心揺さぶる音楽の物語!音楽がテーマのおすすめ小説10選
音楽がテーマとなってる面白いおすすめの小説を集めてみました。
音がない小説というメディアで音楽を表現するのは難しいテーマのように思えますが、いい小説には文章から音が奏でられてるような錯覚がするほどで、音楽と小説はそんなに離れたテーマではないような気もします。
プロのクラシック音楽の世界から、学生達のブラスバンドや合唱部の話まで、音楽に携わる珠玉の物語たちをお楽しみください。
蜜蜂と遠雷
作者:恩田陸
<あらすじ>
近年その覇者が音楽界の寵児となる芳ヶ江国際ピアノコンクール。 自宅に楽器を持たない少年・風間塵16歳。 かつて天才少女としてデビューしながら突然の母の死以来、弾けなくなった栄伝亜夜20歳。 楽器店勤務のサラリーマン・高島明石28歳。 完璧な技術と音楽性の優勝候補マサル19歳。 天才たちによる、競争という名の自らとの闘い。 その火蓋が切られた。
コンクールに出場する若き天才ピアニストたちの熱き想いがぶつかり合うストーリー
ピアノコンクールに出場する若き天才ピアニストたちの人生とコンクールにかける熱き想いがぶつかり合うストーリー。
ページをめくるとピアニストたちの奏でる音が数々の繊細な表現で描かれており、まるで脳の奥でピアノ曲が流れてくるような錯覚に陥ります。
曲の解釈や自分の思いを指を使って音として表現することの難しさや楽しさとともに、多様な生き方考え方を見事に収めた、まさに恩田さんの渾身の小説です。(50代女性)
さよならドビュッシー
作者:中山千里
<あらすじ>
祖父と従姉妹とともに火事に遭い、全身大火傷の大怪我を負いながらも、ピアニストになることを誓う遥。コンクール優勝を目指して猛レッスンに励むが、不吉な出来事が次々と起こり、ついに殺人事件まで発生する……。ドビュッシーの調べも美しい、第8回『このミス』大賞大賞受賞作。
ピアニストと音楽ミステリー
「このミス」大賞受賞!主演・橋本愛により映画化もされた音楽ミステリー。
物語はとある事件から始まります…。ピアニストを目指す遥はある日、祖父と従姉妹とともに火事に。目覚めると二人は助からなかったとの知らせが。一人生き残り全身大火傷を負いつつも、リハビリをしピアニストの夢を諦めず追い続けます。そんな中、コンクール優勝を目指し猛練習をする主人公の周りには不吉な出来事がどんどん起こり…。
ドビュッシーの「月の光」をはじめ、有名な曲も多数出てきます。5章から成るこの物語は、5楽章ある曲のように様々な展開があり心揺さぶられる作品です。(20代女性)
おやすみラフマニノフ
作者:中山千里
<あらすじ>
秋の演奏会を控え、第一ヴァイオリンの主席奏者である音大生の晶は初音とともに、プロへの切符をつかむために練習に励む。しかし完全密室で保管される、時価2億円のチェロ、ストラディバリウスが盗まれた。彼らの身にも不可解な事件が次々と起こり……。ラフマニノフの名曲とともに明かされる驚愕の真実!美しい音楽描写と緻密なトリックが奇跡的に融合した人気の音楽ミステリー。
文章が曲を奏でる物語
音楽大学の厳重な保管庫から、2億円の価値があるストラディバリウスのチェロが盗まれる。
そんなところから物語が始まる推理小説です。事件の背景には、音楽のために我人生を捧げようとする人たちの情熱や苦悩が絡み合っています。
文章からクラシック音楽が流れ出ている小説です。
いいえ、きっとクラシック音楽を知悉している人なら、またラフマニノフという音楽家の曲を知っている人なら、きっとそう感じのだろうと思います。
何の音楽的素養も知識もない私でも、そんな気がしたのですから。そんな私でさえ物語にの引き込まれていったのですから、私がもっと音楽というものを知っていたなら、面白過ぎて気が狂っていたかもしれません。(60代男性)
羊と鋼の森
作者:宮下奈都
<あらすじ>
