世界の文学を味わう!海外名作文学小説11選

2023年6月3日

おすすめ!海外名作文学

古典的名作から、若い人でも読みやすいものまで、海外の読んで面白い名作文学小説を集めてみました。
1度は読んでみたいドストエフスキー。しかし長いので途中で挫折してしまうこともしばしば。
最近は新訳なども出て、比較的読みやすくなったものもあるようですので、いつかは読破したいものです。
時間のあるときにゆったりと海外文学に浸ってみるのはどうでしょうか。いままでにない新しい知見に出会えるかもしれません。読んで面白い名作文学小説11作品をご紹介します。

グレート・ギャツビー

作者:スコット・フィッツジェラルド

グレート・ギャツビー
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忘れられない友人の話

ストーリーも起承転結通してテンポよく進むので、最後まで読みやすい作品で、登場人物に対する考察も楽しめる作品です。
タイトルにもなっているギャッツビーというキャラクターに関しては、語り手に信頼を寄せたギャッツビーは友人を見る目はあったんだなぁと、成功者たる所以かなぁという印象を持ちました。
また、出自の秘密からくるコンプレックスを原動力に着実に成功していくところや、意中の女性を手に入れるため脇目も振らないまっすぐさに、まるでトップアスリート並みの強い意志を見てとれる時もありますが、見え隠れする狂気さもなかなか、ハラハラとさせられます。

読んだその時の心境や人生経験によっては、各キャラクターに対する評価やストーリー・結末に対して感じることは変わってくるので、以前と違う感想が沸くことで自分自身の中に何か発見できる面白さもあり、定期的に読み返したくなる作品です。(30代女性)

人形の家

作者:イプセン

人形の家
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女性の解放、ないし、人間精神の革命について

一見、自由奔放に暮らす妻と、その妻を束縛したり甘やかしたりしてタイトル通り人形のように扱う旦那の物語で、最初のうちはよくある古典的な古くさい戯曲だなと読みすすめていましたが、終盤で状況が一変。ネタバレになるので言えませんが起承転結の転の部分で物語がかなりスリリングになり、どうなってしまうのかハラハラしてしまいました。
そして最後に込められたメッセージと演出があまりにも神々しく、精神の革命をテーマにしたもので、一生忘れられません。(30代男性)

「人形の家」の関連テーマ

カラマーゾフの兄弟

作者:ドストエフスキー

カラマーゾフの兄弟

<あらすじ>
父親フョードル・カラマーゾフは、圧倒的に粗野で精力的、好色きわまりない男だ。ミーチャ、イワン、アリョーシャの3人兄弟が家に戻り、その父親とともに妖艶な美人をめぐって繰り広げる葛藤。アリョーシャは、慈愛あふれるゾシマ長老に救いを求めるが……。

人間がどう生きるべきかを指南

実際の時系列よりも長いそれだけに濃密な作品です。何が濃密かといえば人間描写です。作者のドストエフスキーは一体どこまで人間を深く洞察しているのと思わせずにおきません。
ドストエフスキーは人間というものはこういうものなんだなと教えてくれます。世の中にはいろいろな人がいます。人間関係で嫌になることもあります。この小説を読んで人間理解を深めると、不思議とそうした悩みが超越できます。(30代男性)

モモ

作者:ミヒャエル・エンデ

モモ

<あらすじ>
時間どろぼうと,ぬすまれた時間を人間にとりかえしてくれた女の子モモのふしぎな物語.人間本来の生き方を忘れてしまっている現代の人々に〈時間〉の真の意味を問う,エンデの名作.

