【あやかし系】小説おすすめ8選
「あやかし系」小説の面白い作品を集めてみました。
「あやかし系」小説とは、妖怪や鬼なのど日本の伝承や神話などにでてくる架空の生き物と主人公たちが織り成す物語で和風ファンタジーの分野になる小説です。
ホラー小説や怪奇小説とは違って、基本的には怖い話ではなく、あやかし達と協力したり、あるいは主人公達とともに成長したり、恋をしたりと、様々な種類のものがあります。
そんな神秘的で魅力的な「あやかし」達との物語を8作品ご紹介します。
小説・夏目友人帳 ~うつせみに結ぶ~
原作:緑川ゆき 小説:村井さだゆき
<あらすじ>
幼いころから普通の人には見えない妖怪が見える夏目。祖母レイコが残した「友人帳」をめぐり、妖怪たちと遭遇していく。用心棒役のニャンコ先生も大活躍! 劇場版アニメ「夏目友人帳 ~うつせみに結ぶ~」のシナリオをノベライズ!!
人と人、妖との繋がりで成長する物語
幼い頃から妖が見える少年の成長していく話です。きちんと年月が経ってシリーズ化されている話です。
幼い頃に親が他界しており妖が見えると言って周りから気味悪がられ親戚の家を転々としていました。妖が見えることが怖かったり人間の姿をした妖に優しくされてもそれを真正面から素直に受け取れない子でした。しかし藤原家に引き取られある妖に出会い少年が日に日に成長したり素直になっていく話です。漫画やアニメもあるのでぜひ見てみてください。(20代女性)
しゃばけ
作者:畠中恵
<あらすじ>
江戸有数の薬種問屋の一粒種・一太郎は、めっぽう体が弱く外出もままならない。ところが目を盗んで出かけた夜に人殺しを目撃。以来、猟奇的殺人事件が続き、一太郎は家族同様の妖怪と解決に乗り出すことに。若だんなの周囲は、なぜか犬神、白沢、鳴家など妖怪だらけなのだ。その矢先、犯人の刃が一太郎を襲う……。愉快で不思議な大江戸人情推理帖。日本ファンタジーノベル大賞優秀賞。
あやかし満載のほのぼの推理人情物語
主人公は江戸の大店の若旦那。基本、人間だけど、祖母が大物あやかしなので、普通は人には見えないあやかしを見られるし、怖がりもしない。でも恐ろしく体が弱いから、祖母がお目付け役で当てがったあやかし、白沢(はくたく)の仁吉と犬神の佐助が、常に傍に居て若旦那を守っている。
若旦那の住む離れの部屋には、心優しい若旦那と美味しいオヤツを慕って、小鬼の鳴家(やなり)や、百年以上たった屏風があやかしになった屏風のぞきや、怒ると死ぬほど怖い貧乏神の金次や、化け猫のおしろや、悪夢を食べる獏のあやかし馬久(ばきゅう)などの他、たくさんのあやかしが常時集まってノンビリくつろいでいる。
そんなあやかしが集まる若旦那の周辺ではしばしば不可解な事件が起こる。
体は弱くても頭も気も良い若旦那は、周りのあやかし達の協力を得て、皆の幸せのためにそれら怪事件を見事解決していきます。(60代男性)
妖怪と共に成長していく若旦那
病弱な主人公・一太郎(通称・若旦那)が江戸の町で妖怪たちと共に事件を解決していくシリーズ。
妖怪が見える若旦那はある日の夜に殺人事件を目撃してしまう。人間のふりをして一太郎を助ける妖怪・佐助(犬神の妖怪)と仁吉(白沢(ハクタク))、家に住む家鳴りの妖怪と共に殺人事件の真相を暴いていき若旦那が成長していく物語。(30代女性)
かくりよの宿飯
作者:友麻碧
<あらすじ>
祖父の借金のかたに、かくりよにある妖怪たちの宿「天神屋」へと連れてこられた女子大生・葵。宿の大旦那である鬼への嫁入りを回避するため、彼女は得意の料理の腕前を武器に、働いて借金を返そうとするが……?
食はどんな種族にも通ずる
料理に関して並々ならぬこだわりがあり、あやかしを見る力を持っていた主人公の葵がある日あやかし達が運営する宿へと誘われる。それは祖父が生前に残した借金のカタとして大旦那の鬼に嫁入りさせられるためだった。
元の世界に変えるために葵は寂れた店舗を改築し小料理屋で自身の料理を振る舞い借金返済を目射すことになります。親身になって手伝ってくれる九尾の狐や最初は意地悪だった雪女などの定番のあやかしから、鶴童子などのちょっとレアなあやかしまで多種多様なキャラと紡いでいく波乱万丈な日常が楽しめる小説です。
そして料理に関しての描写が非常に細かく、思わずお腹が減ってしまいそうな表現も魅力の一つです。(30代女性)
「かくりよの宿飯」の関連テーマ
おそろし 三島屋変調百物語事始
作者:宮部みゆき
<あらすじ>
ある事件を境にぴたりと他人に心を閉ざしてしまった十七歳のおちか。ふさぎ込む日々を、叔父夫婦が江戸で営む袋物屋「三島屋」に身を寄せ、黙々と働くことでやり過ごしている。ある日、叔父の伊兵衛はおちかに、これから訪ねてくるという客の応対を任せると告げ、出かけてしまう。客と会ったおちかは、次第にその話に引き込まれていき、いつしか次々に訪れる客のふしぎ話は、おちかの心を溶かし始める。三島屋百物語、ここに開幕。
江戸時代を舞台にした怪異譚
主人公おちかのもとに訪れ、自身の身の上に起こった怪異を語る、語り手の体験談という形で物語が展開されていきます。
怪異の正体ははっきりと解き明かされることはないのですが、それがまた不気味な余韻を残します。幽霊というよりはまさに、あやかし。
私達人間が、あれは◯◯である。と結論づけることができない怪異が、宮部みゆきさんの巧みな筆致で描かれているので、引き込まれてしまいます。(30代女性)
鬼の花嫁
作者:クレハ
<あらすじ>
平凡な高校生の私が
美しい鬼のあやかしの花嫁に!?
