40~50代の大人の男性にオススメの小説

40~50代の大人の男性におすすめしたい小説を集めました。
ビジネスパーソン向けのお話から、大人向けの恋愛など、頑張る40~50代男性に読んでもらいたい小説ばかりです。
「下町ロケット」池井戸潤

研究者の道をあきらめ、家業の町工場・佃製作所を継いだ佃航平は、製品開発で業績を伸ばしていた。そんなある日、商売敵の大手メーカーから理不尽な特許侵害で訴えられる。圧倒的な形勢不利の中で取引先を失い、資金繰りに窮する佃製作所。創業以来のピンチに、国産ロケットを開発する巨大企業・帝国重工が、佃製作所が有するある部品の特許技術に食指を伸ばしてきた。特許を売れば窮地を脱することができる。だが、その技術には、佃の夢が詰まっていた―。
男のロマンと情熱の物語
町工場の工場長が主人公の物語です。職人気質な主人公や工場の仲間が織りなす、情熱的な仕事ぶりは一見今の時代とは逆行しているようにも思いますが、古きよき時代を彷彿とさせ、熱く心に響くものを感じます。情熱の先にとある夢に向かって奮闘する彼らと同年代の男性はとくに感情移入しやすいのではないかと思い選ばせて頂きました。(30代女性)
「今夜、ロマンス劇場で」宇山佳佑

映画監督を夢見る青年・健司は、ある嵐の夜、行きつけの映画館・ロマンス劇場で一人の女性と出会う。彼女は健司がずっと憧れていた映画のなかのお姫様・美雪だった!モノクロ映画の世界から飛び出した美雪は、カラフルな現実の世界に興味津々で、わがままな彼女に健司は振り回されてばかり。共に過ごすうち、惹かれあうふたりだが、美雪には秘密があった…。極上のラブストーリー。
夢を追いかけた人に刺さる
まず、本作は時代設定からして年齢がやや上の方に刺さりやすくなっています。そして、夢を追いかけ、何かに心血を注いだ経験のある覚えがある全ての方の心を奪うストーリーです。初めは、ヒロインの傲慢さに呆れることしかできませんが、やがてその呆れがどうしようもない愛おしさへと変わっていくため、そこからが本作の見どころに繋がってきます。(20代女性)
「虚言少年」京極夏彦

オヤジ臭く、自他ともに認める嘘吐きの内本健吾。モテたいのに女子ウケしないことばがりをし続け、味のある面白さを持つお坊ちゃまの矢島誉。人心を掌握する術と場を読む能力に長け、偏った知識を持つ京野達彦。「馬鹿なことはオモシロい」という信条を持つ小学生男子三人組が繰り広げる、甘酸っぱい初恋も美しい思い出も世間を揺るがす大事件もないが、馬鹿さと笑いに満ちた日々を描く7編。
何も起きないのに、しょうもないのに面白くて仕方ない、昭和の屁理屈小学生の頭の中
舞台は昭和。妙に理屈を捏ねるちょっとオヤジ臭い小学生が主人公の物語です。日常のくだらない事がおかしくてしょうがない、何でもない事が大事件。そんな少年時代が描かれています。昨日のテレビや誰かのオナラなど、至極くだらないのですが、なんだかんだ友情が感じられ微笑ましい部分も。京極夏彦先生の小難しい文章がくだらなさを引き立てます。昭和生まれで笑いたい方におすすめです。(30代女性)
「ロスジェネの逆襲」池井戸潤

ときは2004年。銀行の系列子会社東京セントラル証券の業績は鳴かず飛ばず。そこにIT企業の雄、電脳雑伎集団社長から、ライバルの東京スパイラルを買収したいと相談を受ける。アドバイザーの座に就けば、巨額の手数料が転がり込んでくるビッグチャンスだ。ところが、そこに親会社である東京中央銀行から理不尽な横槍が入る。責任を問われて窮地に陥った主人公の半沢直樹は、部下の森山雅弘とともに、周囲をアッといわせる秘策に出た―。
組織人として働きながら筋を通す物語
テレビドラマ「半沢直樹」の原作小説。
あのドラマの主人公がそのまま硬直した組織を一人で正義を貫くという一本筋の通った男の物語。このような組織の中にいながら正義を貫くために筋を通すということは実社会では様々なしがらみがあり、不可能です。しかし、その姿勢は普段悶々とした気持ちで仕事をしている人が読めば胸がスカッとすること請け合いです。(20代男性)
「阪急電車」

大人の落ち着いた恋愛観
大人としての落ち着いた恋愛観に、読んでいてもゆっくりと時間が流れているような雰囲気があり1人の世界に入り込めましたし、やはりこの大人だからこその恋愛観は非常に共感もしやすくておすすめです。また、切なさを感じられるシーンから胸がときめくようなシーンとのギャップは大変良かったですし、しんみりでき心が落ち着きました。(30代男性)
「ゴールデンスランバー」伊坂幸太郎

