面白いシェイクスピアの戯曲。オススメの人気6選。

2022年5月10日

オススメのシェイクスピア戯曲

シェイクスピアの名前や作品名は知っていても読んだことがないという人も多いのではないでしょうか。
「ハムレット」や「ロミオとジュリエット」など悲劇作品が有名ですが、「十二夜」や「夏の夜の夢」のようなファンタジックな喜劇作品もあります。堅苦しそうと毛嫌いせずに、シェイクスピア初心者の人にもオススメの6作品をご紹介します

ハムレット

ハムレット

<あらすじ>
デンマーク王が急死し、王の弟クローディアスが王妃と結婚して王の座に就く。悲しみに沈む王子ハムレットはある日、父の亡霊と会い、その死がクローディアスによる毒殺だと知る。ハムレットは狂気を装い、復讐を誓うのだった…。シェイクスピア四大悲劇、最大の問題作。

全ては合わせ鏡のように。情に突き動かされる悲劇

主人公の父親が亡くなったことが陰謀によるものであることから始まる悲劇の物語です。親族間の命を懸けた闘争のはなしで、親や親友とも憎しみ合う中になっていき、結末に向けて登場人物の怨念のような情念が渦巻いていきます。主人公からするとこの話は復讐劇になるのですが、そこに書ける情熱ともいえる感情とそのために犠牲にしていくもの、衝撃のラストがなかなか興味を引く作品だと思います。喜劇好きの人にはお勧めできないですが、いい作品だと思います。(30代男性)

孤独と狂気のものがたり

ハムレットが段々と狂った振る舞いをするようになる様子が不気味であると感じた。周りに仲間や恋人がいたのにどうして孤独を選んでしまったのかについて深く考えさせられた。憂鬱な物語ではあるが海外作品のため共感性が刺激されすぎることもなく、舞台設定に浸りながら楽しむことができる作品だと感じた。何度も見返したい。(20代女性)

全ては合わせ鏡のように

キリスト教の宗教観がないと生死をかけるほど復讐することにハムレットがなぜ思い悩むのか本当の意味で理解することが難しいのかなとは思いました。
復讐の為に狂人のふりをしたハムレットですが、ポローニアスの悲劇のあたりから本当に気がふれてしまったよう感じました。

初めはオフィーリアを復讐劇に巻き込まないために辛く当たるハムレットですが冷たい言葉を投げかけつつも彼女に嫌われてたくない、甘えたい気持ちが伝わってきて悲しかったです。人間関係は合わせ鏡と言われますが、誰かに優しくされたければ自らがそのように接しないと返ってこないのですね。とはいえ天邪鬼な等身大の男の子と言う感じで憎めなかったです。元凶でもあるハムレットの母カートルートや、友人のふりをしてハムレットを陥れようとするギルデンスターンとローゼングランツの長いものには巻かれろの精神は今も昔もかわらないなぁと。個人的にはこの3人が一番理解できる人物像でした。最愛の彼女を失って、友達に裏切られ、親友のホレイショ―がだけが支えのハムレット。ラストのハムレットから彼への頼み事は、自分以上に信じられる人物からだからこその願いなのだろうと思いました。(40代女性)

「ハムレット」関連テーマ

ロミオとジュリエット

ロミオとジュリエット

<あらすじ>
モンタギュー家の一人息子ロミオは、キャピュレット家の舞踏会に忍びこみ、その仇の家の一人娘ジュリエットと一目で激しい恋に落ちてしまった…。宿命的な出会いと、短かく悲しい破局をむかえる話はあまりにも有名であり、様々な悲恋物語のモチーフとなっている。

名作古典、愛し合う二人の間に立ちはだかる障害

言わずと知れたシェイクスピアの恋愛悲劇です。昔から愛し合う二人の間にある障害をなんとか払拭しようとする物語は、見る者の心を打ち、頑張ってほしいと応援してしまうのです。物語は悲劇が悲劇をよび、バッドエンドともいえる終幕ですが二人にとってはハッピーエンドなのかもしれません。美男美女でなんども舞台化や映像化もされているので、ぜひご覧になっていただきたいです。(40代女性)

10代の突っ走った恋は誰にも止められない

ロミオとジュリエットの愛が悲劇に終わるという戯曲ですが、なんと実はロミオは15歳、ジュリエットは13歳という設定です。初恋だからこんなに盛り上がったのでしょうか。確かに20代、30代はもっと理性的です。仲の悪い実家同士というのも、10代の恋にとっては関係なく、ただ突っ走る恋というのも10代のならではだと思いました。(40代女性)

リア王

リア王

<あらすじ>
とつぜん引退を宣言したリア王は、誰が王国継承にふさわしいか、娘たちの愛情をテストする。しかし結果はすべて、王の希望を打ち砕くものだった。最愛の三女コーディリアにまで裏切られたと思い込んだ王は、疑心暗鬼の果てに、心を深く病み、荒野をさまよう姿となる。