時間に追われる現代人こそ思い出すべき真理

モモは廃墟に1人で暮らしている女の子。見た目は決して清潔な格好ではないけど、不思議な「人の話を聞く力」を持っています。街の人たちはモモと話すと心がクリアになったり、前向きになったりするのでモモのことが大好きになっていきます。
そんなある日、怪しげな灰色の男が現れ、街の人たちはどんどん時間を奪われていきます。大切な友達の生活が狂わされていく様を見て、モモは灰色の男たちから街を救おうとします。
灰色の男の正体とは?モモはどうやってみんなを救うのか?タイパやコスパばかりが重視される今の時代だからこそ読みたい、不朽の名作です。(30代女性)

「モモ」の関連テーマ

ライ麦畑でつかまえて

作者:J.D.サリンジャー

ライ麦畑でつかまえて

<あらすじ>
インチキ野郎は大嫌い! おとなの儀礼的な処世術やまやかしに反発し、虚栄と悪の華に飾られた巨大な人工都市ニューヨークの街を、たったひとりでさまよいつづける16歳の少年の目に映じたものは何か? 病める高度文明社会への辛辣な批判を秘めて若い世代の共感を呼ぶ永遠のベストセラー。

少年の青春時代の揺らぎ

出来事としては、小さなことを描いているにもかかわらず、ホールデンのユニークな語りにぐいぐい引き込まれ、読むものを飽きさせません。
彼は、心の底では真実を愛しながら、日常生活ではつい嘘をついてしまう自分を、きちんとわかっています。そんな自分をばかだなあと思いながらも、からっと認める素直さも持っています。
扱っているテーマのわりに、この作品がドロドロしておらず、むしろ全体の空気感が透明で軽やかなのは、まちがいなく、ホールデンのキャラクターが持つ力のおかげです。(20代男性)

白鯨

作者:メルヴィル

白鯨

<あらすじ>
イシュメールは捕鯨船ピークォード号に乗り組んだ。船長エイハブの片脚を奪った巨大な白いマッコウクジラ“モービィ・ディック”への復讐を胸に、様々な人種で構成された乗組員たちの、壮絶な航海が始まる!

復讐に人生を捧げた男の奮闘記

モビィ・ディックと呼ばれるマッコウクジラに片足を食いちぎられた船長・エイハブが、何年もかけて復讐を果たすために追いかけ回す姿がとても狂気じみています。
何故彼がそこまでモビィ・ディックに執着するのか、何人もの乗組員達の命を犠牲にしてまで得たいものとは何なのか、普通の感覚で読んでいると理解しがたいです。
それでも復讐の果てにあるものが気になり、結末を早く知りたくて一気に読みたくなる作品です。(40代女性)

車輪の下

作者:ヘルマン・ヘッセ

車輪の下

<あらすじ>
周囲の期待を一身に背負い猛勉強の末、神学校に合格したハンス。しかし、厳しい学校生活になじめず、次第に学業からも落ちこぼれていく。そして、友人のハイルナーが退校させられると、とうとうハンスは神経を病んでしまうのだった。療養のため故郷に戻り、そこで機械工として新たな人生を始めるが……。地方出身の優等生が、思春期の孤独と苦しみの果てに破滅へと至る姿を描いたヘッセの自伝的物語。

神童と呼ばれた少年が転落していく物語

田舎町で周囲からの期待を一身に背負った優秀な少年が次第に落ちぶれていく様子を描いた衝撃作です。
プレッシャーにさらされながらも期待外れの存在になってしまうことの恐怖と苦しみは現代でも共感しやすい内容です。この作品のラストはそんな絶望を徹底的にドライに描き切った忘れられない読後感をもたらすことでしょう。(20代女性)

老人と海

作者:ヘミングウエイ

老人と海

<あらすじ>
初訳から60年、まったく新しい「老人」の誕生! 数カ月続く不漁のため周囲から同情の視線を向けられながらも、独りで舟を出し、獲物を待つ老サンチャゴ。やがて巨大なカジキが仕掛けに食らいつき、3日にわたる壮絶な闘いが始まる……。原文を仔細に検討することによって、従来の活劇調の翻訳とは違う「老人」像が浮かび上がる! 決して屈服しない男の力強い姿と哀愁を描いたヘミングウェイ文学の最高傑作。

