東野圭吾の魅力が詰まった傑作映画10選
大ベストセラー作家である東野圭吾作品はたくさん映画化されたものがありますが、その中でもおすすめの10作品をご紹介します。
ガリレオシリーズ、加賀恭一郎シリーズなど人気シリーズもたくさんあり、推理サスペンスにとどまらず、社会派映画やコミカルな作品など、多彩な物語を堪能できます。
東野圭吾の魅力が詰まった映画をお楽しみください。
- 2024/3/19 「人魚の眠る家」を追加
容疑者Xの献身
<あらすじ>
惨殺死体が発見され、新人女性刑事・内海(柴咲コウ)は先輩と事件の捜査に乗り出す。捜査を進めていくうちに、被害者の元妻の隣人である石神(堤真一)が、ガリレオこと物理学者・湯川(福山雅治)の大学時代の友人であることが判明。内海から事件の相談を受けた湯川は、石神が事件の裏にいるのではないかと推理するが……。
親子の笑顔を守るため、天才数学者が完全犯罪を犯す
ある日、顔を潰された男性の遺体が発見される。警察が捜査を進めていく中で、被害男性の元妻(松雪泰子)が犯人として浮上するが、彼女には完璧なアリバイがあった。行き詰まった内海刑事(柴咲コウ)は、天才物理学者の湯川(福山雅治)の知恵を頼る。その過程で元妻の隣人である天才数学者の石神(堤真一)が湯川の大学時代の友人であることがわかる。
東野圭吾原作の大人気テレビシリーズの劇場版です。ドラマ版を知らなくても、この話だけで十分に楽しめる作品となっています。
堤真一さん演じる石神のキャラクターがいい人過ぎて、いちいち胸が締め付けられそうになります。隣人親子に対する姿勢はまさに献身そのもの。被害者男性はクズ男なので、このままバレずに幸せになって欲しいと祈るような思いで見ていました。結末を知っていても何度も涙してしまう映画です。(30代女性)
手紙
<あらすじ>
川崎のリサイクル工場への送迎バス。最後部座席に野球帽を目深に被った青年の姿がある。武島直貴、20歳。暗い目をしたこの青年には、人目を避ける理由があった。兄・剛志が、直貴を大学にやる学費欲しさに盗みに入った邸宅で、誤って人を殺してしまったのだ。数度にわたる引越しと転職。兄貴がいる限り、俺の人生はハズレ。そういうこと―。自暴自棄になる直貴を、深い絶望の底から救ったのは由美子の存在だった。しかし、その幸せが再び脅かされるようになった時、直貴は決意する。…塀の中から届き続ける、この「手紙」という鎖を断ち切ってしまう。
殺人罪で服役中の兄と、兄の罪に苦しめられながらも必死に生きる弟の話
若くして両親を亡くした兄弟。ある日、高校生の弟・直貴(山田孝之)の学費の工面に困った兄(玉山鉄二)は、空き巣に入った家で住人と鉢合わせた末、殺人を犯してしまう。兄は無期懲役となり、直貴は大学への進学を諦めて工場で働くことになる。やがて、直貴のもとに兄から毎月手紙が届くようになる。
被害者家族の話は沢山あるけれど、ここまで徹底的に加害者家族の辿る悲惨な人生にスポットライトを当てた作品はそう多くないと思います。
「君のお兄さんは、そこまで考えなくちゃいけないんだよ。自分が刑務所に入ればいいという問題じゃない。今の君の苦しみをひっくるめて、君のお兄さんの犯した罪なんだ」
これは、直貴が腰を据えて働くことになる家電量販店の会長さんの言葉です。出番は少ないものの、この映画のテーマをさらっと話してくれたように思います。
こんなにも加害者家族が苦労するということを加害者が理解してくれたなら、もしかしたら犯罪は減らせるかもしれないと思わせてくれる映画でした。(30代女性)
「手紙」の関連テーマ
マスカレード・ホテル
<あらすじ>
