大人が読んでも楽しめる傑作ライトノベル13選

2022年4月19日

大人が読んでも面白いライトノベル

大人にこそ読んで欲しい。大人が読んでも面白いと思うライトノベルを集めてみました。
子供向けというイメージが強いライトノベルですが、細やかで緻密な設定、単純な勧善懲悪ではないストーリーなど、読ませる小説も多いです。いままでライトノベルを読んだことがない人も手に取ってみてはいかがでしょうか?

キノの旅 the Beautiful World

作者:時雨沢恵一

キノの旅 the Beautiful World

<あらすじ>
「キノはどうして旅を続けているの?」 「ボクはね、たまに自分がどうしようもない、愚かで矮小な奴ではないか? ものすごく汚い人間ではないか? なぜだかよく分からないけど、そう感じる時があるんだ……

《あらすじ》を見る

人間や世界の本質や矛盾を知る旅

この作品は基本的に、10代のキノという若者と言葉を話せる二輪車(このライトノベルではモトラドと呼ぶ)のエルメスが世界中の国を巡り、旅するお話です。
まず、お話は一話完結のかたちで進んでいくため、短い時間で読めることができます。また、旅の中で出会う人々の描写にとても考えさせる部分が多く、大人でも十分に楽しめます。個人的には人間の本質というものを良くも悪くも丁寧に魅せている作品です。(20代女性)

ビブリア古書堂の事件手帖 ~栞子さんと奇妙な客人たち~

作者:三上延

ビブリア古書堂の事件手帖 ~栞子さんと奇妙な客人たち~

<あらすじ>
鎌倉の片隅でひっそりと営業をしている古本屋「ビブリア古書堂」。そこの店主は古本屋のイメージに合わない若くきれいな女性だ。残念なのは、初対面の人間とは口もきけない人見知り。接客業を営む者として心配になる女性だった。だが、古書の知識は並大低ではない。人に対してと真逆に、本には人一倍の情熱を燃やす彼女のもとには、いわくつきの古書が持ち込まれることも、彼女は古書にまつわる謎と秘密を、まるで見てきたかのように解き明かしていく。これは“古書と秘密”の物語。

古書を取り巻く事件と人間模様

物語の舞台が古書店ということもあり、落ち着いた雰囲気で読み進めることができます。
物語は古書にまつわるミステリーですが、取り上げている古書自体の内容に触れるものも多く、実際に読んでみたくなる工夫がされています。それぞれの物語に登場する人物の背景に思いを巡らせながら読むことで、大人でも満足できるものとなっています。(30代女性)

化物語

作者:西尾維新

化物語

大人気<物語>シリーズ第一作、電子版オリジナル3分冊で登場!阿良々木暦を目がけて空から降ってきた女の子・戦場ヶ原ひたぎには、およそ体重と呼べるようなものが、全くと言っていいほど、なかった――!?青春に、おかしなことはつきものだ!

独特な世界観で繰り広げられる新感覚物語

物語シリーズは、たくさんのシリーズがあってシリーズを通して主人公の阿良々木暦の高校3年生の1年を描いていて、阿良々木暦を中心に怪異と呼ばれるものとかかわりのある者(主に少女)たちが活躍します。主人公の性格がとてもよく感情移入しやすいです。
さらにアニメ化や映画化もしているので、そちらで見るのもおすすめです。
出てくるキャラたちの独特なセリフ回しや他作品のパロディーが面白くて大人でも引き込まれること間違いないなしですよ!
シリーズということもあっていくつもの物語が存在します。見る順番は無難に発売順がおすすめです。(20代男性)

「化物語」の関連テーマ

ゲート 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり

作者:柳内たくみ

ゲート 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり

<あらすじ>
二〇××年、突如として東京銀座に「異世界への門」が開かれた。その中から侵攻してきたのは「異世界」の軍勢や怪異達。陸上自衛隊はこれを撃退し、門の向こう側『特地』へと足を踏み入れる。およそ自衛官らしくないオタク自衛官、伊丹耀司二等陸尉(33)は、部下を率いて『特地』にある村落を偵察することに―そこには金髪エルフやゴスロリ神官など、夢にまで見た美少女達の姿が!?

異世界物だけどリアルな描写

作者の方が元自衛官という事もあり、作中に登場する自衛隊内での様々な描写が細かく描かれていて、リアリティーがあります。異世界での利権をめぐり様々な国が思惑を巡らす所が幾つかあって、異世界物のライトノベルの中では割と硬派なジャンルになると思います。
異世界物なので魔法やエルフ族の登場と言ったお馴染みの描写がありますが、ミリタリー要素がかなり強く、普段ライトノベルを読まない方にもお勧めできる物語です。(40代男性)

ロードス島戦記 灰色の魔女

作者:水野良

ロードス島戦記 灰色の魔女

<あらすじ>
“呪われた島ロードス”。魔神との戦いから30年、平和を取り戻し、その傷が癒えつつあるこの島に再び戦火の兆しが。ロードスの未来を憂い、武者修行の旅に出たパーンは、エルフのディードリット、魔術師スレインら仲間と共に試練に立ち向かっていく。そして戦争を操る謎の魔女の存在を知るのだが、それは大いなる運命の始まりに過ぎなかった―。

