オススメ!芸能人が書いた小説

芸能人が書いた小説といってすぐ思いつくのは芥川賞をとった又吉直樹さんの「火花」ですね。
でももちろん芸能人が書いた小説は「火花」だけではありません。
芸能人が書いたオススメの小説6作品をご紹介します。
「陰日向に咲く」劇団ひとり

<あらすじ>
ホームレスを夢見る会社員。売れないアイドルを一途に応援する青年。合コンで知り合った男に遊ばれる女子大生。老婆に詐欺を働く借金まみれのギャンブラー。場末の舞台に立つお笑いコンビ。彼らの陽のあたらない人生に、時にひとすじの光が差す―。不器用に生きる人々をユーモア溢れる筆致で描き、高い評価を獲得した感動の小説デヴュー作。
哀しくも、おかしな人間模様
日の当たらない、さえない主人公が社会復帰するまでの哀しく、切ない6つのストーリーからなる短編がオムニバス小説なので、飽きが来なくて、サラッと読んでしまいました。それぞれの主人公はどこにでもいるような人間を、劇団ひとりさんの独特な千里眼で、掘り下げて、誰にでもある、人間の弱さや醜さを表現されていて面白い作品です。(50代男性)
人生捨てたもんじゃない
題名のとおり、なかなか日のあたらない人生を生きる人たちを描いた短編集。それぞれの話自体面白いのですが、実は全てが少しずつ関わっているところに作者のうまさを感じます。芸能人が書いたということを差し引く必要もなく楽しめる作品です。登場人物に向ける作者の目線の温かさに作者の人となりを感じます。文章が歯切れよく、すいすい読み進められる点もおすすめです。(50代男性)
人生につまずいたときに読む活力本
人生につまずいたときに読むと勇気がもらえる作品です。社会人を10年近くやってきた私は、職場の人間関係に翻弄され、うつ病を発症し、休職してしまいました。何かやる気力もなくなったときにこの作品に出会いました。
この作品に登場する、陽に当たらない落ちこぼれな6人が色々翻弄されながらも社会復帰をしていく姿に、勇気と元気をもらいました。この作品を読み終わったら、生活に対する活力が自然と戻ってきました。それから部署内異動して、無事に復職を果たしましたが、この作品に出会えなかったら退職していたかもしれません。感謝で一杯です。(30代男性)
「解夏」さだまさし

<あらすじ>
ホームレスを夢見る会社員。売れないアイドルを一途に応援する青年。合コンで知り合った男に遊ばれる女子大生。老婆に詐欺を働く借金まみれのギャンブラー。場末の舞台に立つお笑いコンビ。彼らの陽のあたらない人生に、時にひとすじの光が差す―。不器用に生きる人々をユーモア溢れる筆致で描き、高い評価を獲得した感動の小説デヴュー作。
涙腺崩壊、悲しくも優しい物語
「解夏」とは仏教僧が修行を乗り越え悟りを開くことを指す言葉だそうです。主人公はべーチェット病により失明の危機にあり、失明への恐怖におおびえます。故郷の景色を脳裏に焼き付けるため故郷を歩きます。彼を支える恋人の気持ち。その恋人の将来を思いやる主人公。彼を取り巻く周囲の人のやさしさに涙します。そして彼に訪れる「解夏」の瞬間、涙なしでは読めない一冊です。(40代女性)
人生の葛藤と解放の物語
短編小説集の中の表題作。
泣きました。
病によって徐々に視力を失っていく主人公。
自分ならその時どうするかな…。
そしてその恋人の立場なら…。
現実を受け入れながら、相手の立場を思いやる。
難しいです。
そして周りの人の優しさが身に染みました。
今見えている物、景気。そしてそばにいてくれる人達。
なに気ない日常を大切にしようと思わせてくれる作品です。(40代女性)
「ピンクとグレー」加藤シゲアキ

