読むとポジティブな気持ちになってくる小説12選
元気がないとき、落ち込んでいるとき、そんなときに読んで欲しい、ポジティブな気持ちになってくるオススメの小説をご紹介します
「さいはての彼女」原田マハ
<あらすじ>
25歳で起業した敏腕若手女性社長の鈴木涼香。猛烈に頑張ったおかげで会社は順調に成長したものの結婚とは縁遠く、絶大な信頼を寄せていた秘書の高見沢さえも会社を去るという。失意のまま出かけた一人旅のチケットは行き先違いで、沖縄で優雅なヴァカンスと決め込んだつもりが、なぜか女満別!?だが、予想外の出逢いが、こわばった涼香の心をほぐしていく。人は何度でも立ち上がれる。再生をテーマにした、珠玉の短篇集。
仕事ばかりの女性社長がバイクと少女を通じて生まれ変わる物語
短編小説集ですが、特に文庫名にもなっている「さいはての彼女」が特に読んだときに明るい気持ちになることができます。
主人公は敏腕の若手女性社長ですが仕事中心の生活をしてきた結果、周りの人への優しさなどを忘れていました。バイクを乗りこなす女の子ナギと出会い、主人公は全く新しい世界に仕事を忘れて接し、生まれ変わったように明るくなります。そんな主人公の変化やナギの性格から、読者も晴れ晴れとした気分になれると思います。また二人がバイクに乗って風を切る様子を想像して爽やかな気持ちになります。
物語からも、またその舞台の情景からも明るい気持ちになれる、美しいお話です。(20代女性)
「もういちど生まれる」朝井リョウ
<あらすじ>
彼氏がいるのに、別の人にも好意を寄せられている汐梨。バイトを次々と替える翔多。絵を描きながら母を想う新。美人の姉が大嫌いな双子の妹・梢。才能に限界を感じながらもダンスを続ける遥。みんな、恥ずかしいプライドやこみ上げる焦りを抱えながら、一歩踏み出そうとしている。若者だけが感受できる世界の輝きに満ちた、爽快な青春小説。
人生はきっと自分次第で何度でもやり直せる
短編小説でないにも関わらず、章ごとに主人公が変わり、その主人公の視点へと移り変わることで、次々と光景が変わっていく。言葉はとても軽く、読んでいると爽快な気持ちになる。
大学生たちの日常が描かれた作品だけど、恋があり、友情があり、親子、兄妹への想いがあり、最後にはどこか勇気づけられ、また頑張ろうと思える。そして、大切なものを探したくなる作品だった。(30代女性)
「阪急電車」有川浩
<あらすじ>
隣に座った女性は、よく行く図書館で見かけるあの人だった…。片道わずか15分のローカル線で起きる小さな奇跡の数々。乗り合わせただけの乗客の人生が少しずつ交差し、やがて希望の物語が紡がれる。恋の始まり、別れの兆し、途中下車―人数分のドラマを乗せた電車はどこまでもは続かない線路を走っていく。ほっこり胸キュンの傑作長篇小説。
電車内、乗客が起こした奇跡
実在する阪急電鉄の今津線の8つの駅と車内が舞台です。
それぞれの乗客に起こった出来事が16話綴られています。それぞれに起こる出来事はどれもその人にとってアンハッピーなことで、ゆえにどの人も心を痛めたり人知れず悩んでいます。しかし、車内や駅で偶然出会った他人との触れ合いにより、ある人は気持ちにケリをつけて強くしなやかになり、ある人は自己否定ばかりしていた性格から人との交流を持てるようになったり、それぞれの人が前向きに進み始めます。
身近な人でなくても人が寄り添いあっていくと化学変化みたいに、新しいパワーが生まれるところ読み応えがあります。私も電車内でちょっと困っているような人がいたら、さりげなく声をかけてみようと思わせてくれた小説です。(50代女性)
「阪急電車」の関連テーマ
「夜のピクニック」恩田陸
<あらすじ>
高校生活最後を飾るイベント「歩行祭」。それは全校生徒が夜を徹して80キロ歩き通すという、北高の伝統行事だった。甲田貴子は密かな誓いを胸に抱いて歩行祭にのぞんだ。三年間、誰にも言えなかった秘密を清算するために―。学校生活の思い出や卒業後の夢などを語らいつつ、親友たちと歩きながらも、貴子だけは、小さな賭けに胸を焦がしていた。本屋大賞を受賞した永遠の青春小説。
多感な時期にある若者の心理をしっかり描くもの
重大の若者はとにかく悩みの中にあり、周りを気にしては落ち込むこともありで精神的に大変な想いをすることもあります。そんな点が描かれいてる事に共感でき、説得性も感じることが出来るものでした。