老いることをに真正面から表現しようとした名作

人間は誰でも歳を重ねて老いていきます。それがどういうことなのかを、比喩的に表現しているところが素晴らしいです。
ストーリーは確かに至ってシンプルです。大きな魚を釣れたのにそれをサメに奪われてしまう老人が描かれています。若い頃というのは有り余る力で何でも成し遂げることができます。その象徴としてカジキを釣り上げました。
しかしサメは、人間の寿命を意味しております。決められた寿命からは逃げることができないのです。その悲哀というか、明らかに見るというか、そういうことを深く示唆している名作です。(60代男性)

「老人と海」の関連テーマ

ハムレット

作者:シェイクスピア

ハムレット

<あらすじ>
「生か死か、問題はそれだ」デンマーク王が急死し、王の弟クローディアスが王妃と結婚して王の座に就く。悲しみに沈む王子ハムレットはある日、父の亡霊と会い、その死がクローディアスによる毒殺だと知る。ハムレットは狂気を装い、復讐を誓うのだった……。これが『ハムレット』の原形、伝説のテキスト「Q1」ついに登場! シェイクスピア四大悲劇、最大の問題作!

複雑な人間関係に復讐物語

復讐をしたいという心理接写がリアルで、読んでいても圧倒されてしまうような世界観がありましたし、複雑な人間関係など何度読んでも深いものを感じる凄い作品でした。また、読む度に意味や捉え方が変わってしまうような豊かな表現力は素晴らしかったですし、セリフ1つ1つがとにかく濃い感覚があったので引き込まれていきました。(30代男性)

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やし酒飲み

作者:エイモス・チュッツオーラ

やし酒飲み

<あらすじ>
「わたしは、十になった子供の頃から、やし酒飲みだった」――。やし酒を飲むことしか能のない男が、死んだ自分専属のやし酒造りの名人を呼び戻すため「死者の町」へと旅に出る。その途上で出会う、頭ガイ骨だけの紳士、指から生まれた赤ん坊、不帰(かえらじ)の天の町……。神話的想像力が豊かに息づく、アフリカ文学の最高峰。1952年刊。

やし酒を飲むしか能のない男という何とも頼りない主人公の説明から始まる神秘的で不可思議な旅の話

やし酒を飲むのが生きがいの裕福な家に生まれた男が、死んでしまった専属のやし酒職人を呼び戻すために流浪の旅を行う物語。死者の町というところへ向かって旅をしていくのですが、その道中では様々な町があり、その町では人知を超えるような事件がいつも置きます。
ネタバレになってしまいますので、どんなことが起きるかは読んでほしいですが、神秘的な方法で場所場所の困難を乗り越えていきます。

アフリカ文学の最高傑作ともいわれていますが、神話をベースにしたような小説で展開が結構突飛です。目まぐるしい展開は好みは分かれると思いますが、受ける人には非常に受けると思います。英文学の一種なので英文学好きの人には一度読んでほしいです。(30代男性)

百年の孤独

作者:ガブリエル・ガルシア=マルケス

百年の孤独

<あらすじ>
蜃気楼の村マコンド。その草創、隆盛、衰退、ついには廃墟と化すまでのめくるめく百年を通じて、村の開拓者一族ブエンディア家の、一人からまた一人へと受け継がれる運命にあった底なしの孤独は、絶望と野望、苦悶と悦楽、現実と幻想、死と生、すなわち人間であることの葛藤をことごとく呑み尽しながら…。20世紀が生んだ、物語の豊潤な奇蹟。

7代にわたる孤独を描いた、魔法と現実が交差するラテンアメリカ文学の最高傑作

コロンビアのマコンド市の架空の町マコンドに住むブエンディア家の7代にわたる物語です。
家族の人々が誇り高いが、時には狂気的なほどに孤独であると描かれています。この小説は、ラテンアメリカ文学の最高傑作の一つと言われ、人々の心に深く刻まれたエピソードを数多く含んでいます。
物語は魔法と現実が交差する中で、ユーモア、悲劇、愛、そして独り言が入り交じっています。
著者のガルシア=マルケスは1982年にノーベル文学賞を受賞しました。(60代男性)

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