【女性におすすめ】読みやすい時代小説14選

2022年7月18日

女性向けの時代小説

女性が読んでも面白い、女性向けの時代小説を集めてみました。女性が主人公となっているものや、女性作家の作品などなど、時代小説初心者の人にもおすすめの14作品をご紹介します。時代小説ならではの面白さを楽しんでください。

「みをつくし料理帖」高田郁

みをつくし料理帖

<あらすじ>
神田御台所町で江戸の人々には馴染みの薄い上方料理を出す「つる家」。店を任され、調理場で腕を振るう澪は、故郷の大坂で、少女の頃に水害で両親を失い、天涯孤独の身であった。大坂と江戸の味の違いに戸惑いながらも、天性の味覚と負けん気で、日々研鑽を重ねる澪。しかし、そんなある日、彼女の腕を妬み、名料理屋「登龍楼」が非道な妨害をしかけてきたが・・・・・。料理だけが自分の仕合わせへの道筋と定めた澪の奮闘と、それを囲む人々の人情が織りなす、連作時代小説の傑作ここに誕生!

一品一品に思いを込めておつくりします

江戸時代、災害により両親を亡くし天涯孤独になった少女、澪が天性の料理の才能を磨きながら女料理人として生き抜いていく様を描いた小説です。
登場する人物がみな哀しさや辛さを抱えていながら、毎日を精一杯生きていく姿が描かれています。
思いあった武家の小松原とのエピソードは本当に切なくて、現代社会だったら幸せになれたのかと歯がゆい思いになりました。

当時は女料理人は非常に珍しく、軽んじられていましたが、女性ならではの柔らかな視点や発想で生み出される料理はとてもおいしそう。読んでいて生唾が出そうになります。時代劇版、お仕事小説だと思います。(40代女性)

女料理人の成功への物語

大阪から江戸へ出てきた澪という料理人が、さんざん苦労しながらも、成功をつかんでいく、というのが大きな流れです。
もう、本当にたくさんの苦難が彼女にふりかかるのですが、まわりの人に助けられながら、必死の努力で自分の道を切り開いていく、その姿が、きっと多くの女性の共感を得ると思うのです。
また、幼馴染の野江という少女と再会を果たせるかどうか、というところも、女性たちの心を揺さぶるように思います。(60代男性)

「すかたん」朝井まかて

すかたん

《あらすじ》
江戸詰め藩士だった夫が急死し、大坂の青物問屋に女中奉公に出た知里。戸惑いながらも、次第に天下の台所の旨いもんに目覚めていく。ただ問題は、人好きはするが、遊び人でトラブルメーカーの若旦那。呆れていた知里だったが、野菜への純粋な想いを知り、いつしか強く惹かれるように。おもろい恋の行く末は?

若旦那と使用人の恋物語

武士だった夫の急逝で大坂に取り残され、ひとりで生きようとする女性の話です。何をやってもうまくいかず、踏んだり蹴ったりの生活だったところを青物問屋で雇ってもらい、慣れない大坂言葉に振り回されながら、奮闘するヒロインがいい。なによりも食事をする姿がおいしそう。

憎めないヒロインともっと憎めないいい加減な青物問屋の若旦那。そして若旦那のいいひと、芸妓さん。登場人物がみないい人で、悪役も絵にかいたような悪者ぶり。わかりやすく、楽しく盛り上がりながら読める話です。
落語やお芝居が好きな人にも楽しめる本。(50代女性)

パワフルな未亡人と「すかたん」な若旦那との恋の物語

江戸の藩士だった夫が亡くなり、大阪の青物問屋で女中をすることになった知里。トラブルメーカーの若旦那に対して、最初は苦手意識がありましたが、野菜への純粋な想いを知り、徐々に惹かれていきます。若くして夫を亡くし、身寄りもお金もないけど食べることが大好きでパワフルな知里の姿が気持ちが良いです。時代小説としても恋愛小説としても読みやすく、おすすめです。(30代女性)

「あきんど姫様」若月ヒカル

あきんど姫様

<あらすじ>
京都の貧乏公家、二条院家では、大黒柱の父が他界し財政が逼迫していた。
残された母と兄はお金に無頓着で頼りにならず、このままでは島原で春をひさぐはめになると危惧した17歳の桜子姫は「気位でうちまき(お米)は食べられません。私はお金を儲けます」と宣言する。
世情に疎い姫は人の良さにつけこまれ騙されたりと、数々の苦労をするが、何事にもめげない性格がやがて人々の心をつかんでいく

