海が舞台のおすすめ小説10選

2022年7月10日

海が舞台の小説

海が舞台となっている小説を集めました。海での青春恋愛物語から、海での探検、巨大海洋生物との戦いまで、さまざまな海の物語たちです。海の美しさと、そして海の怖さも分かる、海がテーマの小説10作品をご紹介。

「カフーを待ちわびて」原田マハ

カフーを待ちわびて
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夏の風景の中で時を超えた縁結びの物語

沖縄が舞台の作品なので「海」というとこの小説が思い浮かびます。太陽の暑さ、葉っぱの鮮やかな緑、透き通る海など、読んでいると沖縄の自然の情景が文章から浮かんできます。そんな自然の風景の中で繰り広げられる主人公と相手の恋愛を応援したくなりました。読み終わったあとは暖かい気持ちでした。タイトルの「カフー」は沖縄の方言で「果報」を意味します。「しあわせ」とは何か考えることができる作品でした。(30代女性)

「海とジイ」藤岡陽子

海とジイ

人間味の強い心温まる瀬戸内物語

オムニバス形式の小説ですが、瀬戸内の海が舞台となっている小説で、読んでいるだけでその瀬戸内の景色がイメージとして浮かんでくるほどの雰囲気を感じられます。また、非常に人間味の強い物語ばかりなのでとても共感しやすいですし、優しさや人間の温かさも感じられる作品なので、読み終わると非常に穏やかな気持ちになれおすすめです。(30代男性)

「海の底」有川浩

海の底
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謎の深海生物の攻撃と人間らの攻防

横須賀基地に停泊している潜水艦を中心に、突然海の底から現れた大きな甲殻類が人々を襲い食べられて行くシーンがリアルに描かれていて、結構ハードな展開に引き込まれました。と同時に、そんな事態に遭遇してしまい逃げ込んだ潜水艦内での人々の心情も丁寧に描かれていたり、政府や社会とのやり取りなども臨場感を持って読めとても面白かったです。(50代女性)

「弘海 息子が海に還る朝」市川拓司

弘海 息子が海に還る朝
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哀しさと嬉しさが混ざる涙が流れる家族と友情のお話

泣けます。『いま、会いにゆきます。』の著者・市川拓司さんの作品で、彼の作品独特の、現実と非現実の間の心地よい曖昧さで描かれています。
ごく普通に過ごしていると思っていた家族に少しずつ「普通じゃない」変化が起きていて、静かにじわじわと哀しさだったり、でも、少年・弘海の心強さと言うかたのもしさというものを感じました。個人的には、小学生同士の友情にめちゃくちゃに泣きました。(30代女性)

「東京湾 海中高校」青柳碧人

東京湾 海中高校
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近未来SF舞台の青春小説

小説の舞台は近未来、海流発電を利用した海中都市です。主人公の夏波は海の中で生まれ育ちました。読む前は設定がなかなか難しいなという印象を受けましたがすんなりと入り込むことが出来ました。また、夏波のあらすじの時点で消滅することが確定している海中都市に対する思いや恋心、友情といった感情もみずみずしく書き切られており、とても爽やかな読後感でした。(20代女性)

「つるかめ助産院」小川糸

つるかめ助産院
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島ならではの暮らしぶりに心が安らぐ

島ならではの穏やかな気候と雄大な自然、そしてそこには燦然とした光を反射して輝く海が存在しており、島住人との暮らしぶりの心地良さをより実感できる最高の環境にほかなりません。また、「手当て」の効果にハッとさせられたのも良い記憶として残っています。さするだけの行為が、人を安心させることを今まですっかり忘れていたのかもしれません。(20代女性)

「太陽の季節」石原慎太郎

太陽の季節

みんな元気があって、よかった

終戦からたった十年。こうまで変わるものなのかと思った。というより、戦中、戦後を知らない人間からすれば、はっきり言ってこの作品の持つ比重がわからない。誰もがこの主人公のような生活をしていたわけではない、というのは何となく想像できるが、にしても、ナチュラルに浮ついている。 朝鮮戦争の特需が背景にあったとはいえ、たった十年。驚いた。 父性の欠落。属する時代、地域、言語、社会によらず、暴力と憎悪を生み出す欠陥をテーマに注目するつもりが、ただただ描かれる彼らの生活に強く興味を持った。 ロマンな背伸びであれ、驚き。(20代男性)

