夏に読みたくなる、夏を感じる小説14選

2022年4月7日

夏に読みたくなる小説

風ヶ丘五十円玉祭りの謎

作者:青崎有吾

風ヶ丘五十円玉祭りの謎

<あらすじ>
相変わらず学校内に住んでいる裏染天馬のもとに持ち込まれる様々な謎。学食の食品をめぐる不可思議な出来事、吹奏楽部内でのトラブル、お祭りの屋台のお釣りにまつわる謎ほかに、裏染の妹の華麗な謎解きを加えた、全五編+「おまけ」つきの痛快推理連作集。

風変わりで面白い探偵裏染。

平成のエラリー・クイーンと絶賛された著者による上質かつ日常感溢れるミステリーは、読み心地はもちろんのこと、読後感も非常にスッキリ感を伴う心地良さがありました。裏染のキャラクターがこれまでの探偵概念を覆すほどのインパクトがあり、本作はミステリーとキャラクター小説、その両方をの面を堪能できるのが素晴らしかったです。(20代女性)

世界の中心で、愛をさけぶ

作者:片山恭一

世界の中心で、愛をさけぶ

《あらすじ》
高校2年生の朔太郎と、恋人のアキ。アキの死から、物語は始まる。ふたりの出会い、無人島への旅、そしてアキの発病、入院……。最愛の人を失うとは、どういうことなのか。日本中を涙させたラブストーリー。

悲しいけれど最高の恋の物語

最初の出だしから夏のイメージの展開で、本当に清々しいヒロインに惹かれました。また、夏の海水浴の時期に、二人の愛を深めていくシーンも夏です。青春恋愛小説というのは夏の情景が一番合うのでしょうか。私にとっても夏は恋愛を高めていく最高の季節だと思っています。肌を露出することによってお互いが惹かれ合うのも人間の性だと感じます。二人の永遠の愛に涙する傑作です。(60代男性)

夏への扉

作者:ロバート・A・ハインライン

夏への扉

<あらすじ>
ぼくの飼い猫のピートは、冬になるときまって「夏への扉」を探しはじめる。家にあるドアのどれかひとつが、夏に通じていると固く信じているのだ。そして1970年12月、ぼくもまた「夏への扉」を探していた。親友と恋人に裏切られ、技術者の命である発明までだましとられてしまったからだ。さらに、冷凍睡眠で30年後の2000年へと送りこまれたぼくは、失ったものを取り戻すことができるのか

純愛の扉を開く美しい物語

夏の扉とは、愛猫の探究心と主人公の科学に対する渇望と彼のヒロインへの愛を表現していると思いました。そしてヒロインとの人生を取り返し、運命をも変えてしまう愛の強さに感動しました。
相棒役のアンドロイドは、きっと愛猫の魂だと思います。主人公は自分の思いを遂げ、夏の扉を開いてしまいます。その強き意志こそ学ばなければいけないことかもしれません。ハッピーエンドに泣きました。(60代男性)

「夏への扉」の関連テーマ

悲しみよ こんにちは

作者:フランソワーズ・サガン

<あらすじ>
セシルはもうすぐ18歳。プレイボーイ肌の父レイモン、その恋人エルザと、南仏の海辺の別荘でヴァカンスを過ごすことになる。そこで大学生のシリルとの恋も芽生えるが、父のもうひとりのガールフレンドであるアンヌが合流。父が彼女との再婚に走りはじめたことを察知したセシルは、葛藤の末にある計画を思い立つ……。

少女の切ない夏の恋物語

少女は父とその愛人と共にバカンスへと出かけます。そこでひと夏の恋に落ちるのですが、自分の恋と同時に父と愛人の関係についても苦悩します。この小説を読むとその背景にコート・ダジュールの太陽と海、美しい夏の風景が鮮やかに目に浮かび、少女の苦悩をより切なく美しく感じてしまいます。
私がこの小説を初めて読んだのは高校生の時だったので少女と自分を重ねていましたが、娘をもつ今は親の目線で見てしまい、また違った趣を感じられます。世代を越えてお勧めしたい小説です。(50代女性)