40~50代の大人の男性にオススメの小説20選

2022年5月26日

40~50代男性にオススメの小説

ゴールデンスランバー

作者:伊坂幸太郎

ゴールデンスランバー

<あらすじ>
衆人環視の中、首相が爆殺された。そして犯人は俺だと報道されている。なぜだ?何が起こっているんだ?俺はやっていない―。首相暗殺の濡れ衣をきせられ、巨大な陰謀に包囲された青年・青柳雅春。暴力も辞さぬ追手集団からの、孤独な必死の逃走。行く手に見え隠れする謎の人物達。運命の鍵を握る古い記憶の断片とビートルズのメロディ。スリル炸裂超弩級エンタテインメント巨編。

ハラハラドキドキなエンタテインメント逃走劇

私の大好きな作品なのですが、ケネディ暗殺事件のオマージュなので、男性が好きそうなイメージです。実際に40代夫も好きでした。ハラハラするエンタイテインメント感もあり、友情物語もあり、親子愛もあり、正義はどうにかる感(正義は勝つと言いたいけど、そこまでうまくいかないところも面白い)もあり、最後まで一気に楽しめます。(40代女性)

今夜、すべてのバーで

作者:中島らも

今夜、すべてのバーで
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明日は我が身(?)体を労りたくなる一冊

アルコール依存で入院生活を余儀なくされた主人公の物語ですが、作者自身の体験も加味されているあたりにリアリティーがあり、世代的に身に積まされるような気持ちになります。とは言えユーモアの要素が強く、体調がしだいに回復に向かう描写は前向きな気持ちになれます。
また、終盤でまたしてもお酒で失敗する様子などは「ほらみたことか」と言いたくなる気持ちが湧くと同時に自分にも置き換えることもでき、教訓として受け止められる内容です。(40代男性)

フライ,ダディ,フライ

作者:金城一紀

フライ,ダディ,フライ

<あらすじ>
鈴木一、47歳。いたって平凡なサラリーマン。ただし家族を守るためならスーパーマンになれるはずだった。そう信じていた。あの日が訪れるまでは──。一人娘を不良高校生に傷つけられ、刃物を手に復讐に向かった先で鈴木さんが出会ったのは──ザ・ゾンビーズの面々だった! 脆くも崩れてしまった世界の中ではたして鈴木さんは大切なものを取り戻せるのか。ひと夏の冒険譚がいま始まりを告げる!

平凡サラリーマンの夏休みの宿題

本作品の主人公が40代半ばの1浪・成成明学の経済学部出身の電気メーカー課長という設定に4~50代男性を想起させる点でリアルです。家族は愛する妻と自慢の一人娘。学歴的にもこれ以上の出世は望めなく家族の幸せが自身の幸せという平凡なサラリーマンに自身の幸せが壊される事態が訪れます。自身の幸せを取り戻すために自身の限界を超えるべくサラリーマンのひと夏の成長譚(守る者のために冴えないオッサンが覚醒)がコミカルに描かれています。家族を持つ男性だけでなく最近やるき・気力が減退してきたと思う層にも自己を鼓舞してくれる内容なのでお薦めです。(30代男性)

ブランド

作者:吉田修一

ブランド
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大人世代だからこそ楽しめる小作品

芥川賞受賞作家である吉田修一が、さまざまな企業の依頼に応じて書いてきた短編小説(一部、エッセイも含みます)をまとめた本となっています。「ブランド」という本のタイトル通り、ブランドにまつわる物語となっており、ブランドの上質さを実感できる大人世代が楽しめる一冊といえます。特に著者の吉田修一と同世代の4~50代の方であれば、出てくる固有名詞を含めて、自分の歩んできた道も振り返りながら、懐かしく読めるのではないかと思います。(50代女性)

82年生まれ、キム・ジヨン

作者:チョ・ナムジュ

82年生まれ、キム・ジヨン

<あらすじ>
ある日突然、自分の母親や友人の人格が憑依したかのようなキム・ジヨン。誕生から学生時代、受験、就職、結婚、育児…彼女の人生を克明に振り返る中で、女性の人生に立ちはだかるものが浮かびあがる。女性が人生で出会う困難、差別を描き、絶大な共感から社会現象を巻き起こした話題作!

なかなか縮まることのないジェンダー格差のモヤモヤ

今の20代30代に比べ、40代50代の男性はジェンダー差別に対する意識が低い最後の世代。一方で、女性の社会進出は進んでいるものの、あくまでもメインは男性で、女性はそれをフォローする役割といった意識がまだまだ残っている。その結果、男性は今まで通りの働き方を望み、女性側にばかり家事や育児の負担がのしかかっている。女性が悩み苦しんでいるのに、男性はそれが当たり前だと思い、何が問題なのか意識することもないという無意識のバイアスが一番問題であることに目を向け、気づきさせてくれる本。(30代女性)