「ロードス島」を舞台にした英雄たちの物語

呪われた島「ロードス」では、魔物の襲来や絶え間ない戦乱が人々に暗い影を落としています。辺境の村に住むパーンという若者が旅に出るところから物語が始まります。
神官、エルフ、魔術師、盗賊といった個性豊かな仲間たちや「英雄」とされる偉大な人物と出会い、大きな歴史の流れの渦に巻き込まれていきます。無謀だったパーンの成長が見所の一つです。そして、「正義」対「悪」といった勧善懲悪ではない深みのある物語が、ファンタジー小説を多数読んできた大人の読者も惹きつけます。(30代女性)

ブギーポップは笑わない

作者:上遠野浩平

ブギーポップは笑わない

<あらすじ>
君には夢があるかい?残念ながら、ぼくにはそんなものはない。でもこの物語に出てくる少年少女達は、みんなそれなりに願いを持って、それが叶えられずウジウジしたり、あるいは完全に開き直って目標に突き進んだり、また自分の望みというのがなんなのかわからなかったり、叶うはずのない願いと知っていたり、その姿勢の無意識の前向きさで知らずに他人に勇気を与えたりしている。 これはバラバラな話だ。かなり不気味で、少し悲しい話だ。――え? ぼくかい? ぼくの名は"ブギーポップ"――。

ファンタジーの中のリアル

世界が異変にさらされた時、1人の少女がブギーポップ(不気味な泡)という人格に代わり、世界の敵と戦う物語です。
シリーズは20冊以上あり、ブギーポップの存在を軸に主人公や関わる人たちの沢山の視点から物語が展開していくので基本的に物語自体を読まない自分でも飽きずに多くのシリーズを楽しめました。キャラクターも多く登場し、その誰もがカッコよさ、美しさや自分の信念、生き様を持っているのが魅力的です。
反面、凡庸であり誰もが当たり前にもつ悩みなどをもつキャラクターもいて、その言葉や性格に対しての共感もできて「普通の人」でも個性があり、それをとても魅力的に表現していると感じました。挿絵も小説の世界観にとてもあっていると思います。
発売されたのが1998年と大分前の小説ですが、キャラクターも絵も台詞も戦闘の描写もとても素晴らしい作品です。(30代女性)

魔術士オーフェンはぐれ旅

作者:秋田禎信

魔術士オーフェンはぐれ旅

<あらすじ>
モグリの金貸しにして魔術士であるオーフェンは、債務者ボルカンの提案した結婚詐欺のために名家を訪れる。そこで偶然出会ったドラゴンこそ、彼の追い求める義姉・アザリーが魔法で変化した姿だった。(『我が呼び声に応えよ獣』)。成り行きから宿屋の息子であるマジク、名家の娘クリーオウと共に旅に出たオーフェンは、白い影に襲われる。それはかつて天人種族によって魔術士殺しのために作られた殺人人形だった。(『我が命にしたがえ機械』)。

魔術士オーフェンの世界をめぐる旅

モグリの金貸しである魔術士オーフェンは、禁忌の術に触れて怪物と化した義姉を探しています。個性豊かな仲間たちとともに、かつて世界を支配した種族の遺跡や教会の総本山など、大陸を旅します。オーフェンの体術や魔術の使い方がかっこよくて、大人でもワクワクさせられます。ライトノベルらしく、勢いのあるキャラのやり取りは面白いですが、世界観が深く、勧善懲悪の単純な物語ではありません。(30代女性)

バッカーノ!

作者:成田良悟

バッカーノ!

<あらすじ>
禁酒法時代、ニューヨーク。裏組織“カモッラ”は重要な儀式を数日後に控えていた。泥棒カップルはグランド・セントラル・ステーションに着いたばかりだった。マフィアの三兄弟はちょっとした問題を抱えていた。チンピラの少年は思い通りにならない現実にムカついていた。職務に忠実な警部補はそんな彼らを疎ましく思っていた。そして、錬金術師の野望は200年を経て、未だついえる事はなかった。彼らはまだ互いに関わりの無い者同士であった。このマンハッタンに“不死の酒”が蘇るまでは――

不死の酒を巡る馬鹿騒ぎ(バッカーノ)がはじまる!

不老不死になれる酒を巡る、多人数入り乱れての群像劇となっています。物語はそれぞれの年に起こったエピソード毎に発行され、どの巻を読んでも楽しめるようになっており、その軽快さの裏にあるダークな話を含めて、大人も楽しめるものと言えるでしょう。
いわゆる主人公というものはあまりおらず、自分の気に入ったキャラクターを追うことを意識すると、より楽しめるかもしれません。(30代男性)

刀語

作者:西尾維新

刀語

<あらすじ>
伝説の刀鍛冶・四季崎記紀(しきざききき)がその人生を賭けて鍛えた12本の“刀”を求め、無刀の剣士・鑢七花(やすりしちか)と美貌の奇策士とがめが征く!
刀語、第1話の対戦相手は真庭忍軍十二頭領が1人、真庭蝙蝠(まにわこうもり)!

