可愛がって、二人仲良く暮らして。でもそうはならなかった。独身ライターとその小さな家族の、愛と孤独の物語。

飼い主の気持ちに寄り添えるお話

2匹の猫を飼っていてまだ元気な時に読んだ時はそれ程までには心に残らなかったのですが、高齢となったり病気が悪化して必死に愛猫の看病をした経験を経て再度この本を読むと、ズシリと心に響いたのが驚きでした。2匹の飼い猫の病状などを詳細に書いてくれているので、主人公の必死な思いが伝わって来て、自分の事の様に気持ちを乗せて読む事ができ、特に最期のシーンは涙無しでは読めませんでした。(50代女性)

世界から猫が消えたなら

作者:川村元気

世界から猫が消えたなら

《あらすじ》
僕の葬式。僕の枕元に集まる人はどんな人たちだろうか。かつての友達、かつての恋人、親戚、教師、同僚たち。そのなかで僕の死を心から悲しんでくれる人は、何人いるのだろうか。僕と猫と陽気な悪魔の7日間の物語。

自分にとって何が大切なのかを考える物語

飼い猫と一緒に生活しているある男性が医者から余命宣告をされました。そんなある日、彼は自分と同じ姿をした悪魔と出会い、大切なものと引き換えに1日の命をもらう契約をします。時計や映画など自分の大切なものが次々と失われていく中、彼は初恋の女性と再会します。猫との関係性はどうなるのか、自分にとって何が大切なのか、考えさせられます。(20代男性)

モノレールねこ

作者:加納朋子

モノレールねこ

<あらすじ>
小学生のぼくは、ねこの首輪に挟んだ手紙で「タカキ」と文通をする。ある日、ねこが車に轢かれて死に、タカキとの交流は途絶えてしまったが…。表題作の「モノレールねこ」ほか、ザリガニの俺が、家族を見守る「バルタン最期の日」など、夫婦、親子、職場の同僚など、日常にさりげなく現れる大切な人との絆を描いた8篇。

優しい雰囲気とミステリアスな雰囲気がある独特な世界観に引き込まれる

この小説の中には8つの短編物語が含まれていて、そのどれもが優しく、どこかミステリアスな雰囲気もあって読んでいるうちに物語の世界観にどんどん引き込まれていく感じがします。猫の可愛さと気まぐれな感じを上手く描いているシーンもあり、猫好きにとってはたまりません。さらに犬やザリガニなど、他の動物をテーマにした物語もあって楽しめます。(20代男性)

あたしの一生 猫のダルシーの物語

作者:ディー・レディー

あたしの一生: 猫のダルシーの物語

<あらすじ>
猫のダルシ―の視点で描く感動的な愛の物語

「あのひとへの、あたしの愛。それから、あたしへの、あのひとの愛。あたしは、あたしたちが一緒に暮らした日々の思い出を、あのひとの胸のなかにちゃんと蒔いておいた。あたしがいなくなったあともその思い出があのひとを、なぐさめてくれるようにね。
けっきょくのところ、もんだいなのは愛ということ……。」(本文より)

《あらすじ》を見る

猫の『あたし』と『あたしの人間』の17年間の物語。

猫のダルシ―目線で丁寧に描く、『あたし』と『あたしの人間』の物語。気高き猫ダルシーの飼い主に対する真っ直ぐな愛情と信頼が、江國香織さんの優しい日本語訳で綴られます。

私たちが飼い猫を『うちの猫』と言うように、猫にとっては『あたしの人間』なんだと思うとクスッとさせられます。どうしたって猫の方が寿命が短い。それを分かっていて、自分がいなくなったあと飼い主が寂しくならないようにと思い出の種を蒔いてくれるダルシーの愛の深さが心に染み渡ります。いつか猫を飼うことがあったら、『あたしの人間』として精一杯愛情を注ごうと思える本です。(30代女性)

三毛猫ホームズの推理

作者:赤川次郎

三毛猫ホームズの推理

<あらすじ>
体つきは優雅で上品、きりっとした顔立ちの三毛猫。手術で子宮をとったせいか、時々“物思い”にふける癖がある。だがひとたび事件がおこると、ユニークな推理と鋭い冴えで人間どもを翻弄する。その名も『ホームズ』。

《あらすじ》を見る

探偵猫と人間刑事のコンビが事件を解決!