衆人環視の中、首相が爆殺された。そして犯人は俺だと報道されている。なぜだ?何が起こっているんだ?俺はやっていない―。首相暗殺の濡れ衣をきせられ、巨大な陰謀に包囲された青年・青柳雅春。暴力も辞さぬ追手集団からの、孤独な必死の逃走。行く手に見え隠れする謎の人物達。運命の鍵を握る古い記憶の断片とビートルズのメロディ。スリル炸裂超弩級エンタテインメント巨編。
ハラハラドキドキなエンタテインメント逃走劇
私の大好きな作品なのですが、ケネディ暗殺事件のオマージュなので、男性が好きそうなイメージです。実際に40代夫も好きでした。ハラハラするエンタイテインメント感もあり、友情物語もあり、親子愛もあり、正義はどうにかる感(正義は勝つと言いたいけど、そこまでうまくいかないところも面白い)もあり、最後まで一気に楽しめます。(40代女性)
「フライ,ダディ,フライ」金城一紀

鈴木一、47歳。いたって平凡なサラリーマン。ただし家族を守るためならスーパーマンになれるはずだった。そう信じていた。あの日が訪れるまでは──。一人娘を不良高校生に傷つけられ、刃物を手に復讐に向かった先で鈴木さんが出会ったのは──ザ・ゾンビーズの面々だった! 脆くも崩れてしまった世界の中ではたして鈴木さんは大切なものを取り戻せるのか。ひと夏の冒険譚がいま始まりを告げる!
平凡サラリーマンの夏休みの宿題
本作品の主人公が40代半ばの1浪・成成明学の経済学部出身の電気メーカー課長という設定に4~50代男性を想起させる点でリアルです。家族は愛する妻と自慢の一人娘。学歴的にもこれ以上の出世は望めなく家族の幸せが自身の幸せという平凡なサラリーマンに自身の幸せが壊される事態が訪れます。自身の幸せを取り戻すために自身の限界を超えるべくサラリーマンのひと夏の成長譚(守る者のために冴えないオッサンが覚醒)がコミカルに描かれています。家族を持つ男性だけでなく最近やるき・気力が減退してきたと思う層にも自己を鼓舞してくれる内容なのでお薦めです。(30代男性)
「ブランド」吉田修一

大人世代だからこそ楽しめる小作品
芥川賞受賞作家である吉田修一が、さまざまな企業の依頼に応じて書いてきた短編小説(一部、エッセイも含みます)をまとめた本となっています。「ブランド」という本のタイトル通り、ブランドにまつわる物語となっており、ブランドの上質さを実感できる大人世代が楽しめる一冊といえます。特に著者の吉田修一と同世代の4~50代の方であれば、出てくる固有名詞を含めて、自分の歩んできた道も振り返りながら、懐かしく読めるのではないかと思います。(50代女性)
「82年生まれ、キム・ジヨン」チョ・ナムジュ

ある日突然、自分の母親や友人の人格が憑依したかのようなキム・ジヨン。誕生から学生時代、受験、就職、結婚、育児…彼女の人生を克明に振り返る中で、女性の人生に立ちはだかるものが浮かびあがる。女性が人生で出会う困難、差別を描き、絶大な共感から社会現象を巻き起こした話題作!
なかなか縮まることのないジェンダー格差のモヤモヤ
今の20代30代に比べ、40代50代の男性はジェンダー差別に対する意識が低い最後の世代。一方で、女性の社会進出は進んでいるものの、あくまでもメインは男性で、女性はそれをフォローする役割といった意識がまだまだ残っている。その結果、男性は今まで通りの働き方を望み、女性側にばかり家事や育児の負担がのしかかっている。女性が悩み苦しんでいるのに、男性はそれが当たり前だと思い、何が問題なのか意識することもないという無意識のバイアスが一番問題であることに目を向け、気づきさせてくれる本。(30代女性)
「夢幻花」東野圭吾

花を愛でながら余生を送っていた老人・秋山周治が殺された。第一発見者の孫娘・梨乃は、祖父の庭から消えた黄色い花の鉢植えが気になり、ブログにアップするとともに、この花が縁で知り合った大学院生・蒼太と真相解明に乗り出す。一方、西荻窪署の刑事・早瀬も、別の思いを胸に事件を追っていた…。宿命を背負った者たちの人間ドラマが展開していく“東野ミステリの真骨頂”。
若い頃のノスタルジーを感じる物語
幻のアサガオを求めて主人公が一生懸命活躍する話です。この物語を読んで強烈に感じたのはノスタルジーです。若い頃が遥か昔になったこの年頃になった際に、自分が若かったら、主人公の立場だったらどうしていたろうと強烈なノスタルジーを感じます。主人公の活躍を若い頃の自分と重ね合わせて読むことができるこの本はとてもオススメできます。(50代男性)
「ズッコケ中年三人組」那須正幹

《あらすじ》
あのズッコケ三人組も28年を経て、不惑の歳を迎えた。さて、ハチベエ、ハカセ、モーちゃんの人生は―。
懐かしい作品の続編
40代から50代の人が、読んでいそうな、児童小説の続編です。
「ズッコケ中年三人組」の原作となった、ズッコケ三人組シリーズは、1978年から発表された児童小説。ズッコケ三人組シリーズは、ブームになりました。私がいた小学校にも、ボロボロになるまで読まれた、ズッコケ三人組シリーズがありました。40代から50代の人も、子供のころに読んだ人や、自身の子供が読んでいたのを記憶している人が、いるのではないでしょうか。
「ズッコケ中年三人組」は、ズッコケ三人組の主人公たちが、中年となったときの物語です。私は、社会人となって、この作品を読んで、懐かしくなりました。私も、小説の登場人物たちも、年を取ったなあと思いました。40代から50代の人も、この作品を読んで、懐かしくなる人が、多いのではないかと思います。(20代男性)