潜熱

作者:乙川優三郎

潜熱

<あらすじ>
直木賞、山本周五郎賞はじめ、大佛次郎賞、中山義秀文学賞、芸術選奨文部科学大臣賞、島清恋愛文学賞を受賞など、あまたの文学賞を受賞した実力波作家が、書くことをテーマに、真正面から向きあった力作長編小説。昭和から、平成、令和へと生涯を通して、書くことへの飢えを希求した一人の男の魂の変遷を描く。

中学時代、青年期、老年期それぞれでの人生の岐路と機微

主人公の中学時代、青年期、老年期、それぞれの人生の岐路を描く物語が3編です。
同時代を生きる友人や恋人との関係、親との関係、そして人生の選択。それぞれで人生の機微が描かれています。大人だから、経験してきたから分かる心の痛み、読む側の心が引き込まれていきます。そして、自分の過去や遠くない老年期に思いをはせることになると思います。
この読後感、心の震えは、乙川さんならでは。ゆっくり自分の人生を振り返りたい時に、お勧めです。(50代男性)

夢幻花

作者:東野圭吾

夢幻花

<あらすじ>
花を愛でながら余生を送っていた老人・秋山周治が殺された。第一発見者の孫娘・梨乃は、祖父の庭から消えた黄色い花の鉢植えが気になり、ブログにアップするとともに、この花が縁で知り合った大学院生・蒼太と真相解明に乗り出す。一方、西荻窪署の刑事・早瀬も、別の思いを胸に事件を追っていた…。宿命を背負った者たちの人間ドラマが展開していく“東野ミステリの真骨頂”。

若い頃のノスタルジーを感じる物語

幻のアサガオを求めて主人公が一生懸命活躍する話です。この物語を読んで強烈に感じたのはノスタルジーです。若い頃が遥か昔になったこの年頃になった際に、自分が若かったら、主人公の立場だったらどうしていたろうと強烈なノスタルジーを感じます。主人公の活躍を若い頃の自分と重ね合わせて読むことができるこの本はとてもオススメできます。(50代男性)

ズッコケ中年三人組

作者:那須正幹

ズッコケ中年三人組

《あらすじ》
あのズッコケ三人組も28年を経て、不惑の歳を迎えた。さて、ハチベエ、ハカセ、モーちゃんの人生は―。

懐かしい作品の続編

40代から50代の人が、読んでいそうな、児童小説の続編です。
「ズッコケ中年三人組」の原作となった、ズッコケ三人組シリーズは、1978年から発表された児童小説。ズッコケ三人組シリーズは、ブームになりました。私がいた小学校にも、ボロボロになるまで読まれた、ズッコケ三人組シリーズがありました。40代から50代の人も、子供のころに読んだ人や、自身の子供が読んでいたのを記憶している人が、いるのではないでしょうか。

「ズッコケ中年三人組」は、ズッコケ三人組の主人公たちが、中年となったときの物語です。私は、社会人となって、この作品を読んで、懐かしくなりました。私も、小説の登場人物たちも、年を取ったなあと思いました。40代から50代の人も、この作品を読んで、懐かしくなる人が、多いのではないかと思います。(20代男性)

ノルウェイの森

作者:村上春樹

ノルウェイの森

《あらすじ》
十八年という歳月が流れ去ってしまった今でも、僕はあの草原の風景をはっきりと思い出すことができる――。1969年、大学生の僕、死んだ友人の彼女だった直子、そして同じ学部の緑、それぞれの欠落と悲しみ――37歳になった僕は、機内に流れるビートルズのメロディーに18年前のあの日々を思い出し、激しく心をかき乱されていた。

青春と複雑な愛の物語

40代の方には、主人公や登場人物の人生経験や葛藤に共感できる小説が良いと思います。年齢に合ったテーマやキャラクターが重要だと思うからです。
登場キャラクターは魅力的かつ複雑で読者はキャラクターたちの成長と変化を追うことが出来る内容です。
また、基本的に深いテーマで愛とか孤独等の哲学的な内容も多く読者側によく考えさせる内容にもなってます。(30代男性)

欲望と幻想の市場―伝説の投機王リバモア 

作者:エドウィン・ルフェーブル

欲望と幻想の市場―伝説の投機王リバモア

《あらすじ》
アメリカ金融界の伝説の投資王リバモアの伝記小説。株式と商品相場で巨万の富を築くも相場の暴落で全財産を失う。その人生の教訓、市場の欲望と幻想は今に生きる。

洞察に満ちた消費心理学

本書は、経済と心理学の結びつきを鮮やかに描いた洞察的な作品です。現代社会の欲望と消費についての深い理解を提供してくれます。
また、著者は広告やマーケティングの裏側に光を当て、なぜ消費者は特定の商品やサービスに魅了されるのかを深い考察を交えて説明しています。

心理学的要素や文化的影響にも焦点を当て、購買意欲がどのように刺激されるかを明らかにしている部分も興味深いです。くわえて、賢い消費者としてのスキルを磨く方法も示唆されており、個人の選択に対する洞察を提供してくれます。
経済に関心のある方、特に40~50代の男性にとって刺激的で啓発的な一冊になると考えます。(30代女性)