ゆるされている。世界と調和している。
それがどんなに素晴らしいことか。
言葉で伝えきれないなら、音で表せるようになればいい。
高校生の時、偶然ピアノ調律師の板鳥と出会って以来、調律の世界に魅せられた外村。
ピアノを愛する姉妹や先輩、恩師との交流を通じて、成長していく青年の姿を、温かく静謐な筆致で綴った物語。
ピアノの奥深さを物語る作品
この作品で初めてピアノの調律師の仕事を知りました。こんなにもピアノが奥深い楽器だとは思ってもみなかったです。
ストーリーがしっとりとした雰囲気の中で進んでいき、そこから綺麗なピアノの音が本当に聞こえてくるような感覚になりました。
それだけ宮下菜都さんの音を伝える文章力が素晴らしかったです。登場する演奏者たちもそれぞれにピアノとの向き合い方が違っていて、もっと現実のピアニストにも注目してみようと思えました。(30代女性)
「羊と鋼の森」の関連テーマ
くちびるに歌を
作者:中田永一
長崎県五島列島のある中学合唱部が物語の舞台。合唱部顧問の松山先生は産休に入るため、中学時代の同級生で東京の音大に進んだ、元神童で自称ニートの美しすぎる臨時教員・柏木に、1年間の期限付きで合唱部の指導を依頼する。それまでは、女子合唱部員しかいなかったが、美人の柏木先生に魅せられ、男子生徒が多数入部。ほどなくして練習にまじめに打ち込まない男子部員と女子部員の対立が激化する。
夏のNコン(NHK全国学校音楽コンクール)県大会出場に向け、女子は、これまで通りの女子のみでのエントリーを強く望んだが、柏木先生は、男子との混声での出場を決めてしまう。一方で、柏木先生は、Nコンの課題曲「手紙~拝啓 十五の君へ~」にちなみ、十五年後の自分に向けて手紙を書くよう、部員たちに宿題を課していた。提出は義務づけていなかったこともあり、彼らの書いた手紙には、誰にもいえない、等身大の秘密が綴られていた–。
中学生時代に戻りたくなる作品
中学校の合唱部員と、部活の顧問になったピアニストのお話です。
中学生特有の男子と女子の対立やそこに絡む美人ピアニスト顧問の立ち振る舞いに、くすっと笑えるところがあったりそれぞれの登場人物の視点で様々な感情が盛り込まれているところが読んでいて懐かしく愛おしい気持ちにさせてくれます。
学生たちの歌声やピアノの伴奏が今にも自分の頭の中で鳴り響いている様な感覚になり臨場感あふれる作品です。(30代女性)
楽隊のうさぎ
作者:中沢けい
学校にいたくない。でもこの吹奏楽部になら少し、いてみたい気がする。
毎日がブラス! ブラス!! ブラス!!!
忘れてませんか、伸び盛りの輝きを。親と子へエールを送る感動の物語。
33万人の読者に希望を与えたロングセラー
音を合わすとは心を通わすこと
中学校のブラスバンド部の話です。
まさに私も中学時代をブラスバンドにささげていたので疑似体験をしているような、その時代に引き戻されるかのような思いで読みました。そのタイムスリップしたような感覚が私は「面白い」と感じました。
専門用語や環境描写が独特な部分もあるので、「ブラスバンド部」を経験した方でないと面白いと感じにくいかもしれません。
また入試問題にも引用されるような作品で少々選択語彙が固く気軽なコメディ要素はありませんが、思春期の葛藤や人間形成等繊細に描かれているという部分では大変面白く、興味深い物語でした。(30代女性)
階段途中のビッグ・ノイズ
作者:越谷オサム
<あらすじ>
軽音楽部の廃部を取り消せ!優柔不断が玉にキズの神山啓人は、猪突猛進型幽霊部員の九十九伸太郎に引きずられて行動を開始する。目指すは文化祭での一発ドカン!!のはずが…。周囲の冷たい視線、不協和音ばかりの仲間達、頼りにならない顧問。そこに太ももが眩しい同級生への恋心も加わって―。啓人達は見事にロックンロールできるのか。
何かに熱くなるのって泥臭くも格好いい!王道青春小説!