複雑な家庭環境にある男女主人公が登場しますが、悩みに押し潰されること無く最後はしっかりと一歩を踏み出して人生を歩んていくことになります。そのシーンには、頑張る気持ちをもらえました。(30代男性)
「夜のピクニック」の関連テーマ
「優しい死神の飼い方」知念 実希人
<あらすじ>
犬の姿を借り、地上のホスピスに左遷……もとい派遣された死神のレオ。戦時中の悲恋。洋館で起きた殺人事件。色彩を失った画家。死に直面する人間を未練から救うため、患者たちの過去の謎を解き明かしていくレオ。しかし、彼の行動は、現在のホスピスに思わぬ危機を引き起こしていた――。天然キャラの死神の奮闘と人間との交流に、心温まるハートフルミステリー。
犬と看護師のバディ物語
この小説は、知念 実希人さんが書かれている感動小説になります。優しい死神の飼い方と書いていますがタイトルからいってどこが感動するんだと思うでしょうが、なかなかさわやかな爽快感のある小説です。
犬に乗り移った死神が倒れていたところを看護師に助けられます。看護師が勤めている病院はホスピスで残り少ない人生を穏やかに暮らしていこうとする院長のもとに患者が集まってきます。この病院にはいろいろ秘密がありそして看護師も何か重要な秘密を抱えている。後は読んでみて確かめてください。(40代男性)
「優しい死神の飼い方」の関連テーマ
「山女日記」湊かなえ
<あらすじ>
こんなはずでなかった結婚。捨て去れない華やいだ過去。拭いきれない姉への劣等感。夫から切り出された別離。いつの間にか心が離れた恋人。……真面目に、正直に、懸命に生きてきた。なのに、なぜ? 誰にも言えない思いを抱え、山を登る彼女たちは、やがて自分なりの小さな光を見いだしていく。新しい景色が背中を押してくれる、感動の連作長篇。
いろいろな方の人生を感じられる
仕事や恋愛、結婚、家族関係のことなど色んな悩みを抱えながら登山をする女性たちの物語です。
主人公が一歩一歩歩みを進めるのと同時に、前向きな気持ちになっていく様子が、読み終わった後すがすがしい気持ちになります。
物語ごとに登場する山が違って、景色の描写がリアルで想像力が掻き立てられます。
登山の経験は一度もありませんが、挑戦してみたくなりました。
「山女日記」の関連テーマ
「夢をかなえるゾウ」水野敬也
<あらすじ>
ダメダメな僕のもとに突然現れたゾウの神様“ガネーシャ”。 なぜか関西弁で話し、甘いものが大好きな大食漢。そのくせ、ニュートン、孔子、ナポレオン、最近ではビル・ゲイツくん(、、)まで、歴史上の偉人は自分が育ててきたという……。しかも、その教えは「靴をみがく」とか「募金する」とか地味なものばかり。こんなので僕の夢は本当にかなうの!?
神様と平凡会社員の漫才自己啓発本
いわゆる自己啓発小説ですが、主人公に教えを授けてくれるのは大富豪でも著名人でも政治家でもなく関西弁のポップな神様。そんな神様から容赦なく紡がれる数々の痛快なダメ出しにクスッと笑いながら反省しつつ、何故だか頷いてしまう的確なアドバイスに、気づけばポジティブな気持ちで神様の教えを実践しようとしている自分がいます。(30代女性)
「夢をかなえるゾウ」の関連テーマ
「サラバ!」西加奈子
<あらすじ>
僕はこの世界に左足から登場した―。圷歩は、父の海外赴任先であるイランの病院で生を受けた。その後、父母、そして問題児の姉とともに、イラン革命のために帰国を余儀なくされた歩は、大阪での新生活を始める。幼稚園、小学校で周囲にすぐに溶け込めた歩と違って姉は「ご神木」と呼ばれ、孤立を深めていった。そんな折り、父の新たな赴任先がエジプトに決まる。メイド付きの豪華なマンション住まい。初めてのピラミッド。日本人学校に通うことになった歩は、ある日、ヤコブというエジプト人の少年と出会うことになる。
人の人生に寄り添うことができる一冊
主人公の歩は優等生で個性的な姉などに振り回されるが、人生順風満帆。だが、ある転機をきっかけにどこか他責的な性格となりどんどん落ちてしまうことに。姉から主人公への「芯が無く揺れている。常に他人と比較している」と核心的な指摘を受けた主人公と同じ気持ちになった読者も多いはず。