公家の姫様による商い物語

貧乏な公家のお姫様二条院桜子は、二条院家の作った借金を「自分で商売をはじめて、お金を稼いで返していこう」と考え、実行します。
働く女性のおしごと小説の時代小説版ともいえます。

貧乏暮らしが長いとはいえ、貴族の姫である桜子は世間知らずのお人よしで、借金を返し終わる前なのに自分より困っている人をみつけて助ける、など回り道が多く、スイスイと物事がうまくいくサクセスストーリーではありませんが、それがこの小説の魅力でもあります。
借金返済物語でありながら、ほのぼのと読めるのが特徴の、女性におすすめの時代小説です。(40代女性)

「春告鳥 女占い十二か月」杉本章子

春告鳥 女占い十二か月

<あらすじ>
江戸時代にも「占い」は流行し、女性たちはそのお告げに一喜一憂していた。実際に出版されていた占い本「女用知恵鑑宝織(おんなようちえかがみたからおり)」。女の吉凶を生まれ月ごとにズバリあてるこの本に想を得て、1月生まれから12月まで、12人の女の喜びと悲哀が綴られる。月ごとの風物を織り込みながら、時代小説の名手が江戸の女の恋愛を生き生きと描き出す。切なくも愛らしい傑作時代短篇集。

占いに気持ちを左右される女性たちに共感できる作品

この作品がなぜ女性におすすめなのかというと、占いの結果にワクワクしたり悲しんだりする女性の姿に共感できる場面がたくさん出てくるからです。そして今も昔も女性というのは占いに対してはまりがちになってしまうということがよく分かります。今の時代にはない、昔ながらの占い方法も学べたりしてただ面白いだけではなくて、勉強になる部分もある作品です。(20代男性)

「ぼんくら」宮部みゆき

ぼんくら

<あらすじ>
「殺し屋が来て、兄さんを殺してしまったんです」――江戸・深川の鉄瓶長屋で八百屋の太助が殺された。その後、評判の良かった差配人が姿を消し、三つの家族も次々と失踪してしまった。いったい、この長屋には何が起きているのか。ぼんくらな同心・平四郎が動き始めた。著者渾身の長編時代ミステリー。

お江戸深川の謎絵解き

江戸時代の深川が舞台の作品です。主人公は肩の力の抜けた町方役人、といった感じの男性で、タイトルにもあるように”ぼんくら役人”を自任しながら、子供のようにはしゃいだり、顔なじみを傷つけまいと思い悩んだりする様子にこちらもやきもきさせられる感じでした。
また、時代物というと距離を置いてしまう方も多いかもしれませんが、宮部みゆきさんの作品では夢中になって読んでいるうちに、どういうシステムの上に成り立っている街であるかがすんなりと入ってきます。そのうえで、今も昔も、人が人を思う形というのは大きく変わるものではないのかもしれない、と思わせられる作品でした。(40代女性)

「雷桜」宇江佐真理

雷桜

<あらすじ>
江戸から3日を要する山間の村で、生まれて間もない庄屋の一人娘・遊が、雷雨の晩、何者かに掠われた。手がかりのつかめぬまま、一家は失意の11年を過ごす。遊の生存を信じる次兄・助次郎は、江戸で御三卿・清水家に中間として仕えるが、当主・斉道は心の病を抱えていた。そしてついに、遊が15年ぶりに狼少女として帰還するが…。運命の波に翻弄されながら、愛に身を裂き、凛として一途に生きた女性を描く、感動の時代長編!

身分の違う二人の一途な恋愛物語

全く身分の違う男女の恋愛物語で非常に感情移入しやすいですし、特に女性の方には共感しやすい部分が多いと思うのでおすすめです。また、女性だけでなく男性の自分としても読んでいて夢中になれましたし、恋愛に加え時代背景も鮮明に描かれているので、読みながらその時代のイメージも湧いてくる感覚になり非常に入り込みやすかったです。(30代男性)

「蝉しぐれ」藤沢周平

蝉しぐれ

<あらすじ>
舞台は東北の小藩、海坂(うなさか)藩である。ある朝、小川のほとりで蛇に咬まれた隣家の娘を少年が救う場面から、この物語ははじまる。清流と木立に囲まれた、静かな城下組屋敷。少年の日の淡い恋と友情。そして突然の、父の非業の死。微禄の武士となった青年は、ふりかかる悲運と闘い、父の仇を討つべく、己を鍛えつづける。いまや遥かな存在となった初恋の女性への思いを胸に……。ドラマ・映画の原作にもなった、藤沢作品の代表的傑作。

