想像を刺激する!海外SF小説のおすすめ9選

2022年10月30日

オススメ海外SF小説

おすすめの海外SF小説を集めてみました。
古典的名作SFから、SF初心者も楽しめる作品まで。想像力が刺激される傑作ばかりです。
未知の想像世界を楽しんでみませんか。

星を継ぐもの

作者:ジェームズ・P・ホーガン

星を継ぐもの

<あらすじ>
月面調査隊が真紅の宇宙服をまとった死体を発見した。すぐさま地球の研究室で綿密な調査が行なわれた結果、驚くべき事実が明らかになった。死体はどの月面基地の所属でもなく、世界のいかなる人間でもない。ほとんど現代人と同じ生物であるにもかかわらず、5万年以上も前に死んでいたのだ。謎は謎を呼び、一つの疑問が解決すると、何倍もの疑問が生まれてくる。やがて木星の衛星ガニメデで地球のものではない宇宙船の残骸が発見されたが……。

人類の生い立ちを解明していく物語

海外SF作品の古典であり、最高峰の一つと言える作品。
人類進化の歴史の中で、謎として知られているミッシングリンクや、小惑星や月の誕生の謎、月の裏面に関する多くの謎(表と裏とでの様相の大きな違い)という歴史的事実をベースにして、独自の解釈を加え、フィクションながら、あたかも現実として目の前で展開していくような物語で、読者はその驚愕の展開に驚き、その後も続いていく物語に魅了される。(40代男性)

ハードなSFミステリーの金字塔

かなりハードなSFとなり、はっきり言って素人向けではありません。しかし、あまりに深く彫り込まれた作中のオリジナル設定には興味をひくものがあって読めばかなりハマりこんでいけます。
月面で発見された謎の生物の死体をきっかけに大いなる物語が展開します。それは一体何で人類とどう関係するのか、その点を解明するミステリー要素も盛り込まれたものです。SF、ミステリーの2つの要素でたっぷり楽しめる名作でした。(30代男性)

火星の人

作者:アンディ・ウィアー

火星の人

<あらすじ>
有人火星探査が開始されて3度目のミッションは、猛烈な砂嵐によりわずか6日目にして中止を余儀なくされた。だが、不運はそれだけで終わらない。火星を離脱する寸前、折れたアンテナがクルーのマーク・ワトニーを直撃、彼は砂嵐のなかへと姿を消した。ところが――。奇跡的にマークは生きていた!? 不毛の惑星に一人残された彼は限られた食料・物資、自らの技術・知識を駆使して生き延びていく。映画「オデッセイ」原作。

火星に取り残された男のサバイバルが堪能できる

この作品の面白いところは、火星に一人で取り残されてしまうというかなり絶望的な情況でありながら、主人公のマークが持ち前のポジティブさと豊富な知識で乗り越えていくところです。なので緊迫感とユーモアが同時に存在しているという他の作品にはなかなか無い魅力があります。
人間が本来持っているサバイバル能力の高さを実感できる作品です。(20代男性)

宇宙サバイバルの物語

有人火星探査ミッションに参加する宇宙飛行士が主人公の作品です。着陸直後、事故により火星に一人取り残されることになった主人公。水も食料も限られ、地球との交信も出来ず、救助も期待出来ない状況にも関わらず、植物学者としての知識を活かし、じゃがいもを栽培し食料を作ったり、何とか火星で生き延びようとする奮闘が描かれています。
絶望的な状況ですが、主人公は常に明るく、ポジティブに一つ一つ問題を解決し火星からの脱出を目指して行きます。すぐ調子に乗って大失敗したり、主人公のキャラクターが何とも人間的で魅力を感じる作品でした。(30代男性)

アンドロイドは電気羊の夢を見るか?

作者:フィリップ・K・ディック

アンドロイドは電気羊の夢を見るか?

<あらすじ>
第三次大戦後、放射能灰に汚された地球では生きた動物を持っているかどうかが地位の象徴になっていた。人工の電気羊しか飼えないリックは、かくて火星から逃亡した〈奴隷〉アンドロイド八人の首にかかった賞金を狙って、決死の狩りを始めた! 現代SFの旗手が斬新な着想と華麗な筆致で描く悪夢の未来世界!