高校の軽音部のお話です。
全然音楽なんかやる気が無かった主人公はひょんなことから軽音部に入部して学祭で演奏することになる。でも廃部寸前の部活だったためにいる部員もやる気のない奴らばかりで、顧問も頼りなくて…、自分だって音楽なんてやる気はなかった。
でも続けていくうちに段々楽しくなってきて…。
最終章の学園祭のシーンは必読です。ちょっとしたどんでん返しもあり、読後感はとっても爽やかで炭酸ソーダを飲んだあとのような気持ちになれる作品です。(40代女性)
歌え! 多摩川高校合唱部
作者:本田有明
<あらすじ>
弱小の合唱部に元気だけが取り柄の新入生が入ってきた――。Nコンで初の全国大会の出場を果たした県立合唱部の軌跡の青春感動物語。
高校合唱部にかける若者の青春音楽物語
神奈川県のとある進学校の合唱部をモデルにした部活奮闘記。
個性あふれる部員たちの活躍が高校合唱部ライフあるあるで面白い。高校の合唱界隈で全日本合唱コンクールと並んで二大大会の一つといわれるNHK学校音楽コンクール全国大会にかける青春物語。
男子部員は女子部員に頭があがらないものなのだなあ、昔も今も、と感慨深いものがある。(50代男性)
退出ゲーム
作者:初野晴
<あらすじ>
「わたしはこんな三角関係をぜったいに認めない」──穂村チカ、廃部寸前の弱小吹奏楽部のフルート奏者。上条ハルタ、チカの幼なじみのホルン奏者。音楽教師・草壁先生の指導のもと、吹奏楽の“甲子園”普門館を夢見る2人に、難題がふりかかる。化学部から盗まれた劇薬の行方、六面全部が白いルービックキューブの謎、演劇部との即興劇対決……。2人の推理が冴える、青春ミステリの決定版、“ハルチカ”シリーズ第1弾!
学園モノ青春ミステリー
高校の吹奏楽部を舞台としながらも、日常ミステリーモノにもなっているので、吹奏楽とミステリの両方が楽しめます。しかもちょっと変わった三角関係もあるので、いかにも青春って感じで面白いですね。弱小の吹奏楽部が、大会でどこまでいけるのかも楽しみだし、ハルタとチカの掛け合いも面白いのでおすすめです。アニメ化にもなっているので、キャラもイメージしやすいと思う。(30代女性)
楽園ノイズ
作者:杉井光
<あらすじ>
出来心で女装して演奏動画をネットにあげた僕は、謎の女子高生(男だけど)ネットミュージシャンとして一躍有名になってしまう。顔は出してないから大丈夫、と思いきや、高校の音楽教師・華園美沙緒先生に正体がバレてしまい、弱みを握られてこき使われる羽目になる。
無味無臭だったはずの僕の高校生活は、華園先生を通じて巡り逢う三人の少女たち――ひねた天才ピアニストの凛子、華道お姫様ドラマーの詩月、不登校座敷童ヴォーカリストの朱音――によって騒がしく悩ましく彩られていく。
恋と青春とバンドに明け暮れる、ボーイ・ミーツ・ガールズ!
青春学園バンドライトノベル
ライトノベルということもあって、コメディ展開は多めです。
ヒロインキャラたちはそれぞれが何かしらの問題を抱えていて、それを主人公が音楽で手を貸したりして解決していって仲間になるという定番な展開ではあるものの、ヒロインキャラたちは魅力的で、主人公との会話の掛け合いが面白くて笑えます。
また、音楽に関する蘊蓄や小ネタなども多くて、バンドなどの音楽好きの人ならより楽しめるかもしれません。僕は音楽の知識がないので細かいところは分からない部分もありましたが、音楽の知識がなくても、青春ストーリーとして存分に楽しめる小説です。(30代男性)