男女の友情から始まる激動の人生物語

主人公とヒロインは幼馴染で、始まりは幼少期から、最後には青年になっています。心を通わせた幼い二人の友情がスムーズに育まれるには障害があり、身分の違いから二人は一時的に別れることになります。いたずらな運命の下で大きくなった二人が再会して生まれる物語にはスリルと奥深い人間ドラマがあって楽しめました。
大人になる程、味が分かる内容になっていておすすめ出来ます。(30代男性)

「つくもがみ貸します」畠中恵

つくもがみ貸します

<あらすじ>
お江戸の片隅、お紅と清次の姉弟2人で切り盛りする小さな店「出雲屋」。鍋、釜、布団と何でも貸し出す店ですが、よそにはない奇妙な品も混じっているよう。それらは、生まれて百年を経て、つくもがみという妖怪に化した古道具。気位高く、いたずら好きでおせっかい、退屈をもてあました噂超大好きの妖たちが、貸し出された先々で拾ってくる騒動ときたら……! ほろりと切なく、ふんわり暖かい、極上畠中ワールド、ここにあり。

ちょっとしたファンタジー。

まず、文体がやさしいため慣れていない女性でも難なく読み進められます。そして、本来喋るはずのない根付けたちがユーモアを混じえて話す描写はファンタジーであり、グッと惹き込まれるのが特徴です。一方では、やや焦れったい恋情や謎を解き明かす痛快感、あらゆる要素を取り入れたハイブリットさに読む手が止まらなくなること間違いありません。(20代女性)

「六条御息所 源氏がたり」林真理子

六条御息所 源氏がたり

<あらすじ>
恋愛小説の神様=林真理子が、世界的古典文学の傑作に、新解釈で挑んだ意欲作。生き霊となってさまよう六条御息所のひとり語りで進行する手法、衝撃的な書き出しに、雑誌『和樂』で発表されたときには大きな話題となった。次々に繰り広げられる光源氏を巡る性愛の数々。不倫、略奪、同性愛、ロリコン、熟女愛…。あらゆる恋愛の類型を現代的感覚で再構築し、詳細に心理描写を施した。原書の第一帖『桐壷』から第十三帖『明石』までを中心に描いた、若き光源氏のノンストップ恋愛大活劇!

女だからこそわかる恋愛の苦悩

この本は、単なる源氏物語の翻訳ではありません。源氏物語をなぞっただけの小説でもありません。源氏物語に登場する「六条御息所」の視点で物語が展開していきます。
六条御息所を知っている人でも知らない人でも、とても面白く読むことができます。女性の視点から女性を観察し、源氏物語に登場する女性の個性を一人一人分析しています。ついつい「そんな女いる!」と、共感してしまうような場面もありました。
女同士だからこそ理解できる苦悩や恋情が詳細に描かれ、すらすら読むことができます。六条御息所を知っている人は、そのイメージがガラリと変わるでしょう。(30代女性)

「銀二貫」高田郁

銀二貫

<あらすじ>
大坂天満の寒天問屋の主・和助は、仇討ちで父を亡くした鶴之輔を銀二貫で救う。大火で焼失した天満宮再建のための大金だった。引きとられ松吉と改めた少年は、商人の厳しい躾と生活に耐えていく。料理人嘉平と愛娘真帆ら情深い人々に支えられ、松吉は新たな寒天作りを志すが、またもや大火が町を襲い、真帆は顔半面に火傷を負い姿を消す…。

銀二貫で色んな人の人生が良い方へ変わった話

主役の松吉とヒロインの真帆(おてつ)の恋がじれったいし、どうなるの?とヤキモキさせる展開が男性よりは女性向けかなと思います。寒天問屋を舞台にした話で、登場人物に善人が多く、もちろん悪役もいるのですが、どちらも筋が通っていて、読んでいてスカッとしました。物語の中で、火事が何回も起こるので、それは本当に怖いなと思いました。(50代女性)

「天切り松闇がたり」浅田次郎

天切り松闇がたり 1 闇の花道

<あらすじ>
夜更けの留置場に現れた、その不思議な老人は六尺四方にしか聞こえないという夜盗の声音(こわね)「闇がたり」で、遥かな昔を物語り始めた――。時は大正ロマン華やかなりし頃、帝都に名を馳せた義賊「目細の安吉」一家。盗られて困らぬ天下のお宝だけを狙い、貧しい人々には救いの手をさしのべる。義理と人情に命を賭けた、粋でいなせな怪盗たちの胸のすく大活躍を描く傑作悪漢小説(ピカレスク・ロマン)シリーズ第一弾。