人生に悩みがある、人の目を気にしすぎている人に勇気を与える一冊と思います。(30代男性)
「ルンルンを買っておうちに帰ろう」林真理子
<あらすじ>
「私は最近、日一日と“男好き”になっていくようである」。モテたいやせたい結婚したい。いつの時代にも変わらない女の欲、そしてヒガミ、ネタミ、ソネミ。それがそんなにカッコ悪いもんかよ、エ? 本当に私って嫌な女ね。泣きたい思いを抱えつつ、「言葉の女子プロレスラー」となって、口には出せない女の本音を代弁、女性エッセイの常識をくつがえした著者。読み始めたら止まらないと大絶賛を浴びた、抱腹絶倒のデビュー・エッセイ集。
全ての女性の本音が詰まった話
主人公がなかなかリアルな世界では言えないけど、みんなが思ってるであろう本音をはっきり言っているところが、みんなが思ってることを代わりに言ってくれている気がしてポジティブになります。
思っているのは自分だけではなく、みんなこんな考えなんだと安心もします。女性の偽りのない気持ちを全てさらけ出しているので、ポジティブな気持ちになれます。(20代女性)
「助手席のチェット」スペンサー・クイン
<あらすじ>
元刑事の私立探偵バーニーに持ち込まれた女子高生失踪事件。彼は相棒の大型犬チェットと調査を開始した。警察犬訓練所を優秀な成績で卒業…はできなかったが、それでも優秀なチェットは、全力でバーニーをサポートする。チェットが犬の心、犬の視点で語り、全世界の犬好きの心を鷲掴みにした傑作『ぼくの名はチェット』の改題文庫化。本書を読まずして、犬好きと言うなかれ!
元気をくれる犬目線のミステリー
元刑事で探偵稼業をしているバーニーと、試験に落ちて警察犬になれなかった相棒のチェットが女子高生失踪事件を追いかけるミステリー。
視点が犬のチェットとなっているユニークな小説で、なにか大事なことが起きていても他のことに気を取られて分からなかった、と人間だったら反省しそうなことでもチェットは一切気にしない。
それどころか楽しいことや美味しい食べ物のことばかり考えている。そういう語りを読んでいると、起きてしまったことを後悔してクヨクヨしているのがバカらしくなってしまい、チェットの脳天気さに元気がもらえてポジティブになれる。(30代女性)
「かがみの孤城」辻村深月
<あらすじ>
学校での居場所をなくし、閉じこもっていた“こころ”の目の前で、ある日突然部屋の鏡が光り始めた。
輝く鏡をくぐり抜けた先にあったのは、城のような不思議な建物。そこには“こころ”を含め、似た境遇の7人が集められていた。なぜこの7人が、なぜこの場所に―― すべてが明らかになるとき、驚きとともに大きな感動に包まれる。 生きづらさを感じているすべての人に贈る物語。
鏡に中のお城に集まった7人の少年少女たちのハートフルファンタジー
年頃が近い中学生の男女7人が、ある日突然、鏡の中にある不思議なお城に行き来できるようになるのですが、みなそれぞれ「不登校」などの問題を抱えていています。
「いじめ」なども話のなかに含まれますが、そんなに暗い展開にはなりませんので安心して読めます。とてもスラスラと読める文章ですので、上下巻の本ですが一気に読めました。
なぜ突然鏡のお城にいけるようになったのか?この7人の関係性は?
物語の謎がとける頃には、心温まる展開に、生きていく元気が貰えます。(40代女性)
「かがみの孤城」の関連テーマ
「きりこについて」西加奈子
<あらすじ>
きりこは両親の愛情を浴びて育ったため、自分がぶすだなどと思ってもみなかった。小学校の体育館の裏できりこがみつけた小さな黒猫「ラムセス2世」はたいへん賢くて、しだいに人の言葉を覚えていった。ある事件がきっかけで引きこもるようになったきりこは、ラムセス2世に励まされ、外に出る決心をする。夢の中で泣き叫んでいた女の子を助けるために……。
醜い少女が美しくなるまで
周囲が悲鳴を上げるほどの不細工な女の子が主人公です。自分が不細工であることに気づいてから、様々な紆余曲折を経て、強くなっていく姿に心を打たれました。
しかも、周囲から攻撃を受け、それに対して反撃する形で強くなるのではなく、大きな優しさを失わないところが好きです。周りの人たちを巻き込んで、一緒に強くなっていくところが、読んでいてポジティブな気持ちになれます。(20代女性)