重なり合った悲劇の物語

ブリテンの王であるリア王は年老いたことにより、3人の娘達に国の領土を分け与えようとします。
強欲で狡猾な長女と次女は言葉巧みに大いにリア王を喜ばせ領土を得ますが、末娘のコーディリアだけはリア王に対し、心にもない言葉を言わなかったため王の怒りを買い、身一つで追い出されてしまいます。
しかし、コーディリアはリア王を嫌っていたのではなく、誠実な性格ゆえにそのようなお世辞を言わなかったのです。
そんなコーディリアの誠実さと気高さを気に入ったフランス王は、コーディリアを妃として迎えます。その後、リア王は長女と次女に裏切られ彷徨い歩く事となります。
このような物語の進行から、誠実なコーディリアは女王として幸せに暮らし、コーディリアを見捨てたリア王や狡猾な長女と次女は酷い目にあう物語なのでは?
と想像する方も多いのではないでしょうか。しかし、この物語は決して勧善懲悪といった内容ではありません…。
リア王とコーディリアに待ち受ける運命とその結末は、やはりシェークスピアの四台悲劇の一つとして大変ふさわしい内容ですので是非お奨めしたい一冊です。(30代女性)

十二夜

十二夜

<あらすじ>
男に変装した若く美しいヴァイオラは、セザーリオと名乗ってある国の領主に仕えていた。その領主に魅せられたヴァイオラだが、領主は、伯爵家の令嬢で当主のオリヴィアに恋焦がれている。ところが、こんどはオリヴィアが男装のヴァイオラにひと目惚れ、大混乱が巻き起こって…。

異性装をモチーフにした喜劇作品

双子の兄妹の乗った船が難破してしまい、離れ離れになる話です。妹は生きていて身を守るために、死んだと思った兄になって男装します。公爵の小姓として仕事をするのですが、女性が男性になったために周辺の人物と難しい恋愛関係へと発展していきます。映画化にもなっていますが、どんどんややこしい状態になっていき、最後はどうなるんだろうとドキドキしながら楽しむことができます。(40代女性)

みんなが「言えない」何かを抱きながら幸せを見つける物語

「え?あのネタってこの作品が元だったの?」という驚きがいっぱい詰まった作品です。
例えば映画『恋に落ちたシェイクスピア』もこの作品が元ネタ。今ある様々な作品の原点と言っても過言では無いのではないでしょうか。
この作品、主人公が訳あって男装するところから始まるのですが、自分の本当の姿を好きな人に明かせない境遇から発せられる切ない言葉に思わずキュンとさせられてしまいます。正直ロミオとジュリエットより断然胸キュン作品です。
また、シェイクスピア作品の中によく登場する"道化師"の中で、この「十二夜」に出てくる道化師が一番賢く優秀だと言われています。なぜこの道化師がシェイクスピア作品の中で一番の道化師と言われるのかは、ぜひ読んで納得して頂きたいです!(30代女性)

夏の夜の夢

夏の夜の夢

<あらすじ>
アテネの町から少し離れたところにある森。妖精の住むこの森に二組の若い男女がやってくる。互いに愛し合いながら結婚を許されないライサンダーとハーミア。ハーミアを愛する青年ディミートリアス。その彼に片思いをするヘレナ。追いつ追われつ、夜の森の中を若い4人はさまよい、やがて疲れて眠ってしまったとき、いたずら者の妖精パックが登場。「ほれ薬」を男の目に注ぐのだが、相手をまちがえて、とんだ騒ぎがもちあがる。愛と幻想にみちたコメディ。

妖精と人間も交えた一夜の恋物語

妖精の王オベロンと女王タイターニアの対立だけでなく、親に結婚を反対されたハーミアとライサンダーのカップル、それを追うヘレナとデメトリアスという話も交えて展開されていくのが良かったです。また、その随所に大工や機屋のユニークな劇の練習もあり、その中で物語が一体どうなっていくのかが気になり、面白かったです。(30代女性)

シェークスピアによる恋のドタバタコメディ

愛とその秘めたる力について、楽しく物語が進んでいく。妖精も出てくるので、ファンタジー好きな読者には入りやすい。幻想的な夏至の晩に妖精と人間が織りなすドタバタ喜劇&ロマンティックコメディ。恋は盲目という、テーマが感じられる。オペラやバレーにもなっている有名な作品。悲劇の多いシェークスピアの中で、ハッピーエンドの物語なので最後まで楽しく読める。(50代女性)

ヴェニスの商人

ヴェニスの商人

<あらすじ>
裕福な貴婦人ポーシャへの恋に悩む友人のため、貿易商アントニオはユダヤ人高利貸しのシャイロックから借金をしてしまう。担保は自身の肉1ポンド。商船が難破し全財産を失ったアントニオに、シャイロックはあくまでも証文どおりでの返済を迫るのだが…。

悪い商人の企みをとんちで跳ね除けるもの

日本の物語に一休さんというものがありますが、それとに通った要素が見えることで親しみがわき、面白いと思えました。後半部分の見せ所に有名な裁判のシーンがあります。借金の形として己の肉塊を提供する条件をどうやって逃れるのか、それについてよく考えられた論説には、まるで高等なとんちの要素が見えて面白いと思いました。(30代男性)

小説