都内で起こった3件の殺人事件。すべての事件現場に残された不可解な数字の羅列から、事件は予告連続殺人として捜査が開始された。警視庁捜査一課のエリート刑事・新田浩介(木村拓哉)はその数字が次の犯行場所を示していることを解読し、ホテル・コルテシア東京が4番目の犯行場所であることを突きとめる。しかし犯人への手掛かりは一切不明。そこで警察はコルテシア東京での潜入捜査を決断し、新田がホテルのフロントクラークとして犯人を追うこととなる。そして、彼の教育係に任命されたのは、コルテシア東京の優秀なフロントクラーク・山岸尚美(長澤まさみ)。お互いの立場の違いから幾度となく衝突する新田と尚美だったが、潜入捜査を進める中で、共にプロとしての価値観を理解しあうようになっていき、二人の間には次第に不思議な信頼関係が芽生えていく。
華やかな舞台に潜入する刑事たちと、ホテルマンの共闘ストーリー
連続殺人事件の次の舞台となるおそれのあるホテルに、刑事たちがホテルマンとして潜入するという設定が非常にユニーク。
刑事側の主役・新田を演じるのは木村拓哉さん。
ぶっきらぼうで、ホテルマンに扮するには気の利かないところがある彼ですが、刑事としての才能で機転を利かせるシーンが面白いです。
そんな新田の教育係になる山岸との凸凹具合も面白く、また、互いに影響しあって新しい視点を得ていくのもいいです。
登場人物もそれぞれかなり個性的。連続殺人事件の犯人は一体誰か、どこにいるのか、今いるのか。どの人物もどこやら怪しくて、先の読めない展開が非常に面白いです。(50代女性)
ホテルマンと刑事がバディを組む異色のミステリー
ホテルのコンシェルジュと、そのホテルに殺人犯が現れるという情報をもとに潜入捜査する刑事がコンビを組んで、事件を解決していく物語なのですが、とにかく話のテンポが良いのが魅力です。
コンシェルジュはお客様を第一に考え、刑事は犯人逮捕を第一に考える。お互いの意見がぶつかりながらも、事件解決のために少しづつ協力していく姿は、感動すら覚えます。とてもおすすめの作品です。(30代女性)
祈りの幕が下りる時
<あらすじ>
東京都葛飾区小菅のアパートで女性の絞殺死体が発見される。被害者は滋賀県在住の押谷道子。殺害現場となったアパートの住人・越川睦夫も行方不明になっていた。やがて捜査線上に浮かびあがる美しき舞台演出家・浅居博美(松嶋菜々子)。しかし彼女には確かなアリバイがあり、捜査は進展しない。松宮脩平(溝端淳平)は捜査を進めるうちに、現場の遺留品に日本橋を囲む12の橋の名が書き込まれていることを発見する。その事実を知った加賀恭一郎(阿部寛)は激しく動揺する。それは失踪した加賀の母に繋がっていた–。加賀恭一郎“最大の謎”がついに明らかに。
悲しき親子が背負った宿命の清算
親とは?子とは?を深く考えさせられる映画でした。
新参者の映画だと知り飛行機の中で見ていたのですが、見終わった後にどっと疲れを感じるほどの内容でした。人生とは時に残酷で、他にどんな解決方法があるのだろうかという事があります。
悲しい扱いが、悲しい人生を生む悲しみの連鎖。
連鎖から発生する事件とその事件を追う刑事という図式の物語。
その事件が解決したからと言って誰も喜ばないんじゃないか、でも人生とはそういう演出をする事があるなと。深く考えさせられる内容でした。(40代男性)
絶対に知られてはいけない秘密の物語
人気の加賀恭一郎シリーズのひとつです。加賀自身の母親の謎についても触れられていますが、最大の見所は、松嶋菜々子演じる浅居博美の抱えた秘密です。幼い頃の体験の秘密が明かされ、全ての事件の謎が解き明かされたとき、その切なさに涙が止まりませんでした。
ストーリーに無駄がなく、豪華俳優によって演じられた本作は、一見の価値があると思います。(30代女性)
白夜行
<あらすじ>
密室となった廃ビルで、質屋の店主が殺された。決定的な証拠がないまま、事件は容疑者の死亡によって一応解決を見る。しかし、担当刑事の笹垣だけは腑に落ちない。加害者の娘で、子供とは思えない美しさを放つ少女・雪穂と被害者の息子で、どこか暗い目をしたもの静かな少年・亮司の姿がいつまでも目蓋の裏を去らないのだ。やがて、成長した二人の周辺で不可解な事件が立て続けに起こり、意外な関係が姿を現し始める・・・。
人を愛した先にあったのは?