人間とあやかしが共生する日本。絶大な権力を持つあやかしの花嫁に選ばれることは憧れであり、名誉なことだった。平凡な高校生・柚子は、妖狐の花嫁である妹と比較され、家族にないがしろにされながら育ってきた。しかしある日、類まれなる美貌を持つひとりの男性と出会い、柚子の運命が大きく動きだす。「見つけた、俺の花嫁」―。彼の名は鬼龍院玲夜―あやかしの頂点に立つ鬼だった。玲夜から注がれる全身全霊の愛に戸惑いながらも、柚子は家族から逃れ、玲夜のもとで居場所を見つけていき…!?
主人公の恋と成長の物語
家族の中で冷遇され、辛い思いをしてきた主人公の柚子。そんな柚子が、美しく、あやかしの中で最強と言われる鬼の花嫁に選ばれた事で、生活が一変する。
美しく強いあやかし達は人間の世界で高い地位と権力を持っており、そんなあやかしの花嫁に選ばれる事は、何よりも栄誉で幸せな事であった。
冷たい家族の中で育ったゆずが、自分を愛してくれる鬼のあやかしと出会い、人を信じる事、愛する事、そして自らの力を見出し、成長していく物語。(30代女性)
出雲のあやかしホテルに就職します
作者:硝子町玻璃
<あらすじ>
女子大生の時町見初は、幼い頃から「あやかし」や「幽霊」が見える特殊な力を持っていた。誰にも言えない力を抱え、苦悩することも多かった彼女だが、現在最も頭を悩ましている問題は、自身の就職活動だった。受けれども受けれども、面接は連戦連敗。まさに、お先真っ暗。しかしそんな時、大学の就職支援センターが、ある求人票を見初に紹介する。それは幽霊が出るとの噂が絶えない、出雲の曰くつきホテルの求人で――。「妖怪」や「神様」たちが泊まりにくる出雲のホテルを舞台にした、笑って泣けるあやかしドラマ!!
多種多様なあやかしと人間達のおりなす悲喜交々な物語
多種多様なあやかしや神様がお客として登場します。又、従業員にもあやかしがいます。どのあやかしも個性豊かですし、私達の想像するままであったり、予想外な性格であったりと面白いです。
内容もあやかしそれぞれの生き方や過去で笑ったり悲しんだりします。基本ほのぼの系ですが、シリアス話もあるので飽きる事はありませんし、シリアス一辺倒ではないので気疲れする事もありません。
個性豊かであり、様々な顔を持つあやかし達と主人公達の心温かな物語です。(30代女性)
鏡の偽乙女 薄紅雪華紋様
作者:朱川湊人
<あらすじ>
大正三年、東京。画家を志して家を飛び出した槇島功次郎は、雪の無縁坂で、容姿端麗な青年画家・穂村江雪華(ほむらえせっか)と出会う。風変わりだが聡明、ずば抜けた画才を持つ雪華は、この世に未練を残して死んだ者の魂を絵で成仏させる、驚くべき能力の持ち主だった。果たせぬ恋、罪深き業……死者たちの断ち切れぬ思いが、二人の周囲に不可思議な現象を巻き起こす。幻想と怪奇に満ちた、大正怪異事件帖。
大正ロマンあやかし騒動物語
大正三年の東京を舞台に主人公槇島功次郎と友人の穂村江雪華が人ならざる者たちとかかわっていきます。
あやかしとなった幕末の新撰組元隊士も登場します。幻想的な雰囲気が大正時代という、この小説の時代設定にぴったりなのであやかし小説としても大正ものとしても興味深く読んでいます。家族が心配で「みれいじゃ」というあやかしになったエピソードは泣けました。
主人公と友人雪華は架空のキャラクターの娯楽小説ですが、実在の画家がキャラクターとして出てくるので、フィクション色の強い、エンターテインメント美術史小説としても楽しめます。とても読みやすい文体と魅力的な登場人物、会話文が多く、ラジオドラマになって放送されたこともあります。(40代女性)
幽落町おばけ駄菓子屋
作者:蒼月海里
<あらすじ>
大学入学と同時にひとり暮らしを始めることになった僕。有楽町の物件に入居するはずが、着いた先はなぜか「幽落町」……。そこは妖怪たちが跋扈し、行き場を見失った幽霊がさまようトンデモナイ町だった。
心優しいあやかし達との謎解き生活が楽しめます。
勘違いと導かれとで異界に住む事となった主人公の彼方、彼の大家さんでもある駄菓子屋の店主・水脈が、落ち着いた様子であやかしたちと住んでいて、迷った霊などに手を差し伸べるのです。そこには傘お化けや、豆腐小僧という食べるとカビだらけになる豆腐を売っていたり、高尾山の烏天狗が捜査の手伝いをしてくれたり、水脈のお手伝いをする猫目ジローは、黒猫のあやかしで江戸っ子風の言葉遣いが良い感じです。(50代女性)