<あらすじ>
大阪から横浜へ越してきた小学生の大貴は、マンションで同い年の真吾と出会う。性格は全く違う2人だったが惹かれあい、親友に。やがて高校生になった2人は、雑誌の読者モデルをきっかけに芸能活動をスタート。同居も始めるが、真吾だけがスターダムを駆け上がっていくことで2人の仲は決裂してしまうが…。ステージという世界の魔法、幻想に魅入られた幼なじみの2人の青年の愛と孤独を鮮やかに描いた、切ない青春小説。
二人の青年がかけ進んできた思い
まず目次の各章に注目してみてください。年齢ごとに設定されたタイトルの付け方がオシャレなんです。大阪から初めてやってきた新しい土地でのワクワク感とそこで知り合った友達との出会い小学生から青年への生き方の描写が真っ直ぐわかりやすくスラスラと読めます。いろいろな経験と二人の青年の感情表現に入り込み、切ないストーリーが最後涙なしでは終われません。芸能界にいる彼だからこそピンクとグレーという仕上がった作品になっています。(40代女性)
心理描写が巧みな作品
同じ年齢の2人の男性に視点を当て、現在と過去を作品の中で行き来するスタイルを取り、関係性の変化を仔細に綴っているため、他人事と言うよりもまるで自分の身に起こったかのような生々しさと鮮やかさで訴えかけられた感覚がありました。見事なまでの心理描写が痛々しくも普遍的で共感せざるを得ない部分があり、没入して一気読み必至です。(20代女性)
「トラペジウム」高山一実(元乃木坂46)

《あらすじ》
高校1年生の東ゆうは「絶対にアイドルになる」ため、己に4箇条を課して高校生活を送るが――。
現役トップアイドルが、アイドルを目指すある女の子の10年間を描いた感動の青春小説!
アイドルという夢をつかむために奮闘する女子高生たちの友情物語
現役アイドルが小説を書く、しかもそのテーマは「アイドルを目指す女子高生」
最初はアイドル活動の傍らで片手間に書いた「なんちゃって小説」かと変な先入観を持って読み始めましたが、なかなかどうしてしっかり書けていて引き込まれる作品です。特に主人公の女子高生ゆうが脇目も振らずただひたすらアイドルになるという夢をつかもうと努力する姿は妙なリアリティをもって伝わってきます。やはり作者が現場にいて自らの体験としてアイドルをやっているからこその説得力だと言えます。
また、東西南北の少女たちが力を合わせながらアイドルを目指すというのは、高山さんの出身地である千葉を舞台にした「南総里見八犬伝」をうっすらとモチーフにしているようで、その点に気づくと物語をより重層的に楽しむことができます。(40代男性)
「青天の霹靂」劇団ひとり

<あらすじ>
学歴もなければ、金もなく、恋人もいない三十五歳の晴夫。一流マジシャンを目指したはずが、十七年間場末のマジックバーから抜け出すことができない。そんなある日、テレビ番組のオーディションではじめて将来への希望を抱く。だが、警察からの思いもかけない電話で、晴夫の運命が、突如、大きく舵を切る―。人生の奇跡を瑞々しく描く長編小説。
家族の愛を感じられる物語
大ヒットを記録した「陰日向に咲く」に次ぐ、劇団ひとりさんの2作目の小説。すでに大泉洋さん主演で映画化もされています。
良い意味でサクッと読みやすいので、活字に慣れていない人でも無理なく楽しめそうな作品です。また、作品を通して感じられる家族愛にホッコリとした気持ちになれたところも良かったです。自分がダメダメだと色々なことが嫌になりますが、それでも両親が望んでくれたから自分が生まれてきた。そのことを改めて感じ、精一杯頑張って生きていきたい。そんな前向きな気持ちになれました。(30代女性)
「MOON CHILD【鎮魂歌】レクイエム篇」Gackt

<あらすじ>
映画「MOON CHILD」のもうひとつの物語―。失われたものへの、哀しみの連鎖。「MOON」の長い物語には、残酷ゆえに美しい思い出がちりばめられている。音楽・映画では語られていない、「MOON」の断片がまたひとつここに生まれ落ちた―。残酷なほど哀しい、だからこそ美しい…。
近未来のアジアを舞台にした悲しき絆の物語
Gacktさんが原案・主演を務めた映画『MOON CHILD』の続編的小説となっており、近未来のアジアにある移民の町・マレッパを舞台に様々な国籍や境遇を持つ人間たちの友情や絆を描いた小説となっております。Gacktさんは昨今ではバラエティ番組での体育会系なイメージが強いですが、この小説には彼の一番の魅力であった耽美な魅力が文章から伝わってきます。バラエティやYoutubeでGacktさんに興味を持った方はぜひ読んでほしい小説です。(30代男性)