「海底二万里」ジュール・ヴェルヌ

海底二万里
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海という未知への、神秘と恐怖。

潜水艦や潜水服などの、SF的な海の要素に加えて、大タコやサンゴ礁といった、海の神秘にまで触れている名作です。
この作品が書かれた時代の人たちの、海へのイメージや、神秘的なこと、恐ろしいことを感じられる作品だと思います。この作品が書かれたのは、1870年です。まだ、テレビもカラー写真もない時代です。文章や言葉でのみ伝えられる海は、ほとんどの人たちにとって、未知の世界でした。
1870年の人たちにとって、海の中は、現代の人たち以上に、神秘や恐怖にあふれた世界だったでしょう。「海底二万里」は、1870年の海の神秘、恐怖が感じられる名作です。(20代男性)

世界中の海を旅する海洋ロマン。

潜水艦で海に潜って大冒険を行うものです。海の中を広くあちこち巡るもので、氷だらけの海を行くこともあります。その時には、エアーの補給に浮上したくとも氷が厚くてそれが叶わないという危機敵状況もありました。基本は美しい海をいきいきと過ごす生物達を観察しますが、その中に冒険ならではのスリルがあるのも魅力となっていました。(30代男性)

「白鯨」メルヴィル

白鯨

《あらすじ》
イシュメールは捕鯨船ピークォード号に乗り組んだ。船長エイハブの片脚を奪った巨大な白いマッコウクジラ“モービィ・ディック”への復讐を胸に、様々な人種で構成された乗組員たちの、壮絶な航海が始まる!

海に住まう巨大な白い鯨に挑む壮大なスケールの物語

捕鯨船ピークォード号に乗り込んだ海の男イシュメールは、船長であるキャプテン・エイハブが追っている巨大な白い鯨との戦いを余儀なくされます。
この白い鯨、通称モービィ・ディックはエイハブの復讐相手なので、船内は鯨を追って緊迫感あふれる空気が漂うのですが、読み手にまで伝わるようなプレッシャーに気づけば夢中になって読んでいました。
とても長い小説ですが、海という地上とは違う環境で起きる息をもつかせぬ展開の連続なのでグイグイと、この小説の世界観に引き込まれてしまいました。(40代女性)

「老人と海」アーネスト・ヘミングウェイ

老人と海

《あらすじ》
数カ月続く不漁のために周囲から同情の視線を向けられながら、独りで舟を出し、獲物がかかるのを待つ老サンチャゴ。やがて巨大なカジキが仕掛けに食らいつき、三日にわたる壮絶な闘いが始まる…。決して屈服しない男の力強い姿と哀愁を描く、ヘミングウェイ文学の最高傑作。

老人とカジキによる、3日間にわたる孤独な戦い

かつては腕利きの漁師だったサンチャゴ。年老いた今は不漁が続き、漁師仲間に小馬鹿にされながら生活している。
唯一自分を慕ってくれる少年マノーリンも、両親の言いつけによってサンチャゴと漁に出ることを止められており、今は他の親方の船に乗っている。
そんな中でも諦めず毎日海に出続けたサンチャゴ。不漁続きで迎えた85日目、彼の目の前に巨大なカジキが現れる─。

だだっ広い海の上で頼れるのは己のみ。わずかな食糧と粗末な装備でカジキに挑むサンチャゴの並々ならぬ熱意。圧倒的な孤独の中で、カジキに心の中で語りかけリスペクトの念を抱くその姿。
己の美学をとことん追求する、狂気にも似たその姿勢に圧倒されました。この3日間にサンチャゴの人生の哲学が詰まっていると感じました。(30代女性)

夢を追うことの美しさと、運命の無常さを感じる物語

舞台はキューバ。ひとりの年老いた漁師は84日間も何も取ることができず、他の漁師達からは馬鹿にされていました。
唯一、彼を慕っている少年も「あんな奴と一緒にいるとお前まで不漁になってしまう」と周囲に言われ、共に漁に出ることはなくなってしまいます。

それでも年老いた漁師はひとりで漁に行き、そこで大魚と対峙します。大魚を仕留めた後も苦難が続き、生きるか死ぬかを問われる場面が何度も訪れます。
人間に対する海の残酷さと自分のアイデンティティを模索する老漁師の姿に胸が熱くなる作品です。(30代女性)