探偵と頼りない刑事のコンビが事件を解決する推理小説ですが、主人公が猫というインパクトがあります。
猫だけど紅茶が好きという、ユニークな部分がおもしろいです。
他のミステリー作品とはちがった印象があるので、気分を変えたい方や気軽にミステリー作品を読みたい方にもおすすめです。
シリーズの第1作目なので、まずはこの作品から読んでもらいたいです。(30代女性)

頭の良い猫が活躍する推理小説

三毛猫ホームズはシリーズ化される程人気作品で主人公が猫のホームズでその預かり主がサブ役という猫メインになっている作品です。頭の良い猫で飼い主の刑事と共に行動し事件現場に行くと何かを察知して刑事にわかるように動いて教えようとします。それを見た刑事が閃き事件の解決に結びつくという物で喋れないけど動作で教えようとする頭の良い猫です。そんな猫の活躍が沢山読めるのが三毛猫ホームズシリーズです。(30代女性)

ぼくとねこのすれちがい日記

作者:北澤平祐

ぼくとねこのすれちがい日記

<あらすじ>
売れないイラスト稼業の「ぼく」は、妙におじいちゃん顔の子ねこを拾う。一方の「ねこ」は、なぜかよくカリフォルニアのビーチを思い出していて……。ぼくとねこ。ともに暮らしていても、見ている世界はこんなにちがう? ささやかな日常におきたドラマの数々が、色鮮やかな絵日記でよみがえる。イラストレーター・北澤平祐とブックデザイナー・名久井直子がタッグを組み、かわいいこだわりをたっぷり詰め込んだ贅沢な1冊。

人間がみている世界と猫がみている世界の違いと面白さを著す物語

人間のぼくと、ねこのそれぞれの世界を描いている本なのですが、イラストが可愛く、絵日記になっているのでとても読みやすいです。
一緒に暮らしているのにも関わらず、人間と猫がみている世界の違いを絵日記を通して教えてくれるので、実際に猫を飼っている人は共感できるし、猫の気持ちを知るきっかけにもなる本だと感じています。
絵日記なので小学生でも読みやすいと思います。(20代女性)

陽だまりの彼女

作者:越谷オサム

陽だまりの彼女

<あらすじ>
幼馴染みと十年ぶりに再会した僕。かつて「学年有数のバカ」と呼ばれ冴えないイジメられっ子だった彼女は、モテ系の出来る女へと驚異の大変身を遂げていた。でも彼女、僕には計り知れない過去を抱えているようで──その秘密を知ったとき、恋は前代未聞のハッピーエンドへと走りはじめる! 誰かを好きになる素敵な瞬間と、同じくらいの切なさも、すべてつまった完全無欠の恋愛小説。

人を好きになる素晴らしさの再確認

恋愛小説ではありますが、その恋愛に対する鍵を握っているのが猫ということもあり猫好きな方にはおすすめですし、とにかく切なさを感じるような恋愛観は、特にしんみりとしたい時には非常に向いていると思います。また、切なさだけでなく純粋に人を好きになる素晴らしさも知ることができますし、改めて恋愛をしたくなるような作品で大変良かったです。(30代男性)

ジェニィ

作者:ポール・ギャリコ

ジェニィ

<あらすじ>
突然真っ白な猫になってしまったピーター少年は、大好きなばあやに、冷たい雨のそぼ降るロンドンの町へ放り出された。無情な人間たちに追われ、意地悪なボス猫にいじめられ――でも、やさしい雌猫ジェニィとめぐり会って、二匹の猫は恋と冒険の旅に出発した。
猫好きな著者ギャリコが、一匹の雌猫に永遠の女性の姿を託して、猫好きな読者たちに贈る、すてきな大人の童話。

猫になってしまった少年とメス猫ジェニィとの交流

ある日、事故によって普通の少年ピーターが白い猫になってしまう、というのが面白いです。ピーターは気づかれぬまま町に放り出されて、何も知らない猫として大変な思いをするのでハラハラします。そんな中、やさしいメスの猫ジェニィと出会ったことで、少しずつピーターの意識にも変化が起きていくストーリー展開が良かったです。(30代女性)

ドクター・ヘリオットの猫物語

作者:ジェイムズ・ヘリオット

ドクター・ヘリオットの猫物語

<あらすじ>
威厳に満ちたアルフレッド、迷子の子猫オリーとジニー、豚に育てられたモーゼスなど、気まぐれだけど愛情深い猫たちとの感動的なやりとりを描く。すべての猫好きに贈る10話。

もっと猫が好きで愛おしくなる物語

動物病院で長年に渡り、獣医として培ってきたヘリオット先生の体験を元に、チョイスされた猫と人とのお話です。場所はイギリスのヨークシャー。厳しい自然の中で逞しく生活する野良猫から家族に大切にされる家猫まで、本は10の物語で構成されています。イギリス人らしいウィットに富んだユーモアも交えつつ、時には涙なしに読めない切ない話、思わず吹き出してしまう滑稽な話、人と猫が共に支え合う人生を考えさせられる話、それらの数々の話はきっと読者の心を打つはずです。読み終わった時に猫への愛情が更に深まっていることでしょう。(50代男性)

「動物」関連のテーマ

小説