人間について深く考えさせられます

よく練られた作品で面白かったです。アンドロイドの鑑別方法が実に興味深かったですね。アンドロイドと人間を比べることで、人間とは何かを考えさせてもらったように思います。SFだけど、起こり得ない未来かというとそうでもない、というのが惹かれたポイント。はっきりと答えのない部分は自分の中で答えを見つけるのかなと、そこを考えるのも一興でした。(30代女性)

「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」の関連テーマ

宇宙戦争

作者:ハーバード・ジョージ・ウェルズ

宇宙戦争

<あらすじ>
世界各地で流星群が目撃されたが、それはたんなる流星ではなかった。未知の物体は大音響とともに落下し、地中に埋まった物体の中から現われたのは、想像を絶する宇宙の怪物……宇宙人の襲来を描く古典的名作。

意外な宇宙人の遭遇と人間ドラマ

宇宙から襲撃するのではなく、古代から地中深くにいた宇宙人が一方的に人類を蹂躙しながらも宇宙人を撃退したのが意外なものだったという人間がいかに驚異の前には無力であるかを物語っているのが興味深かったです。さらにSF要素だけでなく、家族愛なども描かれており、登場人物の心情も丁寧になっていたので、よりストーリーに没入することができました。(40代男性)

紙の動物園

作者:ケン・リュウ

紙の動物園

<あらすじ>
香港で母さんと出会った父さんは、母さんをアメリカに連れ帰った。
泣き虫だったぼくに母さんが包装紙で作ってくれた折り紙の虎や水牛は、みな命を吹きこまれて生き生きと動きだした。魔法のような母さんの折り紙だけがずっとぼくの友達だった……。

ヒューゴー賞/ネビュラ賞/世界幻想文学大賞という史上初の3冠に輝いた表題作など、第一短篇集である単行本版『紙の動物園』から7篇を収録した胸を打ち心を揺さぶる短篇集。

現代SF最高の泣ける短篇集

主要なSF文学賞を総舐めにした表題作を含む7編を収録した短編集で、海外のSF小説としては異例なくらい売れている作品だと思います。
どの短編もハイレベルでハズレなし。感涙ものの表題作「紙の動物園」はもちろんすばらしいですが、「結縄」のアイデアと、苦味のあるストーリーがいちばん印象深かったです。

もともと1冊だった単行本を文庫化に際して分冊し、『紙の動物園』のほうにはSFというよりファンタジー寄りの作品が選ばれているとのことで、SFが苦手な人でも読みやすい作品が揃っていると思います。多少理解しにくい部分があってもキャラクターの情感がしっかり描かれているので、焦点を失わずグイグイ読めます。
作者が中国系アメリカ人で、中国文化を背景とした作品が多いのも、アジア人として楽しめるポイントです。おそらく多くの日本人にとって、アメリカやヨーロッパの文化をベースにした小説よりもずっと親しみやすく、読みやすいと思います。(30代男性)

夏への扉

作者:ロバート A ハインライン

夏への扉

<あらすじ>
ぼくの飼い猫のピートは、冬になるときまって「夏への扉」を探しはじめる。家にあるドアのどれかひとつが、夏に通じていると固く信じているのだ。そして1970年12月、ぼくもまた「夏への扉」を探していた。親友と恋人に裏切られ、技術者の命である発明までだましとられてしまったからだ。さらに、冷凍睡眠で30年後の2000年へと送りこまれたぼくは、失ったものを取り戻すことができるのか──

やさしい愛に溢れたお話

発明家であるダンの気持ちを考えると誰もがやりきれなくなります。自分の会社を追い出され恋人も失うと踏んだり蹴ったりですが、しかしそんな時でも猫と一人の少女はそばにいてくれました。恋人への恨みもあり。コールドスリープを行いますがそれは自分が意図していたものとは違っていました。待っていた未来は思っていたものとは違うものでした。それでも懸命にもがくダンを見て、きっと応援したくなるはずです。(30代男性)