帝都に名を馳せた「義賊」と呼ばれた者たちの物語

とある老人がいました。その老人は、留置場に入っていました。その老人は、とても不思議な雰囲気で、むかしの話しを語りはじめました。それは遠いむかしむかしの話しです…。
そのむかしの話し、それは大正ロマンと呼ばれるような時代のことでありました。その頃に、まだ「帝都」と呼ばれていた所で何かと名を馳せていた者たちがおりました。それは、「義賊」と呼ばれる者たちでした。いわゆる怪盗=盗賊です。その怪盗たちの痛快な、粋な、物語です。(50代女性)

「天切り松闇がたり」の関連テーマ

「火の姫 茶々と家康」秋山香乃

火の姫 茶々と家康

<あらすじ>
太閤、逝く! 「なにわのことは夢のまた夢」と幼い秀頼と於茶々をのこして。豊臣秀吉なき世、天下をねらう徳川家康は、あらゆる謀略を巡らし豊臣家を追いこんでいった。秀吉の正妻・北政所(於祢)をたぶらかし御袋様(於茶々)と対立させ、石田三成を逆臣として「関ヶ原」の戦で打ち破る。三成なき豊臣家は、ひたすら家康の策謀によって滅亡へ道、そして最後の戦、大坂・夏の陣へとむかった。「茶々と戦国武将」シリーズ第三弾、堂々の完結!

乱世をしなやかに生きた茶々姫の物語

火の姫は、信長、秀吉、家康と3部作の作品です。頼る者のない中、乱世を強くしなやかに生きてきた茶々の姿が描かれています。特に家康の部では、夫の友も次々と去る中で子供と家を守る茶々と、石田三成の姿が印象的です。茶々から見た三成と、家康から見た三成の姿があまりにも違い、見るものが違えば物事や人物は大きく違うのだと改めて思わされました(40代女性)

「千利休とその妻たち」三浦綾子

千利休とその妻たち

<あらすじ>
三好長慶を異母兄に持つお稲は、武力の強さにあこがれ、茶の湯の天才である夫・利休を軽んじていた。利休はそれでも家族を大切にしていたが、能の天才・宮王三郎の妻女・おりきに出会い、激しく心を奪われてしまう・・・。
利休の、反権力的な堺町人文化の一頂点でもある茶の湯の道を極めていく縦軸と、おりきへの激しい思いを横軸に、戦国時代を描いた歴史長編。精神の自由と情熱をつらぬく強さを持った男の半生記でもある。

「男女の愛とは? 愛ある夫婦とは?」を教えてくれる物語

既婚者が、遅まきながら「この人こそ」と心で感じてしまった異性と出会った時、以後どう生きて行くべきかを考えさせられる小説です。
価値観の全く違う現在の伴侶。密かに思慕する人への奥深い配慮。社会的立場上、表に出せない二人の女への思い。
千利休の生涯を通じて、男女の出会いのそんな悲喜こもごも、喜怒哀楽が描かれています。

そして最終的には、人生の根幹にまで及ぶような影響を与えてくれる、最良最高の伴侶の典型のひとつを観ることができます。結婚願望のない若い人が驚くほど多くなっている昨今、女性はもちろんのこと、男性にも是非お勧めの一冊です。(60代男性)

「坂の上の雲」司馬遼太郎

坂の上の雲

<あらすじ>
維新で賊軍とされた伊予・松山に、三人の若者がいた。貧乏士族の長男で風呂焚きまでした信さん(後の秋山好古)、弟で札付きのガキ大将の淳さん(真之)、その竹馬の友で怖がりの升さん(正岡子規)である。三人はやがて、固陋なる故郷を離れ、学問・天下を目指して東京に向かう。しかし、誰が彼らの将来を予見できただろうか。一人は日本陸軍の騎兵の礎をつくり、一人は日本海大海戦を勝利にみちびき、さらに一人は日本の文学に革命を起こすことになるのである。

軍人,庶民の生き様を表した物語

司馬遼太郎さんの本は男性向けのものが多いと思われがちですが、女性でもすごく読みやすいものが多いです。特に,坂の上の雲は、日露戦争時代に生きる人々、軍人の生き様だけでなく、その時代に生きた歌人である正岡子規さんも登場人物に出ていたりと戦争ものの物語だけでなく,庶民の生活にも触れていて馴染みやすいです。事細かに風景やその時の背景も描かれているのでわかりやすいです。(40代女性)