ドラマ版も映画版もどちらも好きだけれども、映画版の堀北真希さんの方が、ストーリーの雰囲気に合っていて良かったです。
とにかくどこまで行っても救われることはない、切ない世界観が本当に素晴らしく、犯罪とは何なのかとか、このストーリーの場合は、被害者は果たして誰だったのかとか、色々と考えさせられるし、最期はどうなってしまうんだろうって思いながら見てました。(30代女性)
人魚の眠る家
<あらすじ>
二人の子を持つ播磨薫子(はりま・かおるこ/篠原涼子)とIT機器メーカーを経営する夫・和昌(かずまさ/西島秀俊)。娘の小学校受験が終わったら、離婚すると約束した夫婦のもとに、突然の悲報が届く。娘の瑞穂(みずほ)がプールで溺れ、意識不明になったというのだ。回復の見込みがないわが子を生かし続けるか、死を受け入れるか。究極の選択を迫られた夫婦は、和昌の会社の最先端技術を駆使して前例のない延命治療を開始する。治療の結果、娘はただ眠っているかのように美しい姿を取り戻していくが、その姿は薫子の狂気を呼び覚まし、次第に薫子の行動はエスカレートしていく。それは果たして愛なのか、それともただの欲望なのか。過酷な運命を背負うことになった彼らの先には、衝撃の結末が待ち受けていた–。
脳死の娘への、母親の狂気の愛
愛する小さい娘がプールでの事故により脳死判定されてしまい、絶望の中でほんの少しの希望にも縋り付きたい母親の気持ちは、同じ母親として痛いほどよくわかり涙が止まりませんでした。
脳死は人の死か…人間の永遠のテーマだと思いますが、実際に自分の家族に起こってしまったら、決して簡単に答えを出すことは出来ないと思います。
第三者として映画を見ている私達にはこの母親の愛が狂気にも思えますが、実際に自分がこの母親の立場になったらと考えたら誰もこの母親を責めることは出来ないと思いました。(30代女性)
真夏の方程式
<あらすじ>
手つかずの美しい海が残る玻璃ヶ浦。その海底鉱物資源の開発計画の説明会に招かれた湯川は、旅館「緑岩荘」に滞在することに。そこで湯川は一人の少年・恭平と出会う。恭平は親の都合で、夏休みを伯母一家が経営する旅館で過ごすことになったという。翌朝、堤防下の岩場で男性の変死体が発見された。男は旅館のもう一人の宿泊客・塚原。これは事故か、殺人か…。思わぬ形で事件に巻き込まれていく恭平、環境保護活動にのめりこむ旅館の一人娘・成実、観光業がふるわず廃業を考える伯母夫婦。死んだ塚原はなぜこの町にやってきたのか。事件を巡る複雑な因縁が、次第に明らかになっていく。そして、湯川が気づいてしまった事件の悲しき真相とは――
湯川先生なりの不器用な愛情
美しい海辺の町で起こる殺人事件。
偶然居合わせた湯川先生が、殺人事件を解決に導いていきます。
事件を捜査していく過程で知り合った子供との友情が切ないです。あの子供嫌いの湯川先生が、あの子の気持ちを尊重して……。
見終わった後には子供を傷つけないようにという湯川先生なりの不器用な愛情が心に残ります。おすすめです。(20代男性)
「真夏の方程式」の関連テーマ
プラチナデータ
<あらすじ>
「プラチナデータ」から犯人を特定する最先端のDNA捜査が可能になり、検挙率100%、冤罪率0%の社会が訪れようとしていた。神楽龍平は警察庁の科学捜査機関「特殊解析研究所」に所属する天才科学者。天才数学者の蓼科早樹とともに開発したDNA捜査システムを用い、いくつもの難事件を解決してきた彼は、DNA捜査の重要関係者が次々と殺される連続殺人事件を担当することに。捜査が難航する中、蓼科も連続殺人の被害者となってしまう。そして、蓼科の殺害現場に残る証拠からDNA捜査システムが導き出した犯人は、なんと神楽自身だった――。殺人を犯した覚えがまったくない神楽は、真実を突き止める為に逃亡を決意。そんな神楽を追うのは、警視庁捜査一課の刑事・浅間玲司。やがて浅間は、新世紀大学病院精神科遺伝子学担当教授・水上利江子から、神楽がもう一つの人格“リュウ”を持つことを知る――。