「夏への扉」の関連テーマ

ジュラシック・パーク

作者:マイケル・クライトン

ジュラシック・パーク

<あらすじ>
霧につつまれたコスタリカの孤島で、極秘のうちに建設が進められているアミューズメント・パーク――それが〈ジュラシック・パーク〉、バイオテクノロジーで現代によみがえった恐竜たちがのし歩く、驚異のワンダーランドだ。オープンをひかえ、視察のための顧問団が島に向かって出発した。だがその前途には、人類がいまだかつて経験したことのない恐怖が待ちかまえていた! スピルバーグ大型映画化の夢の恐竜サスペンス。

甦った恐竜はまた絶滅するのか?

科学者たちがバイオテクノロジーを駆使して恐竜たちを現代に蘇らせるSFパニック物語です。恐竜たちが生息していた当時のDNAを用いて、大小様々な恐竜たちが実際に甦りますが、恐竜たちは当初科学者たちが想定していた火山島から脱出しはじめ、次々に惨劇が襲ってきます。甦った恐竜たちの迫力は当時図鑑で見ていたものと大きく異なり、圧倒的すぎて声も出なくなるほどです。(50代男性)

冷たい方程式

作者:トム・ゴドウィン

冷たい方程式

<あらすじ>
ただ一人の乗員を目的地に届ける片道分の燃料しか積んでいない緊急発進艇に密航者がいたら、パイロットのすべきことはただひとつ――船外遺棄だ! だがそれが美しい娘で、しかもたった一人の兄会いたさに密航したのだとしたら、あなたならどうする?……SF史上に燦然と輝く記念碑的名作「冷たい方程式」をはじめ、名作、傑作の誉れ高い作品全9篇を厳選。旧版からの2篇に新たに7中短篇を加えたSF入門書の新版登場!

多くの命を救うため、わずかな犠牲は容認されないといけないのか

登場人物に名前がないにもかかわらず、その内容のハードさに彼らへの愛着が止まりません。
ラストの自ら命を投げ出す選択をする少女と、多くの人を救うためとはいえ目の前の少女の自殺を止めることができない操縦士。
それぞれの心境が非常に悲しいものだと思います。
作品の無慈悲さには納得しながらも、自分なりの別の解決方法を考えてしまいます。
未だに多くのオマージュやパロディが作られるのも納得です。(40代男性)

われはロボット

作者:アイザック・アシモフ

われはロボット

<あらすじ>
ロボットは人間に危害を加えてはならない。人間の命令に服従しなければならない…これらロボット工学三原則には、すべてのロボットがかならず従うはずだった。この三原則の第一条を改変した事件にロボット心理学者キャルヴィンが挑む「迷子のロボット」をはじめ、少女グローリアの最愛の友である子守り用ロボットのロビイ、ひとの心を読むロボットのハービイなど、ロボット工学三原則を創案した巨匠が描くロボット開発史。

ロボット三原則原作者による、セルフツッコミ物語

SFがロボットを取り扱う場合、大体言及はされる「ロボット三原則」を取り扱った短編。「SFのロボットものが好き」と言うなら、まずは是非読んでおくべき聖典の1つ。「R.U.R」を軽んじるつもりはないが、現代の「ロボット」イメージの原典は間違いなくこちら。
短編作の『堂々めぐり』はロボット「SPD13号」の不可解な行動の理由を解き明かすミステリーとなっている。
だが、「ロボットが感情を持つ」的ファンタジックな要素も、「大事なところのネジが抜けてた」式偶然もなし、ハードSFの作法にしっかり則った理詰めの展開が、ユーモラスな「アシモフ節」で語られ、意外な結論に辿り着く。
SF史どころか産業史にも影響を及ぼす大発明「ロボット三原則」に対して、作者自身が最初期にツッコミを入れているという事実に、後の創作者は戦慄せざるを得ない。「ある分野の開拓者は、その時点で大体の事は言い尽くしている」という良い例である。(40代男性)