無骨な男が『ひとりの人間』になる話

まず十二巻完結で、一冊も大した分厚さではないのが『手に取りやすい』という点からおすすめすることができます。作者の西尾氏のライトノベルはこの世に沢山ありますが、シリーズとしてかなり長編なものが多いため勧めにくいものも多い中、刀語は一巻一巻でストーリーが取り敢えずまとまっているところなどとてもよいと思います。また、主人公及びヒロインの『目標』も極めて明解であり、物語の進み方が常に分かり易く読み易い作品です。敵味方問わずどのキャラクターもとても魅力的なのも、西尾作品ならではであると思います。(20代女性)

彩雲国物語

作者:雪乃紗衣

彩雲国物語

<あらすじ>
貧乏お嬢様の新しいお仕事は、王様の教育係!?

世渡り下手の父のせいで彩雲国屈指の名門ながら、どん底に貧乏な紅家のお嬢様・秀麗。彼女に与えられた大仕事は、貴妃となってダメ王様を再教育することだった……少女小説の金字塔登場!

頑張る女子の国家運営物語

彩雲国物語シリーズは、文庫の巻数でいえば外伝含み全24巻という大作です。
でも、面白くて、どんどん読めてしまうので、そんな大作だとは感じないと思います。
中華風の世界設定の彩雲国を舞台に、主人公の紅秀麗が、女性には門戸が開かれていなかった中で官吏を目指し、やがて国を揺るがす大きな出来事に関わるほどの存在になっていくという物語です。

大人でも面白く読めるポイントは、何といっても、主人公の紅秀麗が、周囲の男性に頼ることなく、自らの手で運命を切り開いていくところでしょう。
自立心があり、でも決して頑なではなく柔軟な心も持っている女の子って、大人はそれだけで「頑張れ!」と応援したくなる存在です。
また初めはただの主人公の成長物語だったものが、シリーズが進むにつれ、国を背負うことの重さというものもテーマとして表れるようになってきて、そういうところも、キレイごとだけでは済まない世界に生きている大人が共感できるポイントかなと思います。(50代女性)

「彩雲国物語」の関連テーマ

辺境の老騎士

作者:支援BIS

辺境の老騎士

<あらすじ>
この旅に目的地はない。旅の空で死ぬための道行きなのだ。長年仕えた領主の家に引退を願い出、老騎士・バルドは旅に出た。この世を去る日も遠くないと悟り、珍しい風景と食べ物を味わうために。相棒は長年連れ添った馬一頭の気ままな旅。彼は知らない。それが新たな冒険の幕開けとなることを。

引退騎士の死に場所を求める旅物語

老年になり引退した騎士の旅物語です。
愛馬と共に死に場所を探す旅路、騎士剣としては不格好な鉈剣を手に入れ、数々の騒動に巻き込まれます。老人が若者の才を評価し、熟練の技を持って気概を見せる姿、導き手として成長を見守る姿が魅力的です。老人主人公が故の良さ、自然さが味わえる作品です。(30代男性)

砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない

作者:桜庭一樹

砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない

<あらすじ>
その日、兄とあたしは、必死に山を登っていた。見つけたくない「あるもの」を見つけてしまうために。あたし=中学生の山田なぎさは、子供という境遇に絶望し、一刻も早く社会に出て、お金という“実弾”を手にするべく、自衛官を志望していた。

《あらすじ》を見る

少女に魅せられる痛切な青春小説

映画化作品なども手掛けている作者の青春ライトノベル。
寂れた地方の山間に住む主人公である中学生の少女・山田なぎさと、東京から転校してきた’’へん’’な美少女・海野藻屑との関係性や、彼女らを取り巻く環境……なぎさの兄であり好事家の引きこもり・友彦、一世を風靡したエキセントリックな歌手・海野雅愛の不破に引きこまれます。
少女の青春の痛みや切なさが繊細に、そしてグロテスクに描かれていて何度でも読み返したくなる一冊です。(20代女性)

居酒屋ぼったくり

作者:秋川滝美

居酒屋ぼったくり

<あらすじ>
東京下町にひっそりとある、居酒屋「ぼったくり」。名に似合わずお得なその店には、旨い酒と美味しい料理、そして今時珍しい義理人情がある―旨いものと人々のふれあいを描いた短編連作小説、待望の書籍化!全国の銘酒情報、簡単なつまみの作り方も満載!

心もお腹も満たされる物語

主役が大人の女性で、登場人物の年齢層がやや高めなところ。主人公が商いをしている「ぼったくり」という居酒屋で、毎回たくさんの料理が出てくるのですが、どれも本当に美味しそうだし、全体的にほんわかしたストーリーなので、読んでいて全く疲れません。たくさんの美味しそうな料理が出てくるので、自分でも作ってみたいと思える料理が出てきたり、こんな料理があるんだ!という新発見もあったりします。(40代女性)