表と裏、純真さと闇深さのコントラストが交錯するサスペンス
人の手からつくられたものには必ず二面性が存在していて、何も知らずに都合の良い方だけ、どちらか一方だけを鵜呑みにする怖さというものを感じます。今の時代だからこそ、この映画を見るとフィクションだけどフィクションとも思えないような話の設定に身につまされる思いがします。
見終わった後、心にジワジワ広がる切なさと、もの悲しさの中にも純粋な思いの尊さが温かく光るのを見つけられるような映画です。挿入歌の α≠a(fea.MikaKobayashi)という曲も印象的で物語を盛り上げています。(30代女性)
ラプラスの魔女
<あらすじ>
初老の男性が妻と訪れた温泉地で、硫化水素中毒により死亡した。担当刑事・中岡は、遺産目当ての計画殺人ではないかと疑いを抱く。警察からの依頼で調査を行った地球化学の専門家・青江修介教授は、「気象条件の安定しない屋外で、致死量の硫化水素ガスを吸引させる計画殺人は実行不可能」と事件性を否定した。しかし、同じ自然現象による事故が連続して起こり、被害者が知人同士だった…単なる偶然なのか?だが、もし事故でないのであれば、犯人は【その場所で起きるすべての自然現象を予測していた】ことになる。絶対に不可能だ。未来を予見する知性=「ラプラスの悪魔」など存在するはずがない……。行き詰る青江の前に、羽原円華という女が現れた。円華は青江の目の前で、これから起こる自然現象を言い当ててみせた。円華の「予知」に隠された秘密とは?青江の想像をはるかに超える、おそるべき全貌とは!?
不気味で不可解な事件が発端となり次第に主人公が知ることになる真相に、進みすぎる科学の功罪を改めて痛感させられる作品
ミステリー要素もありながら、SF要素もあるので、純粋にミステリー好きの人が見ると違うなと思うかもしれないと思いました。でも、広瀬すずはいるだけで可愛いなと思えたので、すずちゃんファンや、櫻井翔くんのファンは見るのをおすすめします。
原作を読むとスケール感が違う感じがするかもしれないので、原作を読む前に見る方がいいかもしれません。(40代女性)
疾風ロンド
<あらすじ>医科学研究所から、違法生物兵器「K-55」が盗まれた。研究所所長の下に届く犯人からの脅迫メール。「身代金の3億円を用意しろ」違法生物兵器のため警察には頼めない・・・、しかも残された時間は4日間・・・。
そんな窮地に白羽の矢が立ったのは、何故だかしがない主任研究員・栗林和幸。秘密裏に生物兵器を捜す命を受けるも、全く手掛かりがない・・・。そんな中、一本の電話が。≪犯人死亡! ! ≫まさかの事態に呆然とする一方で迫りくる大惨事へのタイムリミット。生物兵器の行方も完全に不明になったと、途方に暮れていたその時、犯人の遺品から僅かな手掛かりを掴むのだった。そこから浮かび上がったヒントは“日本最大級のスキー場"・・・。スキー初心者、何だかちょっと頼りない中年男が今、日本の未来を担う!?
スノボがしたくなる!
物語の序盤で爆弾(生物兵器)を仕掛けた犯人が死んでしまい、広大なスキー場の中で爆弾を探し回るというストーリーですが、コメディタッチで描かれていたのでとても面白くて、軽い気持ちで観られました。
オチもしっかりしていて予想外のラストだったので、しっかりハラハラして騙されました。スノボのチェイスなど雪景色の迫力がとても素晴